サスペンスドラマ2:「71」

夏目家どろぼう綺談

明治36年東京・千駄木で、18歳の泥棒・ロク(西井幸人)は第一高等学校教師・夏目金之助(桐谷健太)と妻・鏡子(瀬戸さおり)との喧嘩を目撃し、餅屋(大島蓉子)に変人と聞いた使用人に奉公する井出(小島よしお)が逃げ去り、ロクは夏目家に盗みに入るが、新しい使用人と勘違いされ留まった。
ロクは寝坊し金之助の起こされ、刑事・伊佐地忠一(松田賢二)が盗品を調べ、ロクは逃げ出そうとするが寺田寅彦(西村元貴)が来て居座り高浜虚子(橋本淳)が来て待つと、金之助が帰りオッペケペー節を歌い、ロクは料理するがうまく行かないが3人は食べ、寺田が話した身投げに気分を害し中座し、ひと月前に教え子・藤村が滝で入水自殺し、金之助は責任で苦しんでいた。
妻は父に金之助は病気で嫌いでないから別れないと言い、ロクは逃げようとすると金之助がうなされ介抱し、金之助は欠勤届けをロクに持たせるがロクが字を読めないとを知り、金之助はロクに字引を贈り、ロクは字を学ぶ機会を得て夜に辞書をめくり字を覚えた。
伊佐地は質屋で金時計を見つけ、盗難届け先に持ち主人はロクを疑い悪く言い、ロクは本を読みたいと思うが、夏目家には難しそうな本ばかりで、金之助はロクのために本を書き始め題名は、後に金之助のデビュー作となる「吾輩は猫である」だった。
妻は寺田から金之助の様子を聞き使用人が若いと不審で、伊佐地はロクらしき男の居場所を聞き、金之助は続きを読みたがるロクの姿に、伝える喜びを再認識した、ロクが帰ると伊佐地が来て金之助が対応しロクの部屋を調べさせ、金之助はロクに初めから判っていたが盗みをせずにいたので放っておいたと伝えた。
<以下、隠し字>
伊佐地は右手が悪いと気づき、金之助はロクに事情を聞き金時計は息子が盗むが主人に犯人にされ手を痛められ、時計を盗み逃げ出したと事情を聞き、金之助は刑期が終えたら学ぶ様に知人を紹介し、学ぶ事と使う事を知ったと言った。
秋に妻が戻り、金之助は学校に戻り、書いた猫の本は話題になった、2年後に漱石となった金之助が帰るとロクが訪ねて来ていた。


演出:宝来忠昭
脚本:東山泰子(第14回テレビ朝日新人シナリオ大賞受賞者)
出演者:桐谷健太・西井幸人・西村元貴・松田賢二・瀬戸さおり・大島蓉子・小島よしお・橋本淳
制作年:2016年


