立花陽介・新聞社地方通信局:2

概要

立花陽介:水谷豊
東洋新聞の地方通信局記者。地方の通信局を転々と勤務する。異常に転勤が多い。
立花久美:森口瑶子
絵本作家だったが、立花と結婚を機に退職し完全に記者の妻になった。
根岸隆一:片桐竜次
東洋新聞の記者。本社社会部勤務。 すぐに地方にも出かける。
第5話-第8話は、詳細不明で省略します。

9話:1997年6月3日:信州上田通信局

立花陽介(水谷豊)と久美(森口瑤子)が信州上田通信局へ赴任してから1年が経過していた、上田は真田家の城下町で電車で30分の所に別所温泉があった。
東京でパソコン等販売の司コーポレーション営業・山浦の毒殺死体が発見され、そばに6枚の古銭があった、上司(平泉成)は山浦の担当が長野で6文銭は上田・真田の家紋と言った。
東洋新聞本社の根岸(片桐竜次)は上田に来て陽介を呼び、山浦が上田で100台のパソコン販売予定と伝え、陽介は私立上田中央高校の導入計画を知っていた。
教務主任・土屋(岡本富士太)は山浦と3度会ったと言い、アリバイを聞くと教え子の佐伯(森川正太)と後楽園に野球を観に行き9時に帰ったと写真を見せた、その後に上田署の竹田刑事(金田明夫)たちは上田電機を訪れて担当の堀尾(鳥越まり)に会った。
東京の根岸から積極的販売は2社と連絡があり、全国紙に上田絡みと掲載され通信局にクレームが殺到した、別に陽介は次に伊豆大島通信局への転勤が決まった。
陽介と久美は海野宿の骨董屋で堀尾を見かけ、主人(犬塚弘)から2ヶ月前に山浦と堀尾が来たと聞いた。
堀尾は上田電機を退職しており、社長と理事長で決まっていたパソコン納入は事件で中止になったと聞いた。
竹田刑事は陽介に酔ったふりで、土屋は自分の恩師だが山浦が200万円振り込んで土屋が直ぐに引き落としていたと告げ、アリバイ写真も不要と陽介に渡した。
陽介は妻が病死したばかりの佐伯に会うと、土屋は恩師で高校の時に一緒に暮らしていたと言った。
久美が堀尾の家を見つけ陽介が訪れて、堀尾は山浦に最初は上田中央高校へのパソコン販売を譲る事を頼んだが、その後婚約したと言った。
土屋は200万円は返したと言うが証明は無く、堀尾から山浦の知りあいとして電機屋・立川を聞いて会った陽介は立川も土屋の教え子で、佐伯は土屋から妻の治療費200万円を借りたと聞いた。
<以下、隠し字>
立川から同窓会の写真を借りた陽介はトリックに気づき、佐伯と翌日会う約束をした。
陽介は、佐伯・土屋と会い、山浦の行動や6つの古銭の意味を知り・・・。

監督:吉川義一
脚本:岡本克巳
出演:水谷豊・森口瑤子・岡本富士太・森川正太・鳥越まり・金田明夫・犬塚弘
制作年:1997年

感想: 長く居た場所から、転勤する間際に起きた事件です。
1000万円台のパソコン販売が、誰にとってどのくらい大きいかの認識の差です。
モチーフに長島茂雄の引退と東京の爆破事件、監督時代の試合が登場します。
狭い地方都市での教師と多くの教え子が色々な立場で絡みます。

10話:1997年12月23日:伊豆大島通信局

昭和61年、三原山の火口が割れて溶岩が流れだし島民は集団で疎開した。
伊豆大島通信局に赴任している立花陽介(水谷豊)と久美(森口瑤子)は溶岩流跡にいた時に女性を見かけた。
人形浄瑠璃を見ていた陽介に女性は10年前噴火の日に東京での殺人事件犯人が刑期を終えたが、その犯人・宅間五郎(三浦浩一)は無実だと報道して欲しいと言った。
東京で調べた陽介は、宅間は一度自白し、裁判で否認したが目撃者がおり当日に伊豆大島にいたアリバイは疎開者名簿に名が無かったと知った。
女・栄子(佳那晃子)は戸田俊策(渋谷哲平)が服役中に真犯人から聞いたと言ったが具体的には話せずお金が欲しいと言い、宅間が伊豆大島に住んでいると言った。
ひもの作りをしている宅間を訪ねた陽介は、宅間は当時空き巣で伊豆大島にもその狙いで来て疎開中も残っていたが実証されず服役後アリバイ探しに来て、そのまま生活していると聞いた。
栄子と俊策をホテルに泊めた陽介は約束道り久美にも話さないが、久美は陽介を疑った。
根岸(片桐竜次)は時効前では真犯人の協力は難しいと言い、関東新聞記者も話しは有ったが取上なかったと言った。
久美は栄子と一緒の陽介が黙ってお金を下ろす所を見て写真を撮り、栄子・俊策が会わした真犯人の言葉は実感が無く具体性もなく服役が前橋とのみ言い、陽介は隠れて写真を撮り本社と相談するとした。
久美は女と陽介の写真を見せて家を出ようとするが、陽介はかろうじて止めた。
真犯人という男の写真は前橋で服役しておらず、戸山俊一という男の写真が戸田俊策だった。
<以下、隠し字>
宅間に女性の事を聞き、久美が取った写真を見せると裁判で自分を現場で見たと証言した女だと言い、陽介は戸田俊策の吸い殻を拾い鑑定依頼した。
陽介は、戸田兄妹を呼び出し宅間も連れて行った。
栄子の目撃は偽りで、宅間に会い名誉回復だけでもしようとした。
真犯人を隠すために細工をし、・・・・。

