西村京太郎・サスペンス:1

十津川警部

捜査1課・十津川警部を主人公にするシリーズです。
人気の亀井刑事と始め多数の部下がグループで捜査します。
多くの役者が演じていますし、鉄道が時代で変わるので原作と離れます。
妻が登場する作品もあります。
全国を飛び回る設定は現実的でないが、作り物として楽しむものでしょう。
アリバイ崩しが多いです。

江ノ電に消えた女-十津川警部への挑戦状・十津川警部シリーズ48

十津川警部(渡瀬恒彦)・亀井刑事(伊東四朗)ら捜査一課は強盗犯・鬼頭辰巳(河西祐樹)を逮捕して、十津川たちの活躍をマスコミが報じた。
十津川に怪電話でゲームをしたいと予告殺人を告げ、犯行予告日と江ノ電沿線で「あ」の字の女性を花の関係する所で殺すという郵便物が届いた。
いたずらかも知れないが、十津川たちは鎌倉へ向かい神奈川県警・伊吹悟警部(片桐竜次)の紹介で鎌倉の人気DJ・岡部ちづる(安達祐実)に意見を求めたが、ちづるは鎌倉彫の職人で弟の服部彰一(渡辺大)の下絵を彫ったちづるの作品は評判が良かった。
ちづるは江ノ電沿線や鎌倉の事情に詳しく、鎌倉の各所に警察官を配備したが殆ど知られていない寺で美術館学芸員・麻生真理恵(赤澤輝美)の刺殺死体が発見された。
十津川が関わった事件から、逮捕した鬼頭の舎弟・鮫島が容疑者として浮かんだ。
再び犯行予告電話が入り「和田義徳」名義で報道各社にも郵送され、「か」の字の男で鎌倉時代の武将の名にちなんだ場所を警護するが抗争相手のゆかりの場所で、作家・神部実篤(森下哲夫)が殺された。
記者会見で十津川は逆に犯人を挑発し、電話で「さ」のつく地名で殺人予告が入り、郵便物の犯行予告が届くが前の犯行予告郵便物から投函ポストを調べ投函者を監視カメラで調べていた。
そこから絆創膏の男を見つけ身元調査し、亀井にちずるの周囲の調査を依頼し弟・服部の勤務先が近くにあり写真を撮るが別人だった。
期日に鎌倉で捜査中の十津川を鮫島が襲うが逮捕し、歴史書を見ていた十津川は江ノ電から離れた佐助稲荷へ行かせ、瀕死の被害者を見つけた、江ノ電が昔通る筈の近くだった。投函者の身元が分かった。
十津川は悩める中年の名でちづるの番組に弟の使い込みの相談の葉書を送り、ちづると会い3被害者の接点が不明だが弟が関係しているなら自首させて欲しいと言った。
絆創膏の男を調べるが否定し、逆に告訴したが後に企業をクレームで脅迫する犯人と分かった。
<以下、隠し字>
服部の勤務先で投函者調べ見つけ、十津川は麻生の家で鎌倉行きは5年前でちづるの鎌倉彫を見つけ、ちづるから展示即売会でたまたま会った4人と服部とその妊娠中の妻とが、由比ヶ浜で不良に暴行されて妻が殺された時に4人が何もせず逃げた事を聞いた。
ちずるは服部に犯行を聞くが否定されると、記帳に住所が無かった4人目の谷川が訪問して住所が判ったと言い、そして・・・・・」


監督:新村良二
脚本:土屋保文
原作:西村京太郎「湘南アイデンティティ」より
出演者:渡瀬恒彦・伊東四朗・安達祐実・渡辺大・鶴田忍・山村紅葉・中西良太・古川りか・清野秀美・山田アキラ・片桐竜次・内山翔人・森下哲夫・赤澤輝美・河西祐樹
制作年:2012年


感想: ミッシングテーマ+見立て+予告殺人だが、目的は1つで他の1つは心理の葛藤と捜査陣に言わせている。
別の事件を複数、混ぜて混乱させるが、むしろ捜査方法が見所だろう。
動機は事件の性質上で後半まで隠されている。

