森村誠一・サスペンス:1

悪の器

西新宿の廃工場で女性の死体が発見され絞殺でスーツと片方だけ青いイヤリングをつけていたが、新宿西署の牛尾正直刑事(片岡鶴太郎)たちの捜査にもよらず遺体は、生前の顔モンタージュ作成しビラを貼ったが身元不明だった。
1年後、管内の公園でテレビゲーム企画会社社長・小村秀彦(本田大輔)の撲殺死体が発見され、唐津出身で1年前新しいマンションに引っ越し年明けに会社を作りヒット商品を出し、小村の逆玉の婚約を聞いた者がいたが兄は否定した。
発見現場は小村が昨年末までいたマンションに近く、牛尾は聞き込みに向かい隣りの部屋にいた宗方聖子(佐藤仁美)が泥棒に入られたと言い、帰ってきた部屋の持主・南里美雪(宮本真希)は手に怪我をし言葉に訛りがあるが小村とはつきあいはないと言った。
1年前の現場を訪れた牛尾はなじみの週刊誌記者・川村冴子(水野真紀)から身元不明女性を記事に取り上げると聞き、冴子は緒方浩平(船越英一郎)にHP作成を依頼した。
記事で身元や犯人の情報の期待を牛尾は妻・澄枝(岡江久美子)に話した。
冴子の記事が掲載され、情報提供依頼ホームページ作成した緒方から有力目撃情報が入り、牛尾はカフェバーのオーナー田上映子(北原佐和子)が被害女性が昨年11月殺される数日前に来店し、30歳代の男性と共で2人で九州弁で会話していい、牛尾は小村の写真を見せると映子は似ていると言い、店員は女は大きなバッグを離さず持っていたと言った。
坂本課長(秋野太作)は1年前の事件と小村の事件との関連の可能性を考え、牛尾は小村の故郷・唐津に赴くが、女性の身元の手がかりは無く、仰木誠(賀集利樹)から相談を受けに来た冴子と出会った。
山路刑事(徳井優)は、目撃証言だけで2つの事件を無理やり結び付ると非難し、妻・澄枝から始めに戻ってやれと牛尾は励まされた。
牛尾は冴子と緒方に金の流れが見えず裏金の可能性を言うと、緒方は身元不明女性の写真を人探しでHPに載せ、唐津・呼子信用金庫での1400万円横領の副島なるみが浮かび、母・副島節子(熊谷真実)から殺害数日前に東京に行ったと聞き、DNA鑑定で特定されたが服装やアクセサリは異なった。
牛尾は田上映子からかっての同僚の南里美雪も唐津出身で被害者と同じスーツを持っていたと聞き、宗方の家を訪問した冴子は刺殺死体を見つけ、宗方の母は永遠の宝くじを得たと言っていたと騙った。
冴子と牛尾は仰木から、宗方は同級生で探しているのは南里美雪で駅前で会った人がいると聞き会って内容を確認した。
緒方は婚約は企業の合併であり、南里がその前に小村に狙われていた可能性を示すが、冴子は仰木と牛尾の話す南里の人間像が違い過ぎると「金に潔癖な例」で言った。
<以下、隠し字>
状況証拠のみだが微かな可能性で牛尾は、南里美雪の家宅捜査を行い小村が送った副島なるみ殺しの共犯金を見つけた。
南里はなるみとの出会いは偶然で殺害は目撃したが実行は全て小村で、小村から襲われた時の事故を宗方聖子に見られ脅迫されたと自白した。
牛尾は2つの嘘があると言うが、・・・・・・・・・・・・。


監督:池広一夫
脚本:橋本綾
原作:森村誠一
出演者:片岡鶴太郎・水野真紀・岡江久美子・船越英一郎・宮本真希・賀集利樹・熊谷真実・佐藤仁美・北原佐和子・秋野太作・本田大輔・徳井優
制作年:2012年


感想: 「終着駅の牛尾刑事VS事件記者冴子・森村誠一の『悪の器』」
状況証拠の積み重ねで事件を解明する。
しかも偶然が幾つかあるので、推測が多くサスペンス色が強い。
東京に出て行く者と理解できない者、それは現代の縮図なのだろう。

