サスペンスドラマ2:「83」

犯罪資料館 緋色冴子シリーズ『赤い博物館』

1985年晩夏に高校生の緋色冴子は帰宅し母を見つけ、冴子の誕生日の準備がされて居たが警察はキャリア・緋色賢二(長谷川初範)の指示で自殺と判断した。
2016年に時効成立の重要犯罪の捜査資料や証拠品を保管する警察施設・犯罪資料館通称「赤い博物館」の館長・緋色冴子(松下由樹)は守衛・大塚慶次郎(竜雷太)から人員補充で捜査資料を現場に置き忘れ情報を漏らし左遷の捜査1課・寺田聡巡査部長(山崎裕太)を受け入れ、寺田は係長・今尾(津田寛治)の指示で博物館に行き、冴子の淡々な態度に戸惑い博物館のデータ整理を始め、家族の毒殺放火事件を言われた。
寺田は証拠品引き取り途中でトラックが人を撥ね被害者・友部義男(宮川一朗太)は「25年前に交換殺人した」と言い死に冴子は交換殺人を再捜査すると言い、冴子と寺田は病院で友部の妻・真紀子(藤田朋子)に25年前の殺人事件を尋ね、叔父・友部政義(野添義弘)が国分寺で強盗に殺されたと聞き、容疑者・義男にアリバイが有り、冴子と大塚は寺田の歓迎会を行い、冴子は寺田の幼少時を調べ母・寺田朋子(星野真里)と父・章夫と叔母・遠藤晶子(重盛さと美)と暮らすが同時に全てを失ったと知った。
寺田は25年前の第1発見者・野口朝子(茅島成美)に尋ね義男の動機が広がり、大塚は現場を撮影し真紀子に会い側に空き地が有り事故が起きにくいと話し、冴子は同時期の2件の殺人事件が未解決で、赤羽の不動産会社長・杉山崇殺害事件で弟・杉山慶介(飯田基祐)が容疑者だがアリバイが有り訪ね事務員・田村久美(保田圭)に声を掛けた。
冴子と寺田は今尾から25年前の捜査を自身で調べると資料を持ち帰られ、寺田は無意味と言うが冴子は被害者目線がないと言い、寺田の両親ら3人が毒殺放火された事件で容疑者は晶子のストーカーだが朋子の話しのみで犯行を隠す身代わりで晶子の海外留学が妊娠を隠すためで章夫と晶子の不倫の子で、晶子が毒殺放火し自らも自殺し放火理由は身元を隠す為で妊娠がどちらか不明で寺田の母は晶子だと言い、寺田は朋子が証言させる為に殺さなかったと考え、冴子は真実が判り朋子の苦しみが判ったと告げた。
大塚は辞めようとする寺田と話し冴子が親を殺され真実を求めるが何も証拠品が残っていないと言い、冴子が夜道で襲われ、寺田らに追いつめすぎたと言い杉山不動産に行き久美が逃げ25年前に崇が慶介の傘を使い間違って刺したと聞いた、冴子は世田谷の主婦突き落とし殺人事件を再捜査を考え、父・賢二が来て冴子を止めるが断った。
寺田が冴子に2人で聞き込みを望み、世田谷事件の被害者の妹・中川春恵に会い被害者・斉藤千秋の夫・明彦に容疑がかけられ離婚を求めていてアリバイが有り連絡が途切れ、趣味の陶芸教室に行き2-3年前までいて冴子はパンフレットを見て真実が判った。
<以下、隠し字>
冴子は大塚と寺田にパンフレットを見せ、3日前の被害者は友部義男でなく斉藤明彦で、窯に行き真紀子に会い友部義男が最近に斉藤明彦になりすまし真紀子が25年前の交換殺人の共犯で、政義に虐待を受け知り合った政義と千秋を交換殺人を行い、数年前に真紀子が夫・義男と揉めて殺害し再会し死体処理し一緒に暮らした、真紀子は義男の殺害と死体遺棄で逮捕された。
冴子は寺田を幼時に遊んだ公園に行き、朋子が寺田のサッカーボールを燃やさなかく愛していたと言った。


監督:河原瑶
脚本:大久保ともみ
原作:大山誠一郎「赤い博物館」
出演者:松下由樹・山崎裕太・星野真里・保田圭・重盛さと美・茅島成美・津田寛治・長谷川初範・宮川一朗太・藤田朋子・竜雷太・野添義弘・飯田基祐
制作年:2016年


感想: 変則オムニバス方式で、いくつかの事件が重なる。
時効事件は警察の敗北だけでなく、人為的なものも含まれる。
再捜査が新しい事を掘り出す可能性は少ない筈だが、逆の可能性を示す。