終着駅(ターミナル)殺人事件・西村京太郎トラベルミステリー

2012/11/22、亀井刑事(高田純次)は有給休暇を取り幼馴染みの森下勇介(岩城滉一)の東京での人探しを手伝う約束だった。
旅行代理店社員・宮本孝(石垣佑磨)とフリーター・町田隆夫(黄川田将也)と運送会社勤務・川島史郎(土屋裕一)と百貨店勤務派遣社員・橋口まゆみ(小野真弓)と看護師・村上陽子(三津谷葉子)・経済通商省官僚・安田章(篠田光亮)の6名は青森の高校の野球部同級生で仲間の片岡清之(一條俊)の結婚式出席の為に日本海周りの寝台特急「あけぼの」に乗る予定だが安田が現れれず、5名で出発した。
上野駅近くで安田章の刺殺体が発見され、被害者のスーツケースと21時15分寝台特急「あけぼの」のチケットが見つかり、警視庁捜査一課・十津川警部(高橋英樹)は親戚の法事に妻・直子(浅野ゆう子)が同じ寝台特急「あけぼの」で出発していた。
5名で出発したが川島が高崎付近で姿を消し翌日午前2時過ぎに残りのメンバーがあい、次の停車駅・村上で川島不在を確認し青森の式に出た。
片岡の結婚式後に青森に来た十津川から、安田に死を聞き驚き、2年前まで安田と交際していたと陽子は言い、直後に川島が高崎で溺死発見され高崎駅で下車が判り、直子があけぼの車内で川島が女性をナンパするのを目撃した。
亀井は森下と教え子・鈴木紀子(原史奈)を探し、バーテンダーの西山英司(安藤彰則)までたどり着き後は森下に任せた。
十津川と遅れて着いた亀井は、橋口まゆみが遺書を残し部屋の中からドアを閉めて死体で見つかり、連続殺人の有無で意見が別れ、内部犯ならば高崎で川島を殺して次の停車駅・村上で乗車出来るかテストすると間に合ったが、村上駅の前で全員が揃ったと知った。
亀井は森下の連絡で鈴木紀子を訪問し、森下が会い帰る事になった。
村上陽子が殺害されたが同窓生にアリバイがあり、外部犯では動機が不明で、東京に住む元野球部顧問・安西に会い名簿を見せて貰い町田の両親は花火が原因の火事で死んだと聞き、橋口が犯人による狂言自殺の殺人の可能性を考えた。
<以下、隠し字>
十津川は直子から「あけぼの」は運転停車があると知り、長岡駅の可能性をテストして可能と判り、亀井は青森郷土店での写真から町田以外は1年前に青森に帰っており、町田は鈴木紀子と付き合っていると判ったが、鈴木紀子のアリバイを森下がした。
町田の両親は花火が原因の火事を調べると鈴木紀子の父も死んでおり、西山英司は鈴木紀子と森下に男女の関係があると言い、町田が宮本を呼び出し刺して、十津川らは片岡の住む弘前に向かい町田と鈴木紀子を逮捕した。
亀井はガンで死亡間際で一度アリバイで裏切った森下にぎりぎり駆けつけた。


監督:村川透
脚本:坂田義和
原作:西村京太郎
出演者:高橋英樹・高田純次・浅野ゆう子・原史奈・岩城滉一・森本レオ・宇梶剛士・山村紅葉・石垣佑磨・黄川田将也・三津谷葉子・小野真弓・篠田光亮・一條俊・土屋裕一・安藤彰則
制作年:2013年


感想: 西村京太郎の代表作の映像化だが、年月の経過で交通網も列車ダイヤも変わった。
結果として、2012年の出来事にせざるを得なかったのか、原作の精密な構成は無理になりオリジナル脚本の異なる内容になった。

十津川警部の「初恋」・十津川捜査班7

警視庁捜査一課の十津川省三刑事(高嶋政伸)が班長昇進後直ぐに、不動産業・黒木高雄(萩野崇)が殺人未遂にあい十津川班長と亀井定男(古谷一行)・配属されたばかりの西本明(小泉孝太郎)が犯人逮捕し亀井が取調べチャイニーズマフィアの構成員だった。
警視庁捜査一課管理官・平塚八重子(山村紅葉)が迎え、弁護士という崎田守(橋本禎之)が十津川を訪ね原口夕子(手塚理美)が亡くなったと言った。
翌日会う約束をした崎田の遺体が見つかり水牛ボタンを握っていたが偽弁護士で、十津川と西本は夕子の旅館がある湯河原へ向い原口旅館で夕子が現われ部屋に、夕子の娘・由紀(緑友利恵)の遺影があり崎田と付き合っており、夕子は娘は殺されたと言い、同僚の刈谷早苗(西尾まり)と遠山淳子(大路恵美)が参りにきたが、由紀は勤務先銀行の横領犯人と警察に疑われ自殺し崎田と夕子は再捜査依頼し自らも調べていた。
黒木が殺され、崎田が握っていた水牛ボタンが黒木の衣類のボタンと同じで発見者・佐久間リサは黒木が中国人を騙していた言い、黒木の衣類に崎田の血液が付いており2つの事件は繋がった。
湯河原で十津川と西本は夕子から黒木の事を聞き、銀行で遠山から崎田が来た事、警察で横領事件を聞き旅館の資金繰りが悪く、横領現金引出者は佐久間の可能性があり、遺書から由紀がレイプを脅迫されていたらしかった。
十津川は夕子から由紀の死以前から旅館をたたむ事は決まっていた事や崎田に十津川の事を話した事や由紀の横領と自殺も否定する事を聞き、西本は旅館の従業員・治美から夕子が小原良治(川野太郎)に会っていた可能性を聞いた。
亀井から監視カメラ写真を見た十津川と西本は夕子に似ていると思い、小原を訪ね夕子のアリバイを聞き由紀の無罪を信じていると聞いたが小原のアリバイも無かった。
<以下、隠し字>
佐久間リサが殺され、十津川は横領事件自体を調べ直し、事件で支店長から降格した遠山は答えないが西本は刈谷を呼び出し、由紀から原口旅館閉館の相談されたと聞いた。
由紀の事件を調べた十津川はスケジュール帳から当日の昼に美容室に予約していたと知り、自殺品の購入店そばのマーケットで防犯カメラ映像を見つけた。
十津川は小原に夕子の病気の事を、亀井から黒木と刈谷の関係を聞き、横領とその一部の由紀の口座への振込と自殺偽装方法を暴き、・・・。


