夏樹静子・サスペンス:2

探偵

多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉
弁護士・里村タマミ
検事・霞夕子

多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉11 雨に迷う死者

雨の夜神社境内で滝本あやめ(石原あつ美)が遺体で発見され、多摩南署刑事・近松丙吉(伊東四朗)は近松春子(市毛良枝)と住むが現場に急行し西尾昭夫刑事(マギー)と遺体の下の土から雨が降り出してから殺害と犯行時刻を絞り込んだ。
警視庁と多摩南署の合同捜査会議で村越実係長(角野卓造)が正面から両手での窒息死と報告、現場から27cmの長靴跡が発見犯人のものと分析され、あやめが銀行で30万円下ろしておりバッグが見つからなく警視庁捜査一課管理官・山形治(三浦浩一)は強盗殺人で捜査を指示したが、近松は着衣に乱れがなくブラウスのボタンの一番上がちぎられ疑問を抱いた。
あやめの母・滝本芳子(小宮久美子)や同僚から近松はお金は男性とのハワイへの旅費と推定し、あやめが白いスポーツカーに乗るのを見た証言が取れ、持主はあやめが勤務の建材メーカー専務・浅田勝行(乃木涼介)であやめと遊びの交際を認めた。
当日はあやめと彼女のマンションに向かい、母親の前での結婚の約束をせがまれ神社で口論になり母親には会わずに帰ったといった。
犯行現場近くの住民の聞き込みで近松は中石俊哉(益岡徹)家で妻・雅代(国生さゆり)や息子・暁(柄本時生)に話を聞くが雨が降り出してから外出をしていなかった。
近松は不審な傘立てを見つけ、家梨(石井愃一)が公園でレジ袋を拾いレシート買い物が中石で、現場の足跡と中石が捨てた長靴が一致したが、法律に詳しく中石とあやめに接点がなく中石の家が金に困っていなくかった。
近松は中石の法律事務所員から様子が変と聞くが暁が傘を使ったと言い、妻に電話が掛かってきたが判らない事が多く、警察は任意聴取の中石を解放した。
<以下、隠し字>
近松らは近所の角本寿子(小柳友貴美)から近所のラブホテルから雅代が若い男と見かけた聞き、その男・小山田久志(篠田光高)の死体が見つかり部屋へ行くと荒らされており、残った眼鏡のつるを近松は見つけ、浅田を問うと大手書店の紙袋を見ていてそこの防犯カメラから暁を見つけたが境内にはあやめは見ていなかった。
近松は現場のあやめの足跡が無理と知り、犯人が死体移動でつけたと考え雨の前の殺害可能性もあると知った。
西尾刑事が雅代を尾行してあやめのバッグを捨てるのを見つけ、主人に頼まれたと言ったが、近松は雨の後の犯行に見せた理由が不明で、家に帰り春子から美容室に行っても気がつかないと言われ事前の写真を見せ眼鏡を渡され、中石の行動の不審が眼鏡と知った。
遺書を残し消えた中石を自宅の写真の場所で見つけ、中石は自白したが近松は違うと言い、あやめ殺害は暁で、中石は雨を利用し死亡時間を偽装したが小山田が見て脅迫し、暁に容疑が掛かると夫婦で偽装を謀るが・・・・。


監督:白川士
脚本:林誠人
原作:夏樹静子 『被害者へのバラ』(「星の証言」所収)
出演者:伊東四朗・角野卓造・益岡徹・国生さゆり・市毛良枝・三浦浩一・柄本時生・篠田光高・乃木涼介・小柳友貴美・小宮久美子・石原あつ美
製作年:2013年