感想: 「吾輩は猫である」と作家・夏目漱石誕生綺談だ。
変人が学ぶだけでなく学問を使う事に気づいた話しだ。

犯罪科学分析室 電子の標的2

警視庁捜査1課長・岩瀬(西村雅彦)が遺留物から帝光大学教授・阿武隈(モロ師岡)の焼けた遺体と推測し感染性ウィルスを研究と言い、自宅を犯罪科学分析室メンバーの藤江康央(伊原剛志)と倉田剛士(手塚とおる)らが捜索し、天城久美子(佐藤めぐみ)が浴室と書斎で血液反応を見つけ、大石浩平(皆川猿時)が阿武隈がゴルフクラブに通っていたと伝えた。
公安部長・灘波(宇梶剛士)が現れ証拠品は公安が押収し、理由を男性・東が路上で死亡し新型ウィルスが検出され阿武隈開発ウィルスと一致し、藤江は撤収したがゴルフクラブを調べ、2人目の被害者・宮本亜紀が出て合同捜査本部を設置すると犯人が電話で2010年の巨額詐欺「ヘブンゲート事件」の不正取引データの引き渡し要求し猶予は5時間で、公安はシステム担当・窪田(中脇樹人)を容疑者としたが交通事故死し運転手・谷口が供述し、窪田が盗んだデータの所在は不明だった。
灘波が厳戒態勢を指示し、藤江がメンバーと感染症対策権威の克実東子(藤田朋子)と来て2つの殺人事件から犯人の行動を割り出すと告げ、藤江は研究室で阿武隈の趣味の素数の問題を見、久美子は警備室で阿武隈のケースの映像を見、倉田は五條ミリオンバンク・瀬戸(児玉貴志)に窪田のデータを尋ねたが知らず、藤江は東子と素数の問題を考え、大石がうさぎの着ぐるみ姿と接触した30分後に死亡と見つけ、藤江は着ぐるみの画像をインターネットで拡散させ目撃情報が入るが、犯人は捜査攪乱で複数のアルバイトを雇い、1人が逃走し倉田らが身柄を確保すると瀬戸で死亡し大量殺人犯行が予告された。
東子は藤江と同級生で、桐生コーポレーションに久美子が監視カメラを設置し、代表・桐生(オクイシュージ)は元暴力団構成員で映像に窪田を轢いた谷口を見つけ故意でデータを盗んだと考え、藤江らは桐生外出中に倉田がオフィスに侵入し盗聴装置を付け遠隔操作しデータをコピーしたが桐生に気づかれた奪われたが藤江が助けた。
大石がデータを解析し振り込み先が瀬戸の女・宮本亜紀と五條ミリオンバンクの監査役・東で3人の結託を疑い、ヘブンゲート事件捜査を要求すると灘波は拒否し、藤江が窪田の家族を大学事務員・長津紗江(早織)と思い出し、紗江は帰宅し弟・長津柊也(竹内寿)と会い復讐を話し、灘波は拒否するが岩瀬が捜査を命じた。
<以下、隠し字>
脅迫映像が届き送信元を調べ柊也が倒れ紗江は居なく、藤江は映像を確認してメンバーと出動し、柊也は不明の犯行声明を聞き阿武隈に注射され紗江は拉致された、藤江らが来て声明にゴルフ音が入り場所を特定し飛沫痕が不自然でホームレスの死体で偽装と言い、大石が爆破物のパスワードが解除出来なく阿武隈が自害した。
紗江が気づき久美子が藤江が数式で爆破を止め、柊也と阿武隈の命も東子が助けたと伝え、藤江らと岩瀬らが灘波ら公安を呼び、倉田が桐生に偽のデータを奪わせ通信機と言うと灘波が保有し、大石らが桐生コーポレーションを家宅捜査し不正取引データを見つけ中に灘波がいて、藤江は窪田が無実で再捜査を提言した。


監督:神徳幸治
脚本:武井彩
原作:濱嘉之「電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央」
出演者:伊原剛志・手塚とおる・皆川猿時・佐藤めぐみ・早織・竹内寿・オクイシュージ・児玉貴志・中脇樹人・ゆかわたかし・ジジぶぅ・モロ師岡・藤田朋子・宇梶剛士・西村雅彦
制作年:2016年


感想: 華々しい科学捜査と情報捜査と見えるが実はコンゲーム要素が強い。
犯罪科学分析室の相手は、犯人と共にドラマの視聴者だ。
本編は古典的なトリックと時間制限サスペンスが組み合わさる。