新ヤメ検の女2

国選弁護士・葵あかね(賀来千香子)は誘拐事件容疑者・平川清(升毅)を接見し「萩原ファンド社長・萩原郁人(加藤虎ノ介)の息子・春斗を誘拐し身代金1億円要求したが春斗が急病で救急車を呼び現行犯逮捕」と聞き平川が足を引きずり春斗の容態を心配し気になり、捜査1課・野瀬(市川知宏)から情報を聞くと担当検事の同期生・剣崎十志男(川平慈英)が来て事件の見解を一方的に話した。
剣崎は平川の犯行でないと考え春斗を母・由香里(遊井亮子)の隙に連れ去った供述に目撃証言はなく足を痛め素早い行動が無理だが上層部意向で平川を近日中に起訴と言い、あかねはヤメ検でプレハブ事務所で小劇団看板女優・矢吹真緒(雛形あきこ)と大家・奥本健三(竜雷太)と話し、あかねと真緒は平川の元職場・小幡鞄工房で職人で真面目と聞くが社長・大関(山上賢治)から追い出され、事務官・鴨下(中村靖日)と剣崎が平川は35年前に傷害致死で10年の実刑で控訴しなかったと話した。
あかねと真緒は喫茶店マスター(なぎら健壱)から1週前に平川が雑誌の郁人と家族の記事で動揺と聞き、郁人は側近・片倉(近江谷太朗)に投資を話し、あかねは病院で郁人に会うが話しは断られ由香里とその友人・下中智子(松田沙紀)に会い、萩原ファンドの社員から片倉が萩原の手足で常にトラブル処理に追われ、事件前日も会社に来た男と揉めたと聞き、片倉の自宅隣人が「借金を返せる」と聞いた。
あかねは剣崎から萩原ファンドは6年前にある会社の相場操縦の疑いで立件されかかるが止められ、30億円儲けあおりで経営破綻した会社も多く自殺者も出たと聞き、片倉と揉めた男がフリーライター・矢田部康太(今野浩喜)で倒産し自殺した工場経営者・正平の息子と判明し、あかねは康太を訪ね母・静恵(鷲尾真知子)から正平の自殺を聞き事件当日は父の月命日と知るが連絡が取れなかった。
野瀬と警部・高岡(中西良太)が康太の転落死現場で捜査し、あかねと真緒は静恵から康太が萩原ファンドを調べスクープを聞き、マスターから康太と平川が親しいと聞き、剣崎は検察の萩原のインサイダー捜査を知り最高検察庁・田上(小木茂光)に尋ねるが断られ、あかねは春斗を見舞うと倒れた由香里から春斗の世話が自分だけと聞き、剣崎から萩原のインサイダーで検察幹部のもみ消しを聞いた。
あかねと真緒は春斗の意識が戻り行くと郁人が来て、智子を見かけ郁人の由香里と春斗への虐待を聞き小幡鞄工房の鞄を持ち、あかねは小幡鞄工房で智子の鞄は平川が作り、大関から平川が車から人を助け怪我し会いたくとも会えない人がいると聞き、剣崎は元裁判長・古木(穂積隆信)に平川の35年前の傷害致死で第3者の可能性を聞き35年前の捜査ノートで被害者・名越が安元恵美のストーカーで写真を見つけ、あかねは野瀬から捜査の不満を聞き、あかねは智子の娘・市香から平川に助けられた人を聞き、春斗を連れ出す由香里を止めた。
<以下、隠し字>
あかねは平川に「由香里が平川と共謀で誘拐し、目的は由香里と春斗を助ける事」と言い、「車から春斗を助け由香里と会い郁人からの虐待を知り逃がそうとし金が必要で誘拐を考えた」と聞き、大関との約束を破った理由を疑うと剣崎が来て35年前に第3者がいて庇うと安本絵美の写真と戸籍を見せ娘・由香里がいて絵美の罪を被ったと言い、あかねは由香里が平川の娘で、「出所後に偶然由香里の写真を見つけ避けたが偶然会い虐待を知り助けたかった」と聞き、由香里が康太が自分で滑り転落と言いインサイダー取引の証拠を話し萩原ファンドの罪が判った。


監督:藤嘉行
脚本:ブラジリィー・アン・山田
出演者:賀来千香子・川平慈英・雛形あきこ・市川知宏・遊井亮子・加藤虎ノ介・近江谷太朗・今野浩喜・松田沙紀・山上賢治・穂積隆信・なぎら健壱・小木茂光・鷲尾真知子・中西良太・升毅・竜雷太・中村靖日
制作年:2016年