感想: 捜査過程はサスペンス的だ。
疑問点が判るのが遅い不満もあるが、ドラマ的には仕方ない。
予感はするが、後味の悪いのも、犯人像にあうか?。

霧氷 イソベン・里村タマミの事件簿

弁護士・里村タマミ(沢口靖子)は赤ん坊殺害の母・八尋由花(浜丘麻矢)の弁護を被害者の父で加害者の夫・八尋典孝(飯田基祐)と妹・峯田加寿子(山下容莉枝)から依頼され、育児ノイローゼの由花が息子を殺し、典孝は父・八尋侑造(若林豪)の大企業を継ぎ忙しく、加寿子とその夫・峯田繁之(井上康)に子供はなく赤ん坊を可愛がり、由花は犯行後霧ヶ峰山中を彷徨、地元陶芸家・乾陶子(櫻井淳子)に保護され心療内科に入院していた。
タマミと助手・正木憲一(佐々木岳史)は主治医・阿久津寛治(太川陽介)と由花を訪ね他人依存性神経症の疑いがあるが判断が難しいと聞き、タマミと正木は陶子を訪ね由花が自殺をしようと見えたと聞き、行方不明中のカメラマンで恋人の秋島由夫(久ヶ沢徹)を探していたが会えなかったと聞き、加寿子を実家に訪問し八尋侑造から由花は年齢差があり典孝は仕事が出来るが家庭を見ず愛人がいると聞き、典孝に不倫証言を求めた。
秋島の遺体が霧ヶ峰山中で発見され、陶子は秋島の子を宿し相談予定だったが警察は疑い、タマミに助けを求め産婦人科医師は心疾患で難しいと言い、陶子から秋島と最後に会った店を聞き、店で秋島が愚痴り誰かを脅迫していた様と聞いた。
タマミは先輩弁護士・塔之木善隆(古谷一行)から精神状態が問題でも実刑の傾向と聞き、裁判で検察は殺人罪求刑でタマミは心身病弱状態と述べ、病院で由花は子供を育てる自信がないと言い携帯電話音に反応し、タマミは出産病院で当初は問題無くその後の環境と聞いた。
次回法廷で典孝が証言し、加寿子は典孝の不倫から育児に消極的と言い、正木は態度が変わったが以前が不自然、塔之木は何か見落としと語り、阿久津が心身病弱を証言し検察と動機でタマミは対立し、タマミは加寿子から関わりたくないと言われ、由花は執行猶予付きの実刑となったが検察は控訴した。
<以下、隠し字>
タマミは陶子を訪ね偶然に秋島撮影の霧氷写真パネル裏の写真に由花と峯田繁之が写り、峯田を秋島が脅し由花が苦しみ、霧ヶ峰で峯田と秋島が会い話がつかず、1日延期を由花は知らず連絡は電話予定だが由花が勘違いをしていると知った。
タマミは由花に峯田が秋島を殺していなく、由花は赤ん坊の親を周囲が気づくと思い峯田が頼りで逮捕されると思い、違う電話を峯田の秋島殺害連絡と勘違いした。
由花が海岸で襲われ阿久津から由花が週末に家に戻るが1週変更と聞き、由花を装うタマミを加寿子と八尋侑造が襲い、加寿子は赤ん坊が峯田の子と判っていて、侑造は峯田と秋島の争いを見て秋島を殺し、由花を海岸で襲い、警察に出頭した。
タマミは陶子から警察から全てを聞いた上で、子供を産むと聞いた。


監督:竹安正嗣
脚本:松本美弥子
原作:夏樹静子「霧氷」
出演者:沢口靖子・櫻井淳子・浜丘麻矢・飯田基祐・若林豪・山下容莉枝・井上康・太川陽介・佐々木岳史・西慶子・古谷一行・久ヶ沢徹・
制作年:2013年


感想: 霧氷は有明海の霧が雲仙の木に付着する現象だが内容とは直接関係しない。
携帯電話のない時期の原作を現代に置き換えているのでいくつかの無理はある。
偶然もあるが幾人かの女性の母性を描いた。

検事霞夕子 幻の罪

権藤美也子(有森也実)は会社社長・権藤洋平(斉木しげる)の夫人で、洋平は仕事ばかりで運転手・中田周平と出かけ、夫婦関係は冷めていた。
検事・霞夕子(沢口靖子)は母・彩子(松原智恵子)と夫・友行(ダンカン)と娘・夏子(鍋本凪々美)と朝を過ごした。
同窓会に出席中の美也子に、洋平の秘書・大野貞敏(高知東生)から早くお帰りとのメールがあり、洋平が家の階段の下で死に、占部明日香(神保悟志)警部と夕子と事務官・桜木洋一(西村和彦)も現場に来て警察は転落事故と判断したが、夕子だけは死体の傍らのフランス刺繍の額縁が気になりフランス刺繍を微細に調べ始めた。
鑑識・山岸(尾崎右宗)は額縁に洋平の指紋付着を見つけ階段を下りる時の邪魔になり、家のそばで口紅が見つかり、死亡時刻にサングラス女性の目撃情報が入り、岩瀬厚一郎(石丸謙二郎)管理官は、洋平の身辺の徹底捜査を指示し、秘書で洋平の甥の大野は女性関係を否定した。
夕子は美也子から額縁が1週間前からあると聞き、刺繍は美也子が作り演奏会のチケットを見つけ、夕子と桜木は運転手・中田を、秘書・大野を占部が事情聴取して、洋平は愛人・高沢奈々美(遠野なぎこ)がいて週に1度訪問し、誕生する子に奈々美が認知を求め、大野は洋平がDNA鑑定を条件に遺言書を作成と言った。
洋平の遺産は10億円以上で、美也子と奈々美の子が相続になるが、奈々美の子が認知されなければ大野に1/4の相続が行くが、美也子と大野にアリバイがあり奈々美はアリバイが無かった。
現場から奈々美の毛髪が見つかり、奈々美のメールに頻繁に連絡した関田康彦(廣瀬裕一郎)がいて奈々美に逮捕状が出され、夕子に占部は中田が多額の給与で動機がなく、桜木は夕子が額縁に拘っていると言った。
夕子は美也子とプライベートの買い物に行き、美也子は昔は苦しかったが良かったと言い、夕子はフランス刺繍の景色を尋ね美也子は空想と答え、夕子は桜木にフランス刺繍に殺意を感じると述べ、桜木は疑問を並べ偶然が多すぎ何故権藤家が現場かが問題で、美也子が奈々美を知らなかったか疑問だった。
<以下、隠し字>
洋平の利用料亭の仲居からたれ込みがあり、美也子と奈々美が会っていたと女将(川俣しのぶ)と仲居が証言し、初対面だったが2人とも予約を入れていなくたれ込み電話はかけていなかく、警察は美也子と奈々美の共犯を考えたが、若い女の死体が見つかった。
夕子は洋平の資産を調べ、第3者の関わりと誘導を疑い、美也子を任意聴取し何を求めているか聞くが答え無く、予約人物・和田直子(塩山みさこ)は自殺していたが夕子は再捜査を依頼し、中村検事部長(小野了)は苦情を言った。
直子のクラブに洋平が通い、新社長・大野が来て話すが、夕子と桜木と占部が来た。
夕子は大野が額縁を設置したが指紋がなく美也子の指紋は有り、直子と大野が親しく、事件現場は直子が偽装し、忍び込んだ大野が洋平を殺し、美也子と奈々美を共犯にして財産を全て狙ったが、直子殺害現場から大野の指紋が見つかった。
夕子は美也子を誘い・・・・。