魔性の群像 刑事・森崎慎平

元検察官の義父・朝比奈公介(加藤剛)の家で、6年前に妻・礼子を亡くし娘・直と暮らす警視庁捜査1課刑事・森崎慎平(小泉孝太郎)は後藤刑事(加藤頼)・川本刑事・女性刑事(大河内奈々子)らと海老沢課長(堀内正美)の下で働いていた。
森崎の中学恩師・本木雄一(小笠原良知)が石油ストーブの一酸化炭素中毒で死に、動物アレルギーだが動物の毛があり消費者金融に多額借金があった。
森崎は手帳に親友の前原久夫(田中壮太郎)を見つけ訪問し、宮市純子(長山藍子)の店で本木の死を知らすが最近会っていないと答え、本木は森崎の旧友ら当時の問題児達を訪ねて金の無心をし、黒田(田中美央)は誰か教え子の借金の連帯保証人になっていたと聞いていた。
本木は睡眠薬常用だが胃の睡眠薬は違うと判明し動物は猫で、手帳は問題児以外もいると森崎は思い黒田の発言に疑問だった。
黒田が一酸化炭素中毒で死亡し、定食屋のナプキンにメモがあり、その店で猫を連れた前原と会い、黒田の家宅捜査で25年前の前原の父の一酸化炭素中毒の記事を見つけ当時の担当刑事から事故で処理と聞き、森崎は直と前原家を訪ね前原と妻・奈美子(荒木真有美)に会い、黒田に関係ないという前原の証言に疑問を持った。
中学担任から本木から前原の父の虐待を聞き、前原が最初は会社の周囲にねたまれていたが仕事の成果以降はおしどり夫婦として雑誌にも載っていたとも聞いた。
森崎は朝比奈に親友を疑う悩みを言うと衝動的な犯罪がなく、何かが重なっていると教えられた。
<以下、隠し字>
森崎は宮市の店で前原から親の虐待を否定され、本当の事を聞きたく後をつけ続け、前原は父殺しが地獄から抜ける為に必要と言い、森崎は気がつかなかったと謝り、半年前に本木が訪ね金を要求されたが殺していないと言った。
黒田の家にスノードームが見つかり、森崎は前原家に無いのを思いだし被疑者を助けるのも仕事と言い本当の事を訪ねると脅迫されたと聞いた。
森崎と後藤は宮市の店を訪ね近所の野良猫に会い、宮市純子が前原久夫の母と聞き出し、本木と前原との話を聞き、宮市も本木に脅迫され本木を殺害したと自供した。
次ぎに黒田が現れ、宮市も脅迫され・・・・・。


監督:中野昌宏
脚本:石原武龍・宮崎健
原作:森村誠一「魔性の群像」
出演者:小泉孝太郎・加藤剛・長山藍子・田中壮太郎・加藤頼・荒木真有美・堀内正美・小笠原良知・田中美央・大河内奈々子
製作年:2013年


感想: 妻への暴力が、子供への暴力になる、何故かは判らないが他人の幸福が認められない。
母親と親友とは家族とは何かを考える。

悪の魂

新宿の公園で書店員・高見友子(清水美沙)の絞殺死体が発見、新宿西署刑事・牛尾正直(片岡鶴太郎)・大上刑事(東根作寿英)・山路刑事(徳井優)らは友子は独身で親兄弟なく、いとこの升田美奈子(野村真美)とその夫・修一(佐戸井けん太)立会いで彼女の部屋を捜索すると蔵書は少なく、作家を目指し本棚にスペースが牛尾には気になった。
友子は末期がんで余命数か月で、今年3月に1億円の保険金受取人を美奈子から「川名恵」に変更し、川名恵(国生さゆり)をパート先に訪ねると牛尾に高見友子とは昨年11月に自宅近くで道を聞かれた一度と証言し、保険の受取人指定の覚えはなく、坂本課長(秋野太作)らの捜査本部で友子を喫茶店のカメラで見つけ、紙袋の紛失と牛尾は2冊目の「悪の魂」が気になった。
牛尾は妻・牛尾澄枝(岡江久美子)に「悪の魂」は覆面作家「水木晶」の小説で被害者の本棚にもあり、2作目が作風が異なり、「悪の魂」を牛尾は読み主人公と友子に重なりを感じ、出版社(鶴田忍)はモデルが無く覆面だが弁護士・本宮勝寿(益岡徹)から作者との対談拒否で文句を言われていた。
アパート管理人は友子が当日休みで一番好きな本を読むと言い、本宮を尋ね推薦本を借り蔵書印を見つけ、牛尾はその本が空きスペースと一致し、大上は犯人は受取人変更を知らなかった美奈子で借金を抱え夫との仲を疑い、川名恵は「悪の魂」の作家として会見し編集者(大実智子)は「悪の魂」の続編を要望し、牛尾は友子と恵は逆に思え、アパート管理人から最終選考に残り数作製本した高村美沙名義の「白い部屋」を借りて読むと類似点を感じた。
<以下、隠し字>
美奈子が自宅マンションで転落死して連絡者は保険金の受取人変更異議で来ていた本宮で、遺書めいた紙が発見され友子を殺した美奈子が自殺と所轄警察は結論したが、牛尾は「悪の魂」が現実か調べ、舞台の宿で男女の住所がでたらめで予約だけの勝又武(浜田学)がいて、牛尾は1年前の死が「悪の魂」の殺人と類似で、牛尾は共犯の男が「白い部屋」の内容から本宮と考えたが、恵は創作で偶然と言った。
本宮は全て否定し証拠と根拠を求めたが、恵は証拠があると本宮との共謀を求め、喫茶店員は友子が読んでいた本が2段組で本宮蔵書の別の本考え、本宮と恵が姿を消してた。
恵は本宮知子名義の宅配状を証拠と言い、本宮は否定するが牛尾は「悪の魂」の内容から凶器と本宮の推薦本を見つけ同行を求めた。
本宮は「悪の魂」が事実と言い勝又に脅された友子が逆に殺し、その後友子の連絡が途絶え、「悪の魂」が出て離婚の約束を要求され、友子は疑わず殺され美奈子が目撃し脅迫され殺した。
牛尾は「悪の魂」で本宮を呼び出し殺して欲しく、恵に託し・・・・・。


