松本清張・サスペンス:2

三億円事件

1975年12月10日午前0時、3億円事件の刑事時効が成立し中西(矢島健一)係長が会見したが、奪われた3億円に保険金が掛けられ2/3をアメリカの保険会社が支払っていた。
1976年、ニューヨークからアメリカ有数の保険会社の査定部長・武田秀哉(田村正和)が来た、敗戦で日本を捨て母・ヨシコ(奈良岡朋子)を残しアメリカへと渡った武田は3億円事件の犯人に50万ドルの賠償をさせる目的と、25年ぶりに母親と再会したかった。
日本の現地調査員・中岡涼子(余貴美子)と高原薫(段田安則)と調査を始め、山口(横光克彦)課長らが記録された番号の紙幣は公表したために発見されない捜査ミスや、逃走車は側の駐車場でかなり後で見つかった。
付着泥からは何も判らなく、駐車場には小林ユカ(北乃きい)の家があり仲間に杉本三郎(忍成修吾)と浜野健次(手越祐也)が居たが浜野は自殺していた。
浜野家には姉・戸田悦子(板谷由夏)と夫・戸田雄一(田中哲司)と義父の元警察庁高官・戸田重光(津川雅彦)がいて、武田は悦子から浜野死亡時を聞き、足を怪我しジェラルミンと有ったイヤリングの情報を聞いたが捜査記録に無かった。
中田所長(小野武彦)の紹介で武田は、単独犯を主張する平沼要(橋爪功)元捜査本部長に会い杉本にアリバイがあり、平沼は担当時にイヤリングは紛失していたと言い、浜野の自殺も不審は無いと言った。
高原は佐竹宣也(光石研)元刑事からユカが家に放火したと考え、浜野のアリバイと自殺に注目し、青酸カリの入手方法が不明はおかしいと言い、武田は真実の隠蔽が有ったと考え、武田と高原へは中西と山口は質問に答えず捜査記録は見せなかった。
武田は杉本から立川基地に無断で出入り出来て3億円の隠し場所と言うが否定され、浜野の青酸カリは本人でないと言い、浜野の愛人・鮫島は武田に自殺でなく、事件の浜野のアリバイは嘘と言い、武田は新潟の小林ユカを訪れ、イヤリングはユカの物で浜野に贈り、殺されたと言い、杉本は3億円を浜野が立川基地に隠したまま自殺したと言った。
高原は新聞記事に苦情を言う戸田雄一に新聞を訴えるべきと言い、中田所長と中岡は武田に戸田警備保障の経営状態の変動を述べ、高原が警察の内部告発者に会いに言ったと聞くと武田は罠と言い、佐竹も偽と考えた。
<以下、隠し字>
中田所長は高原が警察に嵌められたと言い、警察の妨害が明らかになり、杉本から武田に電話があり、武田は杉本から悦子が青酸カリを持っていると聞き、民事訴訟からの除外取引をし、杉本は浜野の単独犯で小林ユカは何も知らないと言った。
武田と中岡は斉木メッキ工場で戸田重光に青酸カリを渡したと聞き、重光は事件前に悦子が捨てたと言うが、武田は裁判の過程で殺人を明らかにすると言い、武田は雄一・悦子に捜査終了を述べ、浜野のオートバイが7年後も残っていると言い、ユカに言った言葉を伝え自供を得た。
武田は警察の圧力で集まりが少ない記者会見を行うと警察が乗り込むが、伊藤記者(泉谷しげる)は警察が隠蔽したと言い、武田は浜野が殺された状況と警察が何故自殺にしたかを語り、訴訟相手を述べた。
武田の記者会見はどこも報道せず・・・・。


監督:藤田明二
脚本:竹山洋
原作:松本清張「小説3億円事件」
出演者:田村正和・奈良岡朋子・余貴美子・段田安則・小野武彦・板谷由夏・北乃きい・手越祐也・忍成修吾・田中哲司・横光克彦・光石研・矢島健一・泉谷しげる・橋爪功・津川雅彦・中谷美紀・
制作年:2014年