監督:赤羽博
脚本:吉本昌弘
原作:夏樹静子(「夢」より)
出演者:沢口靖子・西村和彦・神保悟志・石丸謙二郎・有森也実・遠野なぎこ・斉木しげる・高知東生・・松原智恵子・ダンカン・鍋本凪々美・小野了・尾崎右宗・塩山みさこ・廣瀬裕一郎・川俣しのぶ
制作年:2013年


感想: 共犯関係と第三者の絡み。
謎自体は複雑になるが、単独犯でないと推理は困難。
遺産問題だとは構成上推測出来る。

検事・霞夕子6ー不能犯ー

検事・霞夕子(沢口靖子)は夫・友行(ダンカン)と娘・夏子(鍋本凪々美)と母・彩子(松原智恵子)に送られ出かける時に事件の通報を受けた。
夕子は検事官・桜木(西村和彦)と現場で占部警部(神保悟志)に会い、被害者は黒田光彦(高濱正朋)で発見者は別居の母・敏江(児島美ゆき)で、近所の占部警部の姉・占部陽子(宮地雅子)と会った。
捜査会議で管理官・岩瀬(石丸謙二郎)は、黒田は2年前にひき逃げ事故で8歳の三吉紗月の命を奪った前科者で、鑑識・山岸(尾崎右宗)は心臓と腹部に刺し傷がありナイフが異なると言い、並木検事(小倉一郎)から轢き逃げ事件を聞き、黒田は脱法ハーブの疑いがあり服役後元のアパートで生活していた。
夕子と桜木は紗月の母・三吉和佳子(須藤理彩)に会い、夫・範夫(飯田基祐)が帰りアリバイを述べ和佳子は動機があるが、黒田へ動機がある人物が多く、夕子と桜木は占部と、占部の甥・勝男(藤山扇治郎)から怪しい人間を2人目撃したと聞き出した。
地検部長・中村(小野了)は夕子に現場を警察に任せろと言い、梅野刑事(清水伸)が夕子に事件現場近くのパチンコ店防犯映像に設計士・重倉(三浦浩一)と黒田が揉める姿が映り住居にも行き、夕子と桜木は重倉を訪ね訴える気はないが黒田の死は知らないと言いアリバイはなかった。
和佳子を占部が聴取し殺害動機はあるが殺していないと言い物証がなく、夕子は実際の殺害犯が特定出来ないと起訴出来ない不能犯になりそれが狙いの可能性があった。
<以下、隠し字>
重倉の行動が不自然で調べるが行き詰まり、夕子と桜木は重倉と和佳子の接点を探し、夕子は紗月の父を疑い和佳子の母・長沢緑(仁科亜季子)を訪ね紗月と4/8に会っていた。
重倉の仕事から夕子は山梨の博物館が和佳子の出生地近くと知り訪問し記念写真を見つけ、紗月の出生病院で4/8が誕生で、占部らは三吉夫妻と長沢を呼び出した。
夕子は長沢が紗月の母で父が重倉と言い、和佳子が子宮摘出していて、長沢を犯人と言い、長沢は不能犯を利用し和佳子を助ける為と言い重倉に協力を求め、重倉は目撃者も2つのナイフも喧嘩も準備した。


監督:赤羽博
脚本:吉本昌弘
原作:夏樹静子「深夜の偶然」より
出演者:沢口靖子・西村和彦・神保悟志・ダンカン・鍋本凪々美・松原智恵子・清水伸・仁科亜季子・飯田基祐・須藤理彩・三浦浩一・石丸謙二郎・高濱正朋・藤山扇治郎・小倉一郎・小野了・尾崎右宗・宮地雅子・児島美ゆき
制作年:2014年


感想: 出生の秘密と復讐動機。
不能犯という法律が絡むと謎が深まる。
偶然か計画かは微妙だ。

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