京都南署鑑識ファイル10

京都南署鑑識係・円城寺りつ子(田中美里)は同僚・常盤(長谷川朝晴)と入口でカフェ「紫苑」・今井(河相我聞)からアルバイト・宇佐見衿香(仁村紗和)が無断欠勤し実家は旅行と言うが玄関ドアに血と告げ志賀鑑識主任(小林稔侍)が来ると去り、りつ子は常盤と衿香のマンションを調べ付着は血液でなく、今井のカフェで妻・ひかり(遠藤久美子)から25年前に父が志賀に誤認逮捕され状況証拠で自白し証拠品から無実が判明し、志賀は鑑識係になり事件は未解決で10年前に時効と聞いた。
橋のたもとで男の変死体が発見され大山刑事(東幹久)らと鑑識が出動し、致命傷は頸部刺創で別の場所で殺され衿香のスマホが見つかり、大山刑事らが社長・宇佐見武(石橋保)から旅行中と聞き、キャスター・藤堂陽子(田中美奈子)がライターから写真と情報を得て独占を求め、りつ子は解剖医と死斑で姿勢を疑い爪に異物を見つけ、常盤が携帯のメール復元し玉木ケイ子課長(黒田福美)が急がせ、タイヤ痕が一輪車で復元メールに監禁された衿香の写真が見つかり遺体の男らに誘拐と考え殺害現場特定を指示された。
りつ子は分析室員(小林美晴)から爪遺留物がワセリンで衣服に海砂が付着しズボンにビリヤード用チョーク付着と聞き、りつ子は3Dプリンターで刺創痕から凶器を復元しダーツの矢で殺害場所がビリヤード場と考え監視カメラ映像で不審人を見つけ、捜査本部で管理官・田畑に玉木らが報告し、大山らが廃屋ビリヤード場で三浦を捕らえ鑑識が血液反応と凶器を見つけ、三浦は死体破棄だけ認め遺体は戸倉(佐伯新)と判明した。
志賀は25年前の迷宮入り事件の関係者と知り、料理店女将・久坂竜子(茅島成美)と玉木からりつ子は25年前料亭女将・原田ひろ子が殺害され山口が容疑者でアリバイがなく逮捕され、後で血の付着女将のボールペンから山口以外のDNAで誤認とされ、25年前の関係者と今回の事件が衿香を接点に繋がると聞き、大山らが戸倉の家宅捜索で衿香の記事を見つけ、武が別荘に行き衿香を連れ出し金を持ち、テレビが来て報道し、陽子がライターに文句を言い裏があると言われ、別荘で戸倉の指紋と25年前の犯人の遺留指紋が見つかり武だが時効で、りつ子と志賀は今井夫婦の指紋を採取した。
武が25年前の犯人と戸倉が知り共犯者も25年前関係者と疑い、大山はマスコミへの情報提供が共犯者と考えひろ子の息子を疑い、陽子がライターから武が25年前の犯人で篠崎建設社長・篠崎から裏金を預かったひろ子が殺され公表出来ず戸倉に便宜を図ったと知らされたひろ子の息子と明かされ、陽子が誘拐を疑うが否定し、陽子が武を25年前の事件で取材し、りつ子は衿香のドアの着色料を調べ今井からひかりの幼馴染みの原田駿(海東健)が店に来て衿香を見た様子が変と聞き、今井はひかりと駿の仲を疑い、陽子がひかりを取材に呼び出すとマスコミの対応を批判された。
<以下、隠し字>
陽子の遺体が見つかり血痕を見つけバッグから原田駿を聴取すると武を疑えと聞き、陽子の強引な取材を疑い容疑者は3人で玉木は25年前の捜査も指示し、りつ子は陽子の服にワセリンとまつげを見つけ転落死を確認した時に付着と考え、玉木と常盤は武の妻を聴取し駿の証言を聞かせ常盤が犯行時の靴を見つけ、大山は武に陽子殺害は同一犯と告げりつ子と志賀が駿とひかりを連れDNAから犯人が武の妻・雪江(宮地雅子)だと述べ、駿は戸倉から武が25年前の犯人と聞き衿香誘拐を計画し戸倉が雪江を呼び出し武が25年前の犯人と言うと殺害され、駿の復讐計画は戸倉に武とひかりを殺させる予定が狂い陽子を利用した、雪江は衿香を守る為に次々犯行したと自白し、志賀は復讐が新たな加害者とその家族を生み出すと言った。


監督:樹下直美
脚本:福島治子
出演者:田中美里・小林稔侍・東幹久・黒田福美・遠藤久美子・海東健・田中美奈子・河相我聞・長谷川朝晴・茅島成美・仁村紗和・石橋保・佐伯新・小林美晴・宮地雅子
制作年:2016年


