夏樹静子・サスペンス:1

女検事 霞夕子

捜査検事・霞夕子を主人公にするシリーズです。
原作は短編集3冊と少ないですが、ドラマは30作以上作られています。
登場人物・設定(勤務場所他)はドラマ・オリジナルです。
霞夕子役は、、「桃井かおり」・「鷲尾いさ子」・「床島佳子」・「真矢みき」・「沢口靖子」と多数が演じています。
原作は、捜査検事の仕事に近い設定です。
ドラマは、事件を追う探偵役として描かれており、これもオリジナルと言えます。

女検事 霞夕子:青い指

クルーザーで遊ぶ長沢章(内藤剛志)・宗田郁雄(山口仁)・宗田由子(蜷川有紀)が接近した小型ボートの臼井親子と事故を起こして娘が死んだ。
宗田歯科病院で長沢章が宗田郁雄に歯型を取ってもらいながら、金を借りたいと言いと言い、事故死の娘の命日の訪問を頼まれた。
光洋大学病院の長沢に霞夕子(桃井かおり)が頭が痛いと診断に来たが神経性だと答え、郁雄の祖父・宗田和雄(久米明)が来て肝臓ガンだが年のせいと答えた。
長沢が命日に臼井宅へ花を持ち訪問するが不在で寺か氷室だろうと言われ、墓に参ると臼井の自殺死体を見つけ、歯型を取る材料で1本の指紋を採り、宗田宅に戻り郁雄を置物で殴り、指紋を消しから指のコピー1本だけ指紋を残した。
霞夕子宅は寺で夫で住職の霞正一(新克利)・母の霞ふさ(露原千草)・息子の良太(山田哲平)だが、夕子は仕事との両立に悩んでいた。
宗田郁雄の死体が見つかり、横浜地検の検事・夕子は桜木事務官(光石研)と現場に行き占部警部(不破万作)から事情を聞き1本だけの指紋に疑問を持ち、留守の妻の代わりに被害者のいとこの長沢から事情を聞いた。
宗田由子が帰り、実家行きは嘘で夫が理解しないボランティア活動をしていたと言った。臼井の自殺死体が見つかり、郁雄殺害現場の指紋と一致するが夕子は疑問を持ち、臼井の娘の墓に行き発見者から妙な匂いがあったと聞き、自殺死体の指の鑑定を鑑識の岩本(三谷昇)に依頼した。
夕子は宗田和雄に会うが和雄が倒れ病院で末期ガンと知り、郁雄と長沢は和雄から援助を受けており、和雄死亡の時は遺産が長沢に行くと判ったが、宗田由子の妊娠が判り胎児に相続権が出来た。
<以下、隠し字>
臼井宅を調べた夕子は氷室で匂いの正体をしり鑑識に調べてもらい死亡時刻が12時間遅らせると判った。
夕子は自宅で母の歯の治療の話から歯型用材料で指のコピーが可能と知り、長沢を聴取し容疑内容は確かめたが物証に欠けた。
夕子は去る長沢に相続権が胎児に移った事を告げ、そして・・・・。


監督:木下亮
脚本:石松愛好
原作:夏樹静子
出演者:桃井かおり・内藤剛志・蜷川有紀・山口仁・久米明・三谷昇・不破万作・光石研・新克利・露原千草・山田哲平・伊藤紘・藤田宗久
制作年:1993年


感想: 霞夕子シリーズ(桃井かおり)の第9作。
複数シリーズ化され、多数映像化された霞夕子シリーズだが、原作は10作ちょっとの短編のみで多くはオリジナル脚本です。
原作は、コロンボでお馴染みの倒叙形式で、この映像化でもそのスタイルだ。

