黒川博行・サスペンス:1

刑事吉永誠一・涙の事件簿11・赤い遺産

妻・吉永照子(中山忍)と娘・菜摘と過ごす神奈川県警捜査一課刑事・吉永誠一(船越英一郎)は誘拐事件の連絡を受けた、誘拐者は金融会社赤沢商事社長・赤沢宣良(田村亮)だった。
班長・片山桐子(眞野あずさ)や小沢慎一(林泰文)らと特殊班が出動し、夜8時頃帰宅の娘・雪乃(井村空美)に赤沢本人の携帯から脅迫メールが届き、後は赤沢と連絡取れず赤沢の秘書・塩見耕介(阿部力)が通報し、やがて同じメールを受けた妻・佐智枝(藤田朋子)も帰宅し、携帯電話の発信元は判った。
翌朝赤沢の車が発見され、片山は赤沢の安否確認を優先し吉永に車の捜査を指示したが地図しか無く、間もなく佐智枝・雪乃の携帯に犯人から赤沢を殺したとメールが届き、赤沢の遺体が発見された。
赤沢は体を縛られ石で頭部を殴られ、吉永は右手親指が微かに赤い事に気づき鑑識・木島拓也(松尾諭)は赤沢死亡時刻は昨夜8時から10時で、右手親指は朱肉が原因と言い、指に皮膚片を見つけた。
捜査で、赤沢は息子・良樹(尾上寛之)から金を貸せと脅迫され、愛人・則竹昌代(友倉由美子)が赤沢家に来て、弁護士・武谷直紀(小須田康人)が遺書を開封すると2通の遺書があり古いものは「佐智枝と雪乃に財産を相続」で新しいものは「昌代に財産の半分を遺贈」と書かれ拇印が押してあった。
吉永は昌代を訪れプリンターで地図を印刷し尾行するが住宅で毒殺で発見された。
武谷と昌代は連絡を取っており、良樹の部屋に昌代の指紋があり、赤沢殺害日に佐智枝が会っていた。
赤沢は黙って良樹の借金を返済しており、雪乃が塩見が好きと気づき、皮膚片は雪乃のもので、父の死亡時刻を聞いて驚いた。
<以下、隠し字>
吉永は洗剤の臭いを思い出し赤沢家を捜査して血痕や、車に雪乃の指紋を見つけ、昌代から消えた3台目の携帯電話の存在を知った。
赤沢と雪乃は夕方に揉めて気を失った赤沢を呼ばれた塩見が死亡と偽り、雪乃の車で持ち去り偽装してから誘拐騒ぎで赤沢家に戻り、業務車に載せ替え隙に殺した。
昌代の3台目の携帯電話は塩見専用だった。


監督:赤羽博
脚本:田子明弘
原作:黒川博行「爪の垢、赤い」
出演者:船越英一郎・中山忍・眞野あずさ・田村亮・藤田朋子・阿部力・林泰文・山田純大・松尾諭・井村空美・尾上寛之・小須田康人・友倉由美子
制作年:2013年