感想: 3億円事件の一解釈。
幾つかの疑問を事件解決に繋げた。

時間の習俗

2013年、年代物のカメラ・エキザクタがニューヨークのオークション、1億円で衆議院議員・峰岡周一(加藤雅也)が落札された。
峰岡は和布刈神事撮影を小倉の旅館の女将に話し写真を撮り、警視庁・三原紀一警部補(内野聖陽)は相模湖絞殺現場へ野末美樹警部補(木南晴夏)らと行き、被害者・土肥武夫(山地健仁)が峰岡の番記者だった。
土肥はホテルで女と密会し、女が容疑者で柴崎1課長(田村亮)は聞き込みを言うが、三原は峰岡の家を訪問しスケジュールを聞き、峰岡は1人で北九州市和布刈神社の祭礼に行きエキザクタで撮った写真と旅館の女将の写真を見せ、三原はネガを借りた。
三原は峰岡の関与を疑うが、野末は1000キロ離れた北九州市は鉄道と空港のダイヤは計算上は犯行は可能だが神事撮影を考えればシロで、三原は記者・植村(小須田康人)から聞いた同窓の教授・佐々木は不在で、鑑識・鈴木慎一(伊藤正之)は映像からの転写は不可能と言い、三原はフィルムの巻き戻しと空撮りを考えるが野末はフィルムに証拠が残ると言い、枚数が少ないとも言った。
福岡の刑事・鳥飼重太郎(津川雅彦)から三原に水城の死体が相模湖と似ていると電話があり、三原は福岡へ行き若い男で絞殺痕が似ていて遺留品が同じセット品だった。
三原は同窓会で同窓生・田浦(橋本じゅん)と話し野末からアクセサリーの購入者が男と判り防犯カメラ映像のみ有り、田浦は学生時から三原が好きだったと打ち明けた。
三原は土肥の密会女とアクセサリーの購入者を、ママ・リツ子(やべけんじ)から静香で本名は須貝新太郎(千葉雄大)で福岡出身でパトロンがいて、鳥飼は捜査会議で福岡の死体が須貝新太郎と言い、三原は土肥に共犯がいて峰岡を疑うがアリバイが有り、2人は峰岡に会い水城の目撃を言い郷里に戻っていた。
<以下、隠し字>
神事写真はプロ並みで枚数が少なく、須貝の両親・須貝耕三(井上肇)と寿美子(梅沢昌代)は殺人は信じられ無く、部屋で郷土史研究会報を見つけ主催が峰岡で梶原亮太(片岡信和)の撮った写真を見つけ、梶原美和子(酒井若菜)から東京だと言われた。
三原は野末に依頼し場所を見つけ、カメラマンは旅行中と言い、十和田湖で死体で見つかり、野末が和布刈神事の記事と愛好家の写真を集め3人で梶原亮太を探し見つからないが、梶原亮太が写る写真に・・・。
峰岡が写真展を開き、三原は神事の時に相模湖にいたと梶原亮太の携帯電話の峰岡との映像を見せ、門司で撮った梶原亮太の写真にエキザクタが写っていた。


監督:光野道夫
脚本:浅野妙子
原作:松本清張「時間の習俗」
出演者:内野聖陽・津川雅彦・加藤雅也・木南晴夏・田村亮・山地健仁・小須田康人・伊藤正之・橋本じゅん・やべけんじ・千葉雄大・井上肇・梅沢昌代・片岡信和・酒井若菜
制作年:2014年


感想: 現代にフィルムカメラを持ち込む。
見込み捜査は非現実だ。
共犯事件は何とも・・・。

死の発送

1月前「週刊ドドンゴ」の記者・底井武八(向井理)と津村亜紀(比嘉愛未)が編集長・山崎(寺尾聰)から出所した元官僚・岡瀬(矢柴俊博)の監視を命じられ、岡瀬は7年前に10億円横領罪で逮捕され、山崎は岡瀬が不明金3億円を回収すると予想していた。
底井と津村は岡瀬を張り尾行し、水戸競走馬トレーニングセンターを訪れ、次に神楽坂料亭街へ向かうが姿を見失い、その後岡瀬が千葉県勝浦の墓地で絞殺死体で発見された。
山崎は墓地に岡瀬の墓があり3億円を回収し犯人と接触したと考え、底井と山崎は岡瀬が寄った西田厩舎で厩務員・末吉(山中崇)から厩舎主・西田(寺島進)と馬主の代議士・立山(大杉漣)を聞き、山崎が岡瀬は3億円意外の物と言いその後は話さなかった。
4/15に山崎が出勤せず妻・文子(朝加真由美)は出張と連絡があり、2日後捜索願いを出し底井は立山絡みで退職と聞き、山崎が岩手県水沢でトランク詰め死体で発見され、底井は岩手県警・臼田(ベンガル)から宅配便送状で殺害時刻が推定され、発送者は山崎と似ていた。
底井は文子から部下を亡くした事を聞き遺品の万年筆を貰い調査を進め、デスク・野島(玉置孝匡)らを懸賞情報募集で巻こみ津村に事情を話し、競馬担当は西田に神楽坂芸者・玉弥(伊藤裕子)がいると言い、底井と津村は会い岡瀬と西田の関係を聞き、4/15に馬の移動と翌日の西田の東京から函館への移動と立山は夜行で札幌に行ったと聞いた。
底井と津村は盛岡競馬場へ行き、馬は惨敗し立山は西田と末吉を怒り、西田と末吉に会うが答えず、馬が輸送途中に発病したと聞いた。
<以下、隠し字>
底井と津村は水沢で獣医から末吉へ2度の往診したが病気でなく、馬運車運転手・横川(松尾諭)は馬の体調不良で輸送延期と言い、底井は岡瀬が立山に3億円を渡し借用書を受け取ったと考えたが、山崎殺しには3人共アリバイがあり、上野の店から情報提供があり、殺害は食事後4時間でトランクへの死体移動が問題となった。
底井と津村は西田と会い、岡瀬殺害と調べた山崎の殺害と、2つのトランクでのアリバイ作りを話し、郡山での殺害と水沢でのトランク入替ラベル張替を述べ、山崎が残したICカードを馬の餌に隠したと聞かせた、そして・・・・・。