監督:吉川義一
脚本:岡本克巳
出演:水谷豊・森口瑤子・佳那晃子・渋谷哲平・三浦浩一
制作年:1997年

感想: 伊豆大島の集団疎開に絡む事件です。
時効制度の変わる前で、真犯人を隠して、服役を終えた男が犯人でないと示したいという矛盾を計る理由と、10年の期間は何か。

11話:1998年6月9日:山陰出雲通信局

立花陽介(水谷豊)と久美(森口瑤子)は出雲通信局に赴任していて町内の人と仲良くしていたが高原義雄(中原丈雄)が留守で気になっていた時、警察から日御碕で死体が見つかったと連絡が来て、陽介は駆けつけ畑中刑事(北村総一朗)から身元確認をされた。
橋本里子(あめくみちこ)が高原の家に出入りしていて、事件直後に訪れ家捜しをし借金の取り立てと言った、里子は小料理屋をして、高原が東京に店を出すために出資を集めており、昔東京にいたと言った。
高原の手帳には「あずきとぎ」という謎の言葉が2度あり、久美が図書館で小泉八雲の怪談の謡曲から松江の普門院の前の橋が小豆磨ぎ橋と知り、休暇で訪れた根岸(片桐竜次)と3人で訪れ、普門院の人から怪談は2つの話を1つにした物で昔からの小豆磨ぎ橋は北堀町にあると聞いた。
北堀町で3人は、普門院で見かけた老舗の女将(田島令子)と息子に出会った。
根岸は東京に戻り高原の東京時代を調べ、1週間後に陽介も呼び出された。
高原は村井裕子と心中未遂を行っており、幼馴染み(渡辺哲)から2人は子供の頃から知っており裕子は松江の老舗の女将と聞いた。
久美から里子が日御碕で死んだとの連絡で陽介は出雲に戻り、裕子にあって高原の心中未遂相手と確認した。
陽介は年賀状の高原の字と「あずきとぎ」の筆跡が異なる事に気づき、かつそれが里子の字と警察の捜査で判った。
<以下、隠し字>
陽介は里子が高原ともめていた事を知り、裕子から里子に高原の手帳でゆすられていたと聞くが・・・。
現場で見つかった手帳から、事実が判った。

監督:吉川義一
脚本:岡本克巳
出演:水谷豊・森口瑤子・田島令子・あめくみちこ・片桐竜次・鷲尾真知子・中原丈雄・渡辺哲・北村総一朗
制作年:1998年

感想: 小泉八雲の怪談とそれに関わる言葉や、真実が謎のメッセージの意味に辿りつきます。
田舎の警察の甘い捜査で抜けた事に陽介たちが気づいて行きます。
相変わらずに久美は、文学に強いです。

12話:1998年12月15日:飛騨高山通信局

立花陽介(水谷豊)と久美(森口瑤子)は高山通信局に転勤していて久美は木工彫りを習っていた、陽介は、警察署の西村刑事(佐藤B作)を訪問している時に変死体・織田ひろ子(須部浩美)35才が見つかり近くに円空さん木彫りがあった。
陽介と久美は千光寺の円空の彫刻を調べると先に西村が同好会のまね品だろうと調べていた。
根岸(片桐竜次)が来て織田はバーのマダムで高利貸しの被害者で白井光雄(岩崎ひろし)を調べ始めたが行方不明だと言い、西村に情報提供すると織田の本籍は飛騨古川と教えた。
飛騨古川で知人から織田はもう一人とピンクレディーのまねが得意で高校卒業後に名古屋でモデルを目指し次に東京に行き、卒業写真を陽介は借りた、久美は写真から木工彫り教室の参加者川合百合(藤吉久美子)と気づき旧姓細田で名古屋で結婚したと言った。
西村は白井を見つけ取り調べで、郷里に貸しがある人がいるという織田を追って来た言った、釈放したが死体で発見され自殺と見られた。
陽介は百合の最近広告モデルをした写真を見て、東京に織田の詳細調査を依頼し自分も向かい、織田の知りあいの西口に会い事件の4日前に白井が持ってきた広告を見て昔を思い出したようだと言い、さらに20年前に友人に騙されて名古屋でオーディションに落ち東京へ一人来たと言っていたと思い出した。
陽介は、百合の主人・川合定行(田中隆三)を尋ね20年前の事を聞くが内容は全く異なっていた。
<以下、隠し字>
高山に陽介が戻ると百合が白井とホテルで会っていた事が判り容疑者となり、久美が百合の子供の世話を見て、陽介が駆けつけると織田の現場にあった円光彫りが父親の物と言った。
川合定行と会った陽介は、織田の一方的な誤解から百合が織田と白井の罠にかかり恐喝されたと打ち明けられ、以降はひとりで交渉したと言った。
そして、・・・。

監督:吉川義一
脚本:岡本克巳
出演:水谷豊・森口瑤子・佐藤B作・藤吉久美子・片桐竜次・須部浩美・岩崎ひろし・田中隆三
制作年:1998年

感想: 高山と飛騨古川を舞台に、円空彫りを小道具に、20年前のピンクレディやタケノコ族ブームの時代を背景に展開します。
過去の誤解と、そこから生まれて悲劇が描かれる。

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