感想: サスペンス色が強い。
誘拐>遺産相続>密室>動機>アリバイと焦点が変わって行く。
携帯電話とメールがややもてあまし気味だが、ドラマとしては微妙な犯罪だ。

刑事吉永誠一・涙の事件簿12・親しい敵

吉永誠一(船越英一郎)は妻・吉永照子(中山忍)と娘・吉永菜摘(須藤菜々子)と暮らし古着もリサイクルと聞いた。
田代恭子(遠藤久美子)が自首し、誠一と刑事・玉田隆一(山田純大)・木島拓也(松尾諭)・牧村仁(河西健司)・小沢慎一(林泰文)らが行くと清川由紀の死体があり凶器の包丁も階下から発見、訪問前に由紀がうろこ落としと一緒に購入し恭子は傷があり由紀が切りつけたと証言し以降は覚えていないと言った。
片山桐子(眞野あずさ)班は、恭子の傷・証言・包丁の指紋や血液から事件は正当防衛の可能性が高く、2人の関係性や身辺調査で犯行動機を探るが、誠一は刺創が深く由紀を刺した後に包丁を投げ捨てた疑念を持った。
由紀の夫・清川幹雄(野村宏伸)は由紀の父の経営会社で恭子の父・田代義一(鶴田忍)が働き2人は30年中学から大学まで有名なお嬢様学校に通った親友同士で、2週間ほど前に由紀が恭子に裏切られたと怒っていたと言った。
恭子と由紀の友人・添田真奈美(伊佐美紀)は、恭子が由起の守り役で学校も同じにさせられ由起は不倫のアリバイ作りを手伝わされ、別の友人・村尾淳子(佐藤仁美)は最近の恭子は元彼氏・牧野春樹(永沢たかし)のストーカーに悩まされ、清川幹雄と由紀の結婚は揉め事が多かったと言った。
恭子の2週間前のけんかは、由紀に島本友哉(湯江健幸)との不倫旅行のアリバイを頼まれたが体調を崩し休み清川に不倫が見つかり恭子のせいと責められ、4人の関係は複雑で友と敵が混ざっていた。
牧野春樹は清川が来て離婚を切り出し、清川ははずみで強く言ったと答え、牧野が刺殺されて由起と同日頃の死で、半年前の恭子へのストーカー行為は告訴したが直ぐに取り下げられ、田代義一は警察に騙されたと言った。
<以下、隠し字>
牧野死亡時に言い合った人間が目撃され田代義一の指紋が見つかり、残った髪は恭子のだったが殺人は否定し、誠一と小沢が牧野の部屋を調べ発見時は暖かく冷房設定は16度で田代義一も寒く、病院で恭子に牧野の事を聞かれたと証言した。
恭子の牧野殺しは無罪だが、由紀殺しは動機も正当防衛かも不明で、誠一は包丁購入目的は鯛と言ったのか疑問で全て意味があると思い、恭子の部屋と田代義一の部屋と村尾淳子の部屋の捜査を行い、布があった。
誠一は恭子の退院・拘留前に清川を病院に呼び、交換殺人を示し、清川の恭子を利用した計画を明らかにし、恭子は由紀殺しを留まったが暴言を言われ刺したと語り、清川が捨てた服が資源ゴミで残っていた、・・・・・。


監督:赤羽博
脚本:田子明弘
原作:黒川博行「うろこ落し」
出演者:船越英一郎・中山忍・眞野あずさ・遠藤久美子・野村宏伸・林泰文・山田純大・松尾諭・一戸奈美・鶴田忍・河西健司・須藤菜々子・佐藤仁美・伊佐美紀・永沢たかし・湯江健幸・
製作年:2013年