検事霞夕子3 年一回の訪問者

検事・霞夕子(沢口靖子)の娘・夏子(鍋本凪々美)の家庭訪問があり、夫・友行(ダンカン)や母・彩子(松原智恵子)が教師を迎えていたが、検察事務官・桜木洋一(西村和彦)から連絡があり現場に出かける事になった。
夕子が桜木と現場の雑木林に駆けつけると警視庁捜査一課警部・占部明日香(神保悟)らがいて、心臓発作が死因と占部は言い、被害者・板倉茂男(麿赤兒)は心臓疾患でニトログリセリンを常備していたが持っていなく、左手にふたのない薬入れを握っていた。
板倉家を訪れた捜査陣は、当日は板倉家で一年に一度のピアノの調律が行われており、息子・数馬(宮川一朗太)と妻・仁美(高橋ひとみ)に被害者の部屋に案内して貰った。
夕子は茂男の左手のペンだこから左利きであることを息子たちに確認し、薬を茂男が持って出たか確認して几帳面で忘れるはずはないといった。
夕子は靴を見せて貰いひもの結びが異なる事で疑問を持ち、司法解剖の結果で現場の水たまりに頭を押さえつけられた殺人と判った。
ピアノの鍵盤から仁美宛ての殺人請負らしき手紙が見つかり、数馬は被害者に見せられたといい、アリバイも証言した。
仁美は抗弁せずに容疑者として連行され自白し、被害者と口げんかが多かった証言もあり検察に送検されてきた。
夕子は疑問で仁美の過去を調べ、人権派の優秀な弁護士だったが急に止めており、ピアノの調律師・吉岡文平(大浦龍宇一)と仁美が過去に隣りに住んでおり、調律師の妻の殺害事件の目撃者が仁美だったがその事件は未解決だった。
2人の過去の接触を占部たちは調べ、夕子達は吉岡の息子が個々に母から暴力を受けていた事を調べた。
被害者と仁美が本当は認め合った優しい間と突き止め、夕子は過去の事件の真相と仁美が弁護士を止めた理由を推測し、吉岡から真実を聞き出した。
<以下、隠し字>
仁美はなおも否認するが、吉岡が真実を話し犯人でない事を夕子たちから聞き過去の苦悩を話した。
夕子と占部は、既に真犯人を掴んでいた。


監督:赤羽博
脚本:吉本昌弘
原作:夏樹静子
出演:沢口靖子・西村和彦・神保悟志・高橋ひとみ・大浦龍宇一・宮川一朗太・麿赤兒・・ダンカン・松原智恵子・鍋本凪々美
制作年:2012年


感想: わずかな10作余の原作短編はとっくに終わっても、霞夕子シリーズは桃井かおり・鷲尾いさ子・床島佳子・真矢みき・沢口靖子と続いています。
もう原作部分は、面影程度しかないが終了気配もないです。
現在はやりの、女性捜査官の先駆けとも言えます。

検事霞夕子4 誤認逮捕

乱暴され現金が盗まれた女性・杉田千穂の証言で田処真也(林泰文)が強姦容疑で逮捕され無実を主張したが、刑事・佐伯徳馬(名高達男)は強引な捜査を進めた。
警視庁捜査1課警部・占部明日香(神保悟志)・管理官の岩瀬厚一郎(石丸謙二郎)は佐伯が容疑者逮捕で昇格も確実と思ったが、被害者と発見者の狂言による金目当てと判り誤認逮捕で田処は釈放されたが、外資系エリートの経歴も全て失い、妹の婚約も破談になった。
1年後、東京地検検事・霞夕子(沢口靖子)・霞友行(ダンカン)・霞彩子(松原智恵子)・霞夏子(鍋本凪々美)の家で、検事事務官・桜木洋一(西村和彦)・母の桜木栄子(藤田弓子)の法事がおこなわれていたが、事件の連絡が入った。
アパートの室内で絞殺の会社員・金井美奈子(寺田千穂)の遺体が見つかり、事件現場で夕子・桜木は占部と所轄の佐伯刑事に出会い、金井の上司の営業部長・加藤義晴(神尾佑)が、入ってきて勝手に書類を探し出し帰り後には加藤と被害者以外の指紋が発見されなかった。
夕子は会社に行き捜査したが金井の事は知らないと加藤は言い田処に出会い、捜査会議で夕子は流しの犯行を否定し遺留品から田処の指紋が見つかるが金井とは親しくなく遺留品は紛失したと言った。
捜査本部にメールでたれ込みがあったが、田処は職を追われ同期の加藤から同じ会社で働き始め、第一発見者・宇沢弥生(吉村涼)がメールの送信者と判り加藤と田処は同じライターを持っていたと語ったが、夜に殺害され田処に容疑があるが誤認逮捕の過去で慎重に任意聴取を行い田処は1年前と同じと言い、現場に残った壊れたまねき猫から破片が不足していて、夕子・桜木は宇沢が使ったパソコンを調べると金井と加藤の予定も書かれていた。
佐伯は加藤が田処を見下すために会社に誘ったらしく、加藤と金井が付き合っていた、田処はアリバイを思い出したが、夕子は疑問だった。
<以下、隠し字>
占部・佐伯は加藤を疑い逮捕したが夕子は物的証拠がないと思い現場に再訪し、まねき猫に疑問を持ちまねき猫の謎に気づいた。
夕子は田処を呼び出すと佐伯が来たが、田処が金井に近づき殺し、宇沢の愛情を利用しようと語りアリバイが偽装と佐伯が知っていたと暴いた。
そして、・・・・・・。