感想: 動機探しが主題だが、複雑な事が重なり真相が見えない。
恩人との約束以上に強い動機に最後に辿り付く。
余分な事件が絡むが、それも現実か。

検事の本懐

「技術技能支援財団」経理担当・園部勝也(稲田龍雄)の遺体が見つかり財団疑惑を東京地検特捜部が捜査中の重要参考人で、米崎地検検事・佐方貞人(上川隆也)と庄司真生(松下由樹)は部長・筒井義雄(伊武雅刀)から東京地検特捜部の応援を命じられ代議士・大河内定和(寺田農)が絡んでいた。
特捜部で佐方と真生は事務官・加東栞(本仮屋ユイカ)と事務官・小山哲明(和泉崇司)から「地方でのやり方は忘れろ」と言われ、部長・近田慶彦(矢島健一)と主任検事・輪泉琢也(正名僕蔵)が「技術技能支援財団」贈収賄事件で園部を追うと代表理事・増元敬清(六平直政)が関わり大河内に支援を仰いだ疑いがあり、園部を追及したが自殺し捜査の糸口が絶たれたと言った。
大河内と増元が大学開校を話し、特捜部は園部と財団を家宅捜査し増元を同行し、フリーライター・兼先守(山口馬木也)が園部の自殺を探り佐方と会い、真生は園部の手帳に事業団経理・葛巻利幸(手塚とおる)の名を見つけ聴取し、兼先は佐方の父・佐方陽世(中原丈雄)が29年前に顧問弁護士の建設会社会長の遺産5000万円横領事件で容疑事実を認めたが完全黙秘で懲役2年の実刑判決を受けた事を雑誌社に売り込んだ。
輪泉が葛巻が行方不明で捜査を指示し、佐方は葛巻のメモから栞と追うが逃走され近田と輪泉に批判された、佐方は栞と葛巻家へ行き真生と会い妻・葛巻佳枝(斉藤レイ)に息子・新一の就職祝いを返し、兼先は29年前の陽世の疑惑を絡めた記事を書くために広島で小田川建設社長・小田川一洋(岸博之)から父・隆一郎と陽世の関係を聞き込んだ。
佐方は輪泉の指示で従兄・岩舘啓二(春田純一)を聴取し、岩舘が余命短い母を見舞いたいと知るが輪泉が認めず佐方は体調不良を匂わせ岩舘を帰らせた、兼先は弁護士・篠原宗之(浜田晃)から陽世の国選弁護内容を聞き、佐方と栞に岩舘が出頭し葛巻と連絡がつき佐方に出頭を勧めたと聞いた、兼先は陽世の墓で清水沙代(真野恵里菜)に会い母・清水亮子(黒田福美)の恩人と聞き愛人と疑った。
佐方は兼先の取材に答えず、増元は葛巻から出頭を聞き、佐方は輪泉と事前の調書作成を渡され出頭した葛巻を聴取し、「知らずに運び亡き秘書・丸井が園部に渡し、愛人・永谷美園が話した個人的横領」と聞き、大河内が記者会見で丸井が園部から金を受け取っていたと発表し増元が同様の会見をし、佐方は近田と輪泉と対立し担当を外された。
佐方は引き継ぐ真生から1日の余裕を聞き栞と調べ、兼先は筒井から横領罪は返済で取り消されるが陽世が判決後に返済したと聞き、佐方と栞は葛巻の足取りを追い料理店で聞き込み、大河内事務所・米川京子から丸井に渡したと聞くが休暇で選挙期間中で疑問と言い、京子から菓子袋に入っていた本を受取り、兼先は亮子に隆一郎との子が沙代と言うが答えず余命が短いと聞いた。
<以下、隠し字>
佐方は美園を訪ね、真生と栞とで葛巻に菓子袋に本が有り料理店の常連・吉岡の本で間違って吉岡の菓子袋を運び金が届かず、金があれば重さで判り3000万円の菓子袋は無く虚偽で増元を立件すると言い、葛巻は金は運ばず増元の指示だと答え、佐方は近田と輪泉に葛巻は無関係で当日に丸井は旅行中でそこに園部も泊まり美園が認めそこで金の受け渡しが有り、真実の捜査が正義だと言った。
佐方は捜査を近田と輪泉に認められず、沙代の連絡で亮子に会い「陽世の死後に指示で金を届け無実を証明しなかった」と謝られ陽世からは心を受け取ったと答えた、兼先から国選弁護で違法捜査を否定し無罪にしたが記事に出来ないと聞き、検察特捜部は増元と大河内を逮捕した。


監督:兼﨑涼介
脚本:酒井雅秋
原作:柚月裕子『検事の本懐』
出演者:上川隆也・松下由樹・本仮屋ユイカ・和泉崇司・山口馬木也・矢島健一・正名僕蔵・手塚とおる・六平直政・真野恵里菜・黒田福美・寺田農・中原丈雄・伊武雅刀・稲田龍雄・春田純一・浜田晃・岸博之・斉藤レイ
制作年:2016年