監督:池広一夫
脚本:橋本綾
原作:森村誠一
出演者:片岡鶴太郎・岡江久美子・国生さゆり・清水美沙・益岡徹・野村真美・徳井優・東根作寿英・秋野太作・佐戸井けん太・鶴田忍・浜田学・大実智子
製作年:2013年


感想: 解決編が全体の多くを占める本来の推理小説スタイルだ。
トリック派で無くなっても変わらない部分はある。
テーマ性と創作の世界の拘り。

刑事の証明6

広瀬和宏(村上弘明)ら捜査一課三係は公園の射殺体が警察官・脇村益臣(関口晴雄)で、使用拳銃が10年前に新日暮里署警官が紛失し、三係の渡辺勉(前田吟)は当時警察官・田無時夫(宮川崇)が拳銃紛失した数日後、曽根崎元哉(遠藤要)が津雲洋右(不破万作)に発砲され、津雲の娘が曽根崎の乱暴で自殺し曽根崎を恨み津雲は自首したが拳銃は発見されず田無は自殺したが覚えがないと主張した。
捜査本部で刑事部長・甲斐谷光春(小野武彦)が事件指揮を宣言し大倉敏郎(小沢和義)を動かすが、広瀬が反対し管理官の那須恵一(加藤剛)が仲裁に入り三係・渡辺・野々村刑事(島英臣)・今井刑事(河内浩)・菊地刑事(志村史人)・佐野刑事(加藤頼)・門倉刑事(安藤聡海)は遊軍になった。
拳銃の確保を急ぎ、脇村の足取りを追う広瀬は野々村らと、通話相手の高級クラブママ・妹尾恭子(国生さゆり)に手がかりはなく帰る時恭子の鋭いまなざしに気付いた。
津雲は出所しており曽根崎は反省も警護も否定し、弾道から犯人は殺意を持ち、なぜ被害者が曽根崎でなく脇村だったか不明で、脇村の発見現場と恭子のマンションが近く、那須は妹尾が昔暴力団担当刑事だったと広瀬に話し、当時恭子が囮捜査を行うが捜査は失敗し、上司の甲斐谷は責任を恭子にかぶせ依願退職に追い込んでいた。
津雲はホームレスで体を壊し渡辺から曽根崎が生きていると知ると容態が急変し、救命処置中に津雲は「コジマ」と書き、恭子のマンションの防犯カメラに脇村が写り、恭子は愛人関係は隠すと質問を逃げ、広瀬は奥のリビングに争った形跡に気付いた。
記者・河本美奈代(筒井真理子)が広瀬に退職後の妹尾が暴力団を訪れママになり警察への復讐があったと話し、渡辺は津雲が誰かに託したと考え、広瀬は「コジマ」の漢字をしらず刑務所と考え、津雲を児島亘(夏原遼)が訪ね騙して拳銃を渡していた。
<以下、隠し字>
広瀬は児島と脇村の接点を探し天野竜郎(林泰文)巡査を訪ね、甲斐谷に恭子の部屋の家宅捜査令状を願い鑑識捜査したが何も出ず広瀬と那須は謝罪したが広瀬は罠と考えた。
渡辺は津雲から天野と田無の関係から、脇村が拳銃紛失と知り甲斐谷がもみ消しを行ったと語り、広瀬らは脇村と恭子の愛人関係を疑った。
児島の死体が見つかり自殺と考えられるが2発の発射音の証言があり、広瀬らは脇村を調べマンションの10Fの部屋に行くと空室で、広瀬は恭子に田無との関係と復讐を述べ地下の駐車場が現場と見つけたが恭子は広瀬に拳銃を向けた。
恭子の部屋を再度調べた渡辺らは脇村から得た押収拳銃を発見し、恭子は広瀬に拳銃紛失が脇村と気づき児島と殺し、最後に児島も殺したと言い、広瀬は撃たれながら・・。
那須は恭子を止め、河本が甲斐谷らの不祥事事件を暴く記事を書き田無の名誉回復をしたが情報源は言わなかった。


監督:吉川一義
脚本:入江信吾
原作:森村誠一「単位の情熱」
出演者:村上弘明・加藤剛・国生さゆり・前田吟・小野武彦・筒井真理子・不破万作・小沢和義・林泰文・遠藤要・夏原遼・関口晴雄・宮川崇・島英臣・河内浩・志村史人・加藤頼・安藤聡海
製作年:2013年


感想: 犯人捜しが多いサスペンスで、方法と動機に注目した。
警察内部の不祥事が明らかな状態で進むが真相は隠されている。
違法捜査が目立つがそこは作りものだろう。

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