感想: オーソドックスな伏線入りのミステリだ。
細部は微妙だが、映像化レベルで理解出来る様に整理されている。
積み残しのミスデレクションもあるようだ。

刑事吉永誠一13・湖で拾った女

根室澪(髙橋かおり)は夫・聡(松永博史)からの電話着信で踏切に向かい、8/8に神奈川県警捜査1課班長・吉永誠一(船越英一郎)は妻・照子(中山忍)と娘・菜摘(須藤菜々子)と息子・敬太郎(灘辺敬太郎)と箱根町を旅行し写真愛好家・緒方(山本學)に会い、吉永は事件通報で向かい刑事・鑑貴一(小泉孝太郎)と玉田隆一(山田純大)と木島拓也(松尾諭)と牧村仁(河西健司)らが臨場すると、箱根の神社で小田原西署刑事・宇津木愛(佐津川愛美)ら所轄が捜査し被害者は根室聡で吉永と鑑識・小沢慎一(林泰文)と水島信吾(佐藤孝之)と六条鉄馬(長島琢磨)らは既に捜査中でラミネート加工の黄色い花・天然記念物のキレンゲショウマを拾い、小田原西署に本部を置いた。
聡は不倫相手・松下若菜と宿泊し吉永と鑑と愛が聴取し、聡は夜に鈴木に電話で呼び出され戻らないと聞き、旧友・石崎(石橋保)を聞き訪ねて、石崎と聡は会社を創ったが聡のパワハラで社長の聡が退社し石崎が社長になり聡の妻・澪も一時勤め、社員から澪と石崎の交際の時期もあると聞き、捜査本部で本部長・神山(大石吾郎)が挨拶し吉永は班長にまだ慣れず、吉永と愛が澪を聴取し1年前に石崎から離婚を勧められたと聞き壁に傷を見つけ、牧村と玉田は聡の母から澪が財産目当てで澪の運転の事故で夫が足を怪我したと聞き、吉永らはカウンセラー・檜山(波岡一喜)から澪の相談に乗ていると聞いた。
愛は石崎か檜山の犯行を考え、吉永は澪が捜査に非協力的が疑問で、照子と菜摘はカメラサークルで緒方に角田(出光元)と江藤(穂積隆信)を紹介され、吉永と鑑と愛が石崎を聴取し澪をほっとけないと聞き、澪のパート勤務先の店員(比企理恵)らから店長・坂井(デビット伊東)が特別扱いの証言を得、坂井から澪が心配と聞き、木島が植物園でキレンゲを調べ、吉永はパート店員の1人を聴取し坂井が澪を口説いたが応じずパワハラと聞き吉永は澪の結婚前も調べさせた。
吉永らは聡に9000万円の生命保険が掛けられ、澪は独身時代に交際男性を亡くし400万円を得たと聞き結婚詐欺を推測し、キレンゲは切花と判り、吉永はサークルで花を尋ね緒方が家族を亡くしたと聞き、吉永と鑑と愛が澪を聴取し聡のパワハラを尋ね愛が黙秘を責めるが答えず、鑑と愛が結婚詐欺を調べ婚約者・城山の400万円は返金と聞き、近所から澪は外出しないと聞いた。
吉永は坂井が刺殺体で見つかり行き、鑑と愛が澪を訪ね坂井が来て暴行を聞き愛が澪を聴取し聡のいじめと束縛を尋ねるが話さず、石崎と檜山にアリバイが有り、吉永は第3者が勝手に殺害と考え、木島がキレンゲが澪の生家近くの静岡・田貫湖で咲くと知り鑑と愛と見つけ近所のコテージ主人(山田明郷)らから1年前の自殺未遂で澪を助けキレンゲは助けた人が持ったと聞いた。
<以下、隠し字>
吉永と玉田は檜山から澪が自殺を止められ心を閉ざし最近も自殺未遂を助けられたと聞き、ダイヤモンド冨士の写真撮影日が澪の自殺日と判り、緒方を訪ね妻子の20年前の写真を見て澪を聞き、吉永と鑑が澪を訪ね引っ越すと聞き田貫湖を言うと出かける澪を尾行し田貫湖で日の出を見て緒方に会った。
吉永らが来て緒方が澪の自殺を助け心配で見守り続け電車自殺を止め聡が原因と知り、妻の自殺と同じに見えた澪で自分のせいと気づき聡の暴力的言葉を聞き箱根で殺したが、坂井が現れ澪を苦しめて殺したと自供し、吉永は緒方に澪に別の苦しみを与えたと言うと、澪は全て自分のせいと謝り、緒方は老いた自分が若い時に戻りたかったと言うと、澪は始めて笑い今日のダイヤモンド冨士が綺麗だったと言った。


監督:赤羽博
脚本:ひかわかよ
原案:黒川博行
出演者:船越英一郎・中山忍・小泉孝太郎・髙橋かおり・佐津川愛美・山本學・林泰文・山田純大・松尾諭・河西健司・デビット伊東・石橋保・波岡一喜・出光元・穂積隆信・松永博史・比企理恵・大石吾郎・佐藤孝之・長島琢磨・須藤菜々子・灘辺敬太郎・山田明郷・栗田よう子
製作年:2016年


感想: 被害者の妻の廻りに容疑者が複数いるが、妻は黙秘した。
捜査で見方が次々変わり、新たな殺人も起こる。
捜査陣は、妻と犯人の繋がりと心の思いに中々辿り付けない。