感想: 大規模収賄事件と隠蔽に関わる事件を捜査するが検察上部は異常だ。
同時に記者が佐方の父の過去の事件を追う。
それぞれの真実は、少数の人しか理解出来ないものだった。

温泉殺人事件シリーズ2 伊豆天城温泉殺人事件

警視庁捜査1課・志垣良雄警部(片岡鶴太郎)は部下・和久井一郎刑事(浅利陽介)と伊豆天城温泉に行き、露天風呂を巡ると踊る染谷華子(尾崎愛)と女優・及川美月(白石美帆)と演出家・陣内博(田中健)に再会し、志垣は「17年前に美月は陣内が監督の映画「伊豆の踊り子」で主役を演じた」と言い、美月は陣内が主催の劇団女優で劇団が近日「伊豆の踊り子殺人事件」の芝居上演し見に来て欲しいと誘い踊り子は華子で美月は踊り子の母役と言った。
志垣は和久井にバスガイド(松居直美)が歌うバーで「踊り子役を美月と競う吉野葵(指出瑞貴)が映画の公開直前にビルから落ち死に、陣内が美月のアリバイを証言し葵は自殺で処理され、映画はヒットしたがスキャンダルで美月と陣内は姿を消した。」と言い志垣は「母・吉野美佐子(河合美智子)が自殺を否定し」疑問が残った。
翌日に志垣と和久井は華子の死体を発見し地元刑事・楠本(湯江健幸)と宅間(木村了)らが調べ身元がばれ、死因は出血死で凶器は舞台小道具の簪で陣内は芝居の小道具で踊り子が簪で殺されると明かしストーリーは劇団員しか知らないと言い、死体の側に華子の手紙が見つかり「殺される予感の恐怖と恋人に助けを求める心情が綴られ」宅間が相手と明かした。
志垣と和久井は宅間から華子の地元時代と東京での変貌と今回の再会を聞き、陣内と美月らが記者会見し「華子に代役・生野ルリ(梅舟惟永)を立て公演する」と発表し、華子の殺害場所が判り管轄の違う場所で移動理由が不思議で、下田で劇団員らはリハーサルを重ねると楠本らが聴取し、志垣と和久井が映画を観ていると楠本から事情聴取で劇団員全員が華子を殺したと自白したと相談された。
志垣らは陣内から芝居の稽古と言われ、美月に17年前の事件と今回が似ていると言い、翌日にルリが来ずに美月が踊り子で稽古を進め、志垣は和久井を残し東京に戻り上司・神崎洋一(飯田基祐)に再捜査を伝え刑事ら山田珠代(山下裕子)と服部伸之(浦山可児)と坂巻源太(植木祥平)らと見直し美佐子に会い離婚したと聞いた。
志垣は美月が他を断り陣内の劇団に居たと知り、自宅で妻・素子(あめくみちこ)と話し娘・直子(尾藤亜衣)が合コンに行った谷本卓也(パーマ大佐)をいじめ弱みを握られたと考え、ルリの死体が見つかり現場に行き状況が似ていて、稽古場で向竹則(内田健介)が美月を殺害犯と言い去り陣内は公演中止と劇団解散を告げた。
<以下、隠し字>
和久井が美月に代役すると告げ、志垣が美月に17年前に泣いた理由が葵を殺した贖罪と言い、屋上で美月と葵が揉め居た陣内が証言し以降に美月が離れられ無かったと言うと、美月は葵を突き落とし華子とルリ殺害を自供し、宅間が署に連れた。
志垣は和久井に華子とルリ殺害犯は別と言い遺書を思い出し、宅間が美月を追いつめると志垣と和久井が来て止め楠本と陣内が来て、志垣が華子とルリ殺害犯は宅間で変わった華子が許せなく華子が「助けて」の手紙を書いたが殺し状況を知れる管轄内に死体移動し、ルリ殺害し動機は宅間が葵の弟で陣内への復讐と言うと、陣内が宅間に謝罪し志垣が事件解決出来なかったと謝り、罪を正当化する宅間を許せないと言い逮捕した。


演出:村上牧人
脚本:鈴木裕那
原作:吉村達也「天城大滝温泉殺人事件」
出演者:片岡鶴太郎・浅利陽介・白石美帆・木村了・湯江健幸・飯田基祐・山下裕子・浦山可児・植木祥平・河合美智子・松居直美・梅舟惟永・内田健介・尾崎愛・尾藤亜衣・パーマ大佐・あめくみちこ・田中健・指出瑞貴
制作年:2016年


感想: 状況証拠で推移するが、ドラマ的に描きやすそうだ。
刑事の推理が鋭いのか、感情的なのか揺れる。
殺される為だけの登場人物が憐れだ。

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