吉村達也・サスペンス1

温泉殺人事件シリーズ 有馬温泉殺人事件

吉崎波満子(かたせ梨乃)は有馬温泉老舗旅館主人・吉崎俊基(深作覚)の後妻で俊基が事故死し、波満子の娘・理子(黒川智花)と俊基の娘・咲月(宮下ともみ)は複雑で、大番頭・春日井(小野武彦)が取りなし波満子は後を継いだ。
2年後に警視庁捜査1課警部・志垣良雄(片岡鶴太郎)は部下刑事・和久井一郎(浅利陽介)と妻・素子(あめくみちこ)と娘・直子(尾藤亜衣)と婚約者・谷本卓也(パーマ大佐)と食卓を囲み、幼馴染の波満子からの招待の手紙に和久井を連れると言い素子らに呆れられ、波満子は仲居頭・沢田なる美(宍戸美和公)と揉め、理子は仲居らの波満子の男遍歴の噂に謝り、東京で刺殺体が見つかり管理官・神崎(飯田基祐)が服部刑事(浦山可児)と坂巻刑事(植木祥平)から報告を受け山田珠代(山下裕子)が志垣と和久井の有馬温泉行きを言い遺留物等から身元探しを進めた。
志垣は和久井と有馬温泉旅館で40年ぶりに波満子と再会し、和久井が神崎からフランス人建築家のポール・ラガシュ(ピエール・ペアン)の刺殺体発見と有馬温泉の訪問を聞き、理子が志垣と和久井を案内し母に厳しく躾けられ母の男遍歴と俊基の死後に波満子が旅館を改築しフランス人建築家と付きあうが踏みにじると言い、堀咲月に会い名字を変え、理子は俊基を波満子が殺したと言った。
志垣と和久井は春日井から今は旅館が新館と2つに分かれたと聞き、神崎からポールと波満子が深い関係と聞くが否定され、理子と波満子は意見が対立し、志垣と和久井は兵庫県警・根本(五辻真吾)に会い俊基の死の詳細を聞き、志垣は夜に波満子からメールで呼び出され、和久井は理子と話し、志垣は春日井から波満子が呼び出されたと聞き部屋を調べ脅迫状を見つけ、探すと遺体で見つけ根本らが捜査した。
志垣は東京に戻り3つの事件が絡むと考え春日井と理子にアリバイがあり、ポールの残した言葉で咲月を疑い、翌朝に和久井は別荘で咲月の死体を見つけ志垣が来て部屋を調べ、自害直前の理子を止め脅迫状を書き波満子を殺したと聞くが信じなかった。
<以下、隠し字>
志垣と和久井は理子と春日井となる美と根本に波満子を皆が見誤ると言い、「俊基を転落死させた咲月が心を病み波満子が咲月の面倒を見たが咲月が自殺し、志垣が夜に見たのは波満子でなく死亡時刻が異なる」と言い、春日井は波満子とポール殺害を自白し、志垣はポールの改築計画を阻止する為に既に分かれていたと言い、春日井は理子に引退を認められず全て話し、理子が春日井のアリバイ作りを行ったと言った。


監督:村上牧人
脚本:安井国穂・鈴木裕那
原作:吉村達也「有馬温泉殺人事件」
出演者:片岡鶴太郎・浅利陽介・黒川智花・宍戸美和公・飯田基祐・山下裕子・浦山可児・植木祥平・宮下ともみ・五辻真吾・深作覚・ピエール/ペアン・あめくみちこ・尾藤亜衣・パーマ大佐・小野武彦・かたせ梨乃
制作年:2016年