刑事 吉永誠一 ファイナル

神奈川県警・吉永誠一(船越英一郎)は刑事・鑑貴一(小泉孝太郎)と玉田隆一(山田純大)と牧村仁(河西健司)らに犯人逮捕後を任し高校同窓会で初恋の人でNPO法人代表・酒井直子(手塚理美)とその元夫・水口邦男(伊藤正之)や恩師・津村健三(里見浩太朗)らと再会した。
翌日に吉永は非番で妻・照子(中山忍) と長女・菜摘(須藤菜々子)と息子・鼓太郎と話し殺人事件で招集され、鑑識・小沢慎一(林泰文)らと1課・木島拓也(松尾諭)や玉田や牧村が調べ被害者は横浜理科大准教授・長谷部修(成島敏晴)で高柳啓吾教授(並木史朗)の研究室で共同で難病「急性白血球症」の特効薬を開発し、助手・安達晴彦(南雲勝郎)が自宅で発見した。
捜査会議で長谷部の死因はナイフでの刺殺失血死で指紋が2つのみ見付かり、吉永は津村に警察庁出向を相談し水口が津村と口論し高柳も教え子と聞き、小沢らが高柳研究室で関係者指紋を助手・矢島恵(脊山麻理子)らから採取し、吉永と鑑は長谷部のパワハラの訴えを聞き、吉永は本部長・神山隆治(大石吾朗)に会った。
吉永は津村の妻・文子(立石涼子)から直子の息子・良太の病死を聞き、NPO法人で直子と事務長・福原孝治(大西武志)と会い津村夫妻も娘を亡くしたと聞き、高柳研究室から警備員・水口がパソコンを持ちだし長谷部が捕らえたと判り、吉永は水口から誤解だと聞き関係者指紋を取り尾行させたが逃し、長谷部の部屋と指紋が一致した。
高柳が刺殺体で見つかり、吉永らが調べ恵が発見し高柳が水口からメールで7年前の話で地下資料室に呼び出されていた、2事件の状況証拠で水口が容疑者だが高柳殺害が疑問だった、7年前にリサイクル企業の環境汚染調査に小児癌が発生し高柳と長谷部が参加し社長・辺見慎介(仲本工事)が少量で無関係と発表していた。
水口が水死体で発見され、近くの車でナイフが見付かり持主が津村でスペアキーが盗まれたと聞き、ナイフから長谷部と高柳の血と水口の指紋が見付かり、直子から水口が汚染調査データ改竄を疑ったと聞き、津村の車を調べ水口より大柄な運転者と気付き、現場の指紋のレバーが付け替えと知り、津村がリサイクル企業で辺見と立て籠もりテレビ中継を求め、吉永が逮捕したが揉み合い刺された。
吉永は助かり、直子から津村に汚染調査データ改竄を話したと聞き、鑑が津村の殺人を疑い、県警本部管理官・片山桐子(眞野あずさ)が戻り代理し、吉永は鑑と病院を抜け横浜理科大でカメラの位置を変えて死角を作ったと知り壁に痕を見つけ、リサイクル企業に代議員・神林陽一郎が絡み高柳研究室の資金が製薬会社から仲介したと判り、吉永は文子から聞き出した。
<以下、隠し字>
吉永と桐子に津村が神林の圧力で高柳が汚染調査データ改竄したが新薬開発資金必要の説得で黙ったと認め、水口の情報元が津村と高柳の口論を止めた研究員・湯川と疑い、吉永と鑑が写真を見つけ、小沢が直子と福原らの関係者指紋と耳型を採取した。
吉永と鑑が福原が湯川と言い、津村の車に乗り水口を運び殺し、高柳殺害時に横浜理科大の壁に耳型が残したと言い、免許が偽造と判り福原が犯行を認めた。


監督:本橋圭太
脚本:田子明弘
原案:黒川博行
出演者:船越英一郎・中山忍・小泉孝太郎・手塚理美・林泰文・山田純大・松尾諭・河西健司・伊藤正之・大西武志・並樹史朗・成島敏晴・脊山麻理子・須藤菜々子・仲本工事・大石吾朗・里見浩太朗・眞野あずさ・立石涼子・南雲勝郎
制作年:2016年


感想: シリーズ完結編。
刑事の知人絡みの事件で、割り切ると容疑者が減る。
最後のジャンプが強引だが、それ以前は細部の捜査で繋ぐ。

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