感想: 鑑識の物証探しがテーマの筈だが、それ以外にも関係する。
時効事件と、現在の誘拐事件と連続殺人との関係者に重なりがある。
同時に捜査側も重なりがある、誰にも動機がある状況だ。

誤算

看護師・永沢奈緒(羽田美智子)は仕事が真面目で周囲から煙たがれ、夫・永沢敏也(北原雅樹)は働かず借金に追われ退職金で払い全てを失い、河村奈緒は京都に行き遠山弁護士(大友康平)から資産家・鬼沢丈一郎(中村敦夫)の住み込み専任看護師を紹介され、階段から落ちる丈一郎を助け家政婦・浜田よし子(正司歌江)と長男の妻・鬼沢美恵子(辻沢響江)と会い、長女・田上京子(大島蓉子)が帰り騒ぎ幼馴染みの山崎医師(黒沢年雄)に診察させた。
奈緒は山崎からニトロを預かり病状とそばアレルギーを聞き、次女・鬼沢洋子(山下容莉枝)が来て遺産で死ぬのを待つと言い、長男・鬼沢淳一(森田直幸)から息子・宏はひきこもりと聞き、丈一郎の看護で食事制限で京子と揉め、息子・西山恵太(袴田吉彦)が手すりを直し、嫌がる丈一郎を散歩に誘い恵太から車椅子が見られたくないと知り、奈緒は恵太に非嫡子で遺産相続が半分と聞き、丈一郎は京子の娘・田上さやかとあかりに甘く、過去の苦労を聞き、遠山から丈一郎からの最後まで看取ると500万円贈与で感謝を金で表すと聞き、山崎は丈一郎に体調改善を言い、美恵子に癌と伝えた。
奈緒は恵太と丈一郎と遠出し服を贈られ店で踊り、恵太から結婚を勧められ離婚していないと明かし、宏が美恵子に暴れ奈緒と丈一郎が止め皆死ねと言われ、丈一郎の発作を奈緒がニトロで止め、奈緒は敏也から電話で離婚の文句と金を要求され、シャンデリアが落ち奈緒は恵太から注意され丈一郎の杖に細工され、奈緒は京子と洋子から丈一郎の長生きが困ると言われ、丈一郎から結婚を申し込まれ、恵太に再婚禁止期間を伝え相談し、結婚するが周囲に伏せて時間を稼ぐと聞き、密かに結婚した。
春になり丈一郎は公表を考え、奈緒は恵太と婚姻届けを出しに行き、花見で皆が集まり恵太が来ず、丈一郎が入れ歯を替え死に山崎が心筋梗塞とするが橋本刑事(梨本謙次郎)らが来て解剖を求め、奈緒がそばアレルギーだが機会がないと言い、奈緒は去りホテルで橋本刑事からそばアレルギーが死因で入れ歯と聞いた。
<以下、隠し字>
奈緒は遠山から丈一郎の遺言内容を聞き、妻・奈緒となるが婚姻はないと聞き、奈緒は恵太から敏也と再婚になり勝手にし遠山に頼まれたと聞き、丈一郎の死を悔やむと宏が連行されたが美恵子が自首し、奈緒と恵太は動機が夫が癌で先に丈一郎の死と考え山崎の関与を考え批判し、奈緒は恵太に乞われ淳一と宏の診る為に鬼沢家に残った。


監督:石原興
脚本:田中晶子
原作:松下麻理緒「誤算」
出演者:羽田美智子・中村敦夫・黒沢年雄・大友康平・袴田吉彦・山下容莉枝・大島蓉子・梨本謙次郎・正司歌江・辻沢響江・北原雅樹・森田直幸
制作年:2008年


感想: 第27回横溝正史ミステリ大賞。
事件までの潜伏が長い、証拠も捜査もなくあっけない。
婚姻と相続の法律が詳しいが、知識は謎でない。

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