感想: 手掛かりが人工的で解釈次第と言うのが悩ましい。
証拠は無いのに近く、犯罪小説的だ。
心の多様性と、親子の対立と愛情がテーマだ。

ミステリー作家・朝比奈耕作シリーズ「花咲村の惨劇」

花柳三沙子(須藤温子)の墜落現場に中沢刑事(阿南健治)が来て家族は鳥取県花咲村と聞き、花柳苑子(床嶋佳子)が電話連絡を受けた、ミステリー作家・朝比奈耕作(小泉孝太郎)は助手・夏目椿(阿南敦子)から先の事を考えず書き墜落事件をネタと言われ、捜査し事件を小説のネタにすると言い聞込みや現場検証を行うが真相は判らず、20年以上前に死んだ父・耕之介(佐戸井けん太)宛の手紙が届き差出人は三沙子で、父は民族学者だが花咲村の記録がなく、耕作は耕之介の知り合い尾車泰之(里見浩太朗)に尋ねると花咲村は耕之介が唯一調査を断念した村と言った。
耕作は花咲村へと向かい花柳龍太郎(児玉謙次)が土地を持つと聞き、中沢刑事と会い、花柳蝶子(ジュディ・オング)と長男・一呂志(山中聡)とその息子・明(須田瑛斗)と妻・唯子(星野真里)と次男・二由樹(阿部亮平)と次女・四穂美(渋谷飛鳥)と苑子と使用人・福井初乃(ぼくもとさきこ)らが三沙子の49日から戻った。
耕作は父・耕之介宛ての三沙子の手紙を見せ泊まり、龍太郎が次期当主を明と発表し、二由樹と四穂美は明の抹殺を話し、耕作は一呂志から苑子が龍太郎の後妻で、唯子も後妻と聞き、耕之介に鬼夜叉伝説を教え滞在した旅館で研究ノートを見つけ、一呂志と耕作は明が居ないと聞き、耕作が一郎桜で見つけ唯子が心配し医師が首にスタンガン痕を見つけ、苑子が耕作からノートを見ると、駐在・三谷(鈴木正幸)が祠から物が消えた騒ぎ、耕作に崎山家末裔・苑子を蝶子が龍太郎と結びつけ家系を乗っ取ったと言った。
耕作はノートの内容を追跡し、佐伯(山本龍二)から祠に近づくなと言われ、崎山家の廃屋で三枝(大内厚雄)の荷物を見付け燈籠に血痕を見つけ中沢と三谷に知らせ明の昨日の誘拐を告げ苑子に三枝を尋ね、東京に戻り中沢から血が二由樹と聞き、出版社で三枝がルポライターで26年前から行方不明で暴力団の裏ビジネスを調べたと聞き、三枝のカメラの写真を調べ大麻栽培を知り、三沙子の転落の謎が判った。
<以下、隠し字>
耕作は椿に調査を依頼し、花咲村に戻り祠に入り洞窟があり出た所で大麻と二由樹の死体を見つけ、苑子に崎山家が花柳家に荷担し、三枝に誘われたが消え、闇を暴いて欲しく手紙を書き、佐伯が襲うと中沢と三谷が来て止めた。
耕作は椿から三枝の子供を聞き、中沢と三谷が蝶子に大麻密造を迫り、耕作は四穂美に二由樹が明を誘拐し一呂志殺害を計画し、明がそれを聞き、二由樹は明を誘拐し助けた唯子に殺害され苑子と死体を洞窟に移動したと言うと唯子が自供し、耕作は唯子が三枝の娘と言い、耕作は明と三沙子が揉み合い事故で転落し明の体重が掛かり、明の悪夢がそれから始まっていたと言った。


監督:麻生学
脚本:大石哲也
原作:吉村達也「惨劇の村」シリーズ
出演者:小泉孝太郎・星野真里・床嶋佳子・ジュディ/オング・児玉謙次・山中聡・阿部亮平・須藤温子・渋谷飛鳥・須田瑛斗・阿南健治・佐戸井けん太・鈴木正幸・山本龍二・阿南敦子・ぼくもとさきこ・大内厚雄・里見浩太朗
制作年:2016年