監督:国本雅広
脚本:扇澤延男
原作:松本清張「死の発送」
出演者:向井理・比嘉愛未・寺尾聰・大杉漣・寺島進・山中崇・松尾諭・伊藤裕子・玉置孝匡・中村靖日・矢柴俊博・ベンガル・
制作年:2014年


感想: 動機が強いか弱いか疑問。
トリックの正否と、証拠能力も?。
ただ雑誌スクープなら充分か。

草 松本清張の黒い画集

スコッチ出版社編集長・沼田(村上弘明)が朝島総合病院に運ばれ、薬と酒の大量摂取が原因で娘・亜衣(剛力彩芽)が駆けつけ、院長・朝島憲一郎(羽場裕一)と看護師長・雨宮順子(遠山景織子)の治療で意識を回復し、雑木林で薬剤管理室長・堀村(大門裕明)の遺体が発見され、城西警察署刑事・桐嶋(陣内孝則)は他殺と考えた。
理事長で憲一郎の妻・朝島陽子(横山めぐみ)と事務長・笠井(笹野高史)が朝島と雨宮を呼び出し堀村の無断欠勤の理由と2人の関係と堀村と雨宮との関係も責め、堀村の妻・みどり(藤本恵理子)は堀村が病院にいるのは苦しいと話していたと言い、桐嶋は部下・磯辺(芦田昌太郎)に遺体を解剖にまわさせ、課長・村木(宍戸開)は文句を言った。
ヘルパー・河原民子(かたせ梨乃)に患者・金子(岡田義徳)が絡み、副看護師長・滝沢らが朝島と雨宮を見かけ駆け落ちの噂が広まり、沼田と亜衣と河原や患者・井原綾子(井上晴美)や勝俣(六平直政)も噂した。
病院に桐嶋が現れ堀村の死が広がり、病院内を沼田が調べ、患者らは堀村を朝島と雨宮が殺し逃亡を図った憶測も飛び、陽子は杉崎医師(金子昇)と病院経営の話しをし、杉崎と田畑看護師(原田夏希)が沼田に病状悪化を伝え、田畑は病院内の1年半前の医療ミスの張り紙を見つけ笠井は過去と言い、金子と沼田が酒を飲み医療ミスを話し、桐嶋も聞いたが捜査から外された。
部員・黒井と亜衣が沼田を見舞い病院内に事情を聞き廻り、桐嶋が沼田に会い疑問を話し、順子の絞殺遺体が見つかり病院で噂の真偽と元を尋ね患者らしく、桐嶋は村木に沼田の正体を聞き麻薬Gメン・沼田に潜入目的を尋ねると麻薬横流しの噂で病院側の関係者を探し、麻薬組織も潜入と考えていた。
主任・沼田と亜衣が打合せ、田畑(浅利陽介)や全ての患者を調べ、金子と勝俣が費用減額署名を沼田に求め笠井に要求し、笠井は麻薬をうち屋上から転落死し、桐嶋は入院患者の転院表を見つけ笠井の覚醒剤常用を言い薬剤室を調べた。
<以下、隠し字>
桐嶋は沼田に薬剤室に無いいうと移動を言い、河原を亜衣が尾行し自宅で娘の麻薬患者・好子を見つけ沼田は止め監視役と言い、沼田は金子に毒薬を飲まされ意識を失い、患者が病院を移動し、桐嶋が金子にサルビアの花片を亜衣が屋上の花を見せ病室の盗聴機を言うと沼田が来て金子に病院に覚醒剤横流しを持ち掛け反対した雨宮と堀村を殺したと言い運び出す麻薬を見せ、桐嶋が暴力団組織の仕業と言い警察が一味を逮捕した。


監督:倉貫健二郎
脚本:深沢正樹
原作:松本清張
出演者:村上弘明・剛力彩芽・陣内孝則・笹野高史・かたせ梨乃・岡田義徳・羽場裕一・遠山景織子・大門裕明・横山めぐみ・藤本恵理子・芦田昌太郎・宍戸開・井上晴美・六平直政・浅利陽介・金子昇・原田夏希
製作年:2015年


感想: 探偵も不明で探す。
実は事件も不明でそれも探す。
勿論犯人も探すが、組織の事もある。

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