監督:赤羽博
脚本:吉本昌弘
原作:夏樹静子『誤認逮捕』
出演者:沢口靖子・西村和彦・神保悟志・石丸謙二郎・林泰文・神尾佑・ダンカン・松原智恵子・藤田弓子・名高達男
製作年:2013年


感想: 捜査場面ばかりで、検事聴取の場面がない。
霞夕子は優秀だが、桜木洋一も相当に優秀だ何でも直ぐに調査できる。

尽くす女

遠藤初江(伊藤蘭)は、偶然助けた一人暮らし老人・渡(三谷昇)の世話をしていたが夫・遠藤弘市(北村総一朗)は嫌うが、前夫・神林(梨本謙次郎)の死後に遠藤の後妻になった初江人に尽くしたいと考えているが嫉妬深く自分勝手な遠藤にはつくせなかった。
介護士の友人・大谷由起(立石凉子)か手伝いを頼まれた初江は身内のない老人の死後の扱いについて教えてもらった。
初江は渡の世話を続け、幾つか聞くが体の不調を訴えた渡は保険証を持たず、遠藤弘市の健康保険証で石川病院で受診させたが、石川院長(笹野高史)と看護婦・飯田冬子(河合美智子)から胃がんで余命が1-2ヶ月と言われ、苦しむ渡に睡眠薬を貰った。
弘市は勝手に猫を始末し、渡の世話をする初江に嫉妬し乱暴をしたが、体は不調で薬を飲んでいたので病院の検査を勧め、近所にはかなり悪いと言い病院で検査を受けさせた。
やがて渡が死に警察に連絡を取り、石川院長に遠藤名義の死亡診断書を書かせた。
初江は、自宅で睡眠剤を飲ませた遠藤を殺害し警察に通報し捜査と須藤医師(斉藤暁)の解剖が行われたが、渡の死亡診断書を自ら出して病死とした。
伊豆の施設で遺産を昌子園長(水城蘭子)に寄附して働く初江を看護婦・飯田冬子が訪ね、冬子は真実を警察に届けず代わりに自分の恋人・矢崎達雄(沢向要士)を殺害を初江に要求した。
<以下、隠し字>
冬子の家に行った初江は車椅子の恋人・矢崎に会い、3日以内の殺害を指示されたが殺せなく、冬子を訪れると殺されていた。
佐伯刑事(名古屋章)らは幾つかの証拠を見つけた。
家に戻った初江は矢崎が歩け、冬子と初江の会話を聞いて電車で先回りして、初江の犯行の偽装をしたと言い、自殺に見せて初江殺害を謀るが、駆けつけた警察から逃げて崖から墜落した。
初江は警察から解放され施設に戻るが、佐伯刑事は死亡診断書のすり替えに気づき、・・・・・・。


監督:木下亮
脚本:松木ひろし
原作:夏樹静子「尽くす女」
出演者:伊藤蘭・三谷昇・北村総一朗・河合美智子・沢向要士・立石凉子・笹野高史・斉藤暁・水城蘭子・名古屋章・梨本謙次郎
制作年:1996年


感想: 特殊な正確と金銭を求めない動機とが、犯罪を隠す。
新生活を始めるが、新たな脅迫で事件に巻き込まれ、一度事故になった事件が掘り返える。
テーマや主人公の描き方は、原作者の作風に感じる。

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