感想: 民俗学が背景の古風なサスペンス。
隠れ里の秘密と、人間関係を主人公が追う。
細部の疑問は気にしない方が良いだろう。

温泉殺人事件シリーズ3 修善寺温泉殺人事件

捜査1課刑事・志垣良雄(片岡鶴太郎)は妻・素子(あめくみちこ)と娘・直子(尾藤亜衣)とその恋人の管理官・谷本卓也(パーマ大佐)の4人で修善寺温泉に家族旅行に出かけた。
捜査1課刑事・和久井一郎(浅利陽介)と山田珠代(山下裕子)と服部伸之(浦山可児)と坂巻源太(植木祥平)は課長・神崎洋一(飯田基祐)の指示で事件現場で被害者・渡瀬里佳子(太田唯)を調べ絞殺で顔が漆でただれていた、大手花屋チェーン渡瀬花苑社長・渡瀬春奈(池上季実子)と秘書・原沙織(NANA)が捜査を急がせ、和久井は先代・都(長谷川稀世)が開いた修善寺の本店を知った。
志垣らは修善寺を観光して和久井から里佳子殺害事件を電話で聞き、夫婦の恩人の医師・辻堂一之(西郷輝彦)を訪ねて「25年前に旅行中に素子から直子を取り上げてくれた」と言い、和久井は春奈と副社長・大野木絋一郎(西村和彦)に事情を聞き修善寺に行き志垣に会うが休暇中だと言われた。
志垣らは辻堂とその養女の看護師・小夜子(菅野莉央)と食事し、辻堂は里佳子が死に渡瀬花苑との縁を話した、志垣は志垣の診察で直子の妊娠を知り素子らが東京に戻った、志垣と和久井は小夜子に修善寺を案内して貰った。
春奈と沙織が辻堂を訪ねて小夜子を話すが断られた、志垣と和久井は渡瀬花苑本店で大野木からフラワーパークイベントを聞き沙織から春奈と里佳子が不仲だと聞き、都と会い家政婦・岡本トミ子(茅島成美)から先月に春奈と会ってから病気が悪化したと聞いた。
志垣と和久井は山田から漆を茨城の業者に修善寺の小夜子が買いに行ったと聞き、沙織の遺体の側で小夜子が発見され所轄・藤岡が調べたが黙秘し、辻堂が自首した。
志垣は東京に戻り辻堂と小夜子が庇い合うと考え、春奈を訪ねて里佳子の部屋を調べ、都が里佳子を後継と決めたが断ったと聞いた、和久井は岡本から沙織と大野木との交際を聞いた、スイートピーの花言葉を知った。
<以下、隠し字>
志垣は和久井と修善寺で小夜子を都に会わせると「里佳子」と言い、辻堂に「小夜子と里佳子が同一日に生まれ、渡瀬家に入れ換えられた」「都に冷遇された春奈が出産したが弱い子で、都は同日生まれの強い子を選んだ」、小夜子は「春奈に誘われたが後継を断り、断りの返事で春奈に漆を送った」と言った。
大野木は小夜子を呼び出して春奈殺害を謀り、志垣は和久井と小夜子と駆けつけて「大野木が沙織と共謀して里佳子を殺害した、小夜子が跡継ぎにしたいと聞き脅した沙織を殺した」、小夜子は「辻堂から春奈が花を毎年贈り見守っていたと聞いた」と言った。


演出:渋谷未来 脚本:鈴木裕那・佐藤奈央
原作:吉村達也「修善寺温泉殺人事件」
出演者:片岡鶴太郎・浅利陽介・NANA・菅野莉央・飯田基祐・山下裕子・浦山可児・植木祥平・池上季実子・長谷川稀世・茅島成美・太田唯・尾藤亜衣・パーマ大佐・あめくみちこ・西村和彦・西郷輝彦
製作年:2017年