監督:福本義人
脚本:田子明弘
原作:西村京太郎
出演者:高嶋政伸・古谷一行・小泉孝太郎・手塚理美・西尾まり・大路恵美・緑友利恵・山村紅葉・川野太郎・橋本禎之・萩野崇
製作年:2013年


感想: 共犯事件は極端に言えば自由に組み合わせが出来る。
可能性のある人物を複数、不自然に登場させると言う荒技だが判断材料がなかなか出ないので、流れを楽しむ展開だ。

秩父SL・3月23日の証言~大逆転法廷

警視庁捜査1課・十津川警部(高橋英樹)に元同僚の娘で東京地検検察官・村井貴子(小沢真珠)が訪ねてきて、十津川らが送検した殺人事件の担当検事だが、旅行作家・小島俊介(村杉蝉之介)が事件当日に秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」で容疑者・戸川雅夫(窪塚俊介)を見たとブログに書いていたと言ったが、十津川・西本刑事(森本レオ)・松山刑事(宇梶剛士)・北条刑事(山村紅葉)・久保田刑事(伴杏里)らには終わった事件のはずだった。
3月23日、秋山博之(篠塚勝)の刺殺事件で現場から戸川の指紋が見つかり、ギャランティーで秋山ともめ、昔に秋山の取立てで父親が自殺しており、金庫から義弟・島崎良治(佐伯新)の借用書と若い女性数人の裸体写真のSDカードが出たが、戸川が自供し犯人しか知らない事実もあり逮捕し起訴になった。
十津川と亀井刑事(高田純次)は、小島から3月23日の午前10時に熊谷駅のホームで女性と写真を撮る戸川を見かけ、車内で見ないが午後2時終点の三峰口駅でも戸川を目撃し女性は顔は見えず、三峰口駅員は戸川は3月23日に遺失物届出書提出しており、貴子の上司の須崎秀夫検事(吉満涼太)は弁護士・梅木浩三(蟹江敬三)が裁判で容疑否認で無罪主張を危惧した。
公判前9日の朝、秋山の妻・裕子(辻沢響江)が刺殺され、弁護士・梅木は手口の酷似から同一犯なら戸川は秋山博之も殺しの犯人でなく戸川自身からの依頼で無罪主張に代え、十津川は協力者と裕子殺害者を探し、戸川の行きつけのバーで篠田理恵(秋本祐希)に会い3月23日の同乗を訪ねると否定しアリバイも不明だったが、久保田刑事が潜入し刑事の質問に答えるなと言われた。
十津川と亀井は三峰口駅員から理恵を確認し、聴取で戸川が熊谷で降り三峰口で会ったと述べたが不同意で承認尋問になった。
<以下、隠し字>
十津川は雑誌のモデル・武井美由紀(かでなれおん)が秋山のSDカードの写真と気づき本人も認めたが共犯は否定し、篠田理恵が殺害され発見者は弁護士・梅木で、3月23日のデジカメと映像が見つかり、梅木は戸川が真実を話し理恵の偽証を疑ったと言った。
篠田理恵の死は自殺と他殺は不明でナイフに秋山夫妻の血痕があった。
公判は3日間で始まり、被告人質問で戸川は理恵と逆の立場の証言をした。
久保田が理恵が3月23日に自動車を借りていたと聞き、十津川と亀井は戸川と美由紀を疑い、学生時代を調べたが関連は無く、秋山は美由紀の父とは関係していた。
亀井はビデオに疑問を持ち日付の操作を見つけ、十津川は秋山事件で自動車の運転者を探し、裁判最終日に十津川が証言に立ち、翌日に戸川が熊谷の監視カメラに写り、3月23日の被害者宅付近の防犯カメラ映像に映る戸川と梅木を提示した。
梅木も昔、秋山が整理屋時代に資金不足で犯罪に荷担し最近脅され、理恵が秋山夫妻を恨み殺害を要求し、戸川の決意を聞き精密な計画を立て・・・。


監督:村川透
脚本:坂田義和
原作:西村京太郎
出演者:高橋英樹・高田純次・蟹江敬三・窪塚俊介・小沢真珠・森本レオ・宇梶剛士・山村紅葉・伴杏里・かでなれおん・村杉蝉之介・篠塚勝・佐伯新・吉満涼太・辻沢響江
製作年:2013年


感想: トラベルミステリーに法廷ものを加えた形です。
なぜか、それがこの作品の最大の謎でしょう。
潜入捜査まで登場します。

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