感想: 謎の構成に強引さが目立つ。
歴史との類似性をテーマにする事は可能だろう。
捜査係の活躍が少ない。

ミステリー作家 朝比奈耕作シリーズ2 鳥啼村の惨劇

ドラマの撮影中に俳優・岩下吾郎(モロ師岡)が毒殺され捜査1課警部・中沢義信(阿南健治)と刑事・小野田一郎(足立尭之)らが調べ、朝比奈耕之介(佐戸井けん太)の「鳥啼村見聞録」と書かれたノートを見つけた。
小説家・朝比奈耕作(小泉孝太郎)は家政婦・夏目椿(阿南敦子)に本がマニアック過ぎて売れないと告げ、耕作は担当編集者・高林智里(南沢奈央)と著書「雉啼島の惨劇」のドラマ化のオファーを受けにテレビ局を訪れ、中沢から20年前に亡き民俗学者の父・耕之介が書いたノートを見せら岩下はドラマ舞台の鳥啼島出身と聞いた。
耕作は心理学者・尾車泰之(里見浩太朗)から鳥啼村は耕之介が最も恐れていた村と聞き、耕作と智里はドラマプロデューサー・柿沼正二(デビット伊東)と脚本家・窪田六郎(阪田マサノブ)と主演俳優・結城翼(上遠野太洸)とそのマネージャーで鳥啼村出身の鳥神翔子(雛形あきこ)と撮影下見で連絡船で鳥啼島を訪れ、翔子は鳥啼島の財宝伝説は嘘だと言った。
1行は島で鳥啼明神祭の準備を知り、翔子の実家に行き家政婦・羽鳥三都子(千葉雅子)と翔子のいとこ・鳥神京子(遠野なぎこ)と使用人・鳥居猿彦(永澤俊矢)の会い、叔母で当主・鳥神姫羽(小柳ルミ子)は企画に反対した。
耕作と智里は交番巡査・横田康介(鈴木正幸)に耕之介を問い、翔子から島は閉鎖的と聞き、中沢が柿沼を追い捜査で島に来て夜に露店風呂を探すが居なく、翌朝に海岸で柿沼の死体が見つかり崖から転落し島の数え歌の2番で、老婆が祟りだと騒いだ。
耕作と智里は中沢と京子に「夫・岩下が大金を持ち女と駆落ちし、岩下殺害容疑」と告げ、姫羽は翔子と結城に会い驚き寝込み、翔子に祭りで祈祷を命じた、耕作と智里は柿沼の目的が財宝伝説と知り、耕作は横田から「耕之介がいた23年前の8人殺された事件で犯人・太田柊一(吉田智則)が翔子の母・鳥神純子(篠原ゆき子)と恋仲になり、反対された柊一は島の男を襲い身を投げ、純子が島から消えた」と聞いた。
夜の祭りで翔子が衆人の前で舞い、京子はお神酒の毒を飲まされ死に数え歌の3番で、翔子は姫羽から跡継ぎを求められ結城にマネージャーを辞めると告げ、耕作ら1行は島を去り、耕作は柊一の母・太田しず江(池田道枝)から「純子が妊娠していた」と聞いた。
耕作は智里と尾車に「姫羽は純子の妊娠を知り、柊一殺害と子の始末を島民に命じ、耕之介は純子と逃げ、柊一は島民と争い自殺とされ、耕之介は純子の子を守る為に事件を隠した」と告げ、耕作は中沢から柿沼は温泉での溺死と聞き、脅迫文が投げ込まれた。
<以下、隠し字>
耕作は智里と鳥啼島に行き姫羽に「柊一は子を守ろうとし、翔子は岩下を殺害し事件を祟りに見せかけ、柿沼を殺害し鳥居が死体移動を手伝い、翔子はしきたりのお神酒で遠隔で姫羽殺害を狙い京子が姫羽から手紙を受け取り死に、翔子は実の弟・結城の出生の秘密を守ろうとした」と告げた。
純子の子は養護施設に預けられ養子になり、翔子は「母の手紙を読み東京に出て、弟を見つけ守ろうとした、正体に気づき脅した岩下を殺害し、島での殺害を行った」と告げ自殺した。


演出:麻生学
脚本:大石哲也
原作:吉村達也「惨劇の村」シリーズ
出演者:小泉孝太郎・南沢奈央・阿南敦子・佐戸井けん太・阿南健治・足立尭之・雛形あきこ・小柳ルミ子・遠野なぎこ・永澤俊矢・千葉雅子・篠原ゆき子・吉田智則・鈴木正幸・デビット伊東・上遠野太洸・阪田マサノブ・モロ師岡・池田道枝・里見浩太朗
製作年:2018年


感想: 古風なスタイルの伝奇的味のミステリ。

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