内田康夫サスペンス:2

信濃のコロンボ~死者の木霊~

鳥羽で野本孝平(本田博太郎)がクラブ三番館ホステス・君江(遊井亮子)にプロポーズした。
長野県警飯田署刑事・竹村岩男(寺脇康文)は妻・陽子(麻生祐未)の旅館手伝いをせず町医者・丸山(温水洋一)に呆れられ、ダムでバラバラ死体を発見し部下・桂木誠(庄野崎謙)刑事と飯田署長・大森修司(西村雅彦)や鑑識課・新井貴志(嶋田久作)の元に捜査が始まり竹村は犯人は別の地域と推測し、同じ頃東京室町署にタクシー運転手・戸沢(村松利史)が死体を運んだと出頭し供述で男を乗せた付近の五代通商ビルの住込み管理人夫婦が行方不明で岡部和雄警部補(高橋克典)が部屋の畳の下から血痕を見つけた。
竹村は東京に出かけ、岡部から管理人・野本敏夫(山中聡)が不明で、叔父・野本孝平の家で敏夫の孝平からの多額借金の借用書が見つかり、運転手はダンボールを積み50万円を渡し長野と東京を往復し松川ダムでダンボールを投げた男が管理人・野本敏夫でバラバラ殺人に関与し、孝平も行方不明で室町署は金銭トラブルで敏夫が孝平を殺害の見解で敏夫と妻・美津子(宮澤美保)を全国指名手配し、竹村は事件の計画性を考え岡部に五代通商の捜査を依頼し、クラブ三番館で孝平の事を聞き君江は鳥羽で誰かカップルを見たらしいと言った。
岡部と竹村は五代通商に社長・福島太一郎(長谷川初範)を訪ね、福島は専務・沢藤栄造(小木茂光)や社長秘書・浜野理恵(滝沢沙織)と話した後に会うが以降は警察は訪問禁止にされ、竹村は鳥羽にいたのは浜野と知り、鳥羽で支配人・奥村(四方春海)から宿泊帳を調べ、従業員・根岸から男性は福島で無く、青森で目撃後に戸隠で首を吊った野本敏夫夫婦が発見され睡眠薬服用で事件解決となるが竹村は納得しなかった。
<以下、隠し字>
竹村は青森の駅員・工藤から女性はワンピースと聞き、東京の五代通商に行き福島と浜野を見つけたが岡部に止められ別件で捜査中で福島と浜野のアリバイもあり、翌日浜野が結婚し外国に行くと聞き、竹村は結婚式場で浜野に鳥羽での相手を聞くと式後に答える言い屋上から飛び降り、沢藤は竹村を責め報道され1月の停職になった。
竹村は鳥羽に行き根岸が大金が入ると言い行方不明で、死体で見つかり部屋で沢藤の写真を見つけ、東京で岡部に会い沢藤を疑うが奥村が野本孝平殺害で自首した。
竹村は陽子に福島と浜野のアリバイを説明し、沢藤が社長になると連絡があり、何故青森から戸隠に移動したか疑問で、新井から写真を借り工藤から違う柄と知り、沢藤と奥村の関係を知り大森に説明し、東京でも説明した。


監督:中前勇児
脚本:穴吹一郎
原作:内田康夫「死者の木霊」
出演者:寺脇康文・麻生祐未・庄野崎謙・滝沢沙織・遊井亮子・山中聡・宮澤美保・村松利史・温水洋一・嶋田久作・西村雅彦・本田博太郎・長谷川初範・小木茂光・高橋克典・四方春海・
製作年:2013年


感想: 日本中を駆け巡るのは現実性がないが細部の手掛かりは多い。
違法捜査はドラマの常套だが動機に無理もある。
キャラクターに拘りすぎでもある。

浅見光彦49・不等辺三角形

名古屋の陽奇荘で執事風の男が和箪笥の修理で、箪笥職人・井上孝夫(江藤潤)と娘・邦香(平田薫)を仙台から呼び、翌朝に松重閘門で水死体が見つかり、愛知県警警部・野崎(峰竜太)は被害者が陽奇荘管理人・柏倉哲(岡本富士太)と知った。
4日後に浅見光彦(中村俊介)は、正岡家16代当主・正岡佑直(佐戸井けん太)の秘書・河村忠治(金田賢一)と正岡邸で、佑直と妻・節子(紫とも)と娘・美誉(野村佑香)と会い、柏倉が正岡家執事で殺害犯人と別邸の陽奇荘から柏倉が運び出した和箪笥の行方探しを依頼した。
佑直と浅見の兄・陽一郎(榎木孝明)が友人で、浅見は河村と美誉と和箪笥が現在は美誉の入院中の伯母・絹江(長山藍子)の所有で、柏倉の部屋で井上箪笥工房のパンフレットを見つけ、野崎が光彦が浅見局長の弟と知り捜査状況を説明し陽奇荘の骨董が消えていると言った。
光彦と美誉は病院の絹江に柏倉の事を聞き、和箪笥は東北出身の祖母・雅子(池田道枝)の嫁入り道具で、井上孝夫は邦香と箪笥に隠し棚と漢詩文書を見つけ襲われかけ、光彦が来て文書を見て、岩澤義和が死亡し箪笥工房の泥棒判り野崎が岩澤の盗品容疑で来た。
光彦は箪笥に「陽・奇・岩・澤」の文字を見つけ、岩澤の出身地・宮城県丸森へ邦香と行き従姉から義和は分家で本家の骨董を売り出入り禁止で、本家は途絶え名古屋に嫁いだ雅子に婿を迎えたらと悔やんだと聞いた。
光彦と邦香は岩理屋敷で番頭・近田守右から雅子の疎開中男子出産を聞き、雅子に施設から貰った子がいた、孝夫が箪笥から「不等辺三角形重心」の文書を見つけ、佑直と浅見の兄から中国人・汪兆銘の来日時に陽奇荘に来たと聞き、光彦は隠し財宝を疑った。
光彦は母(野際陽子)に文書を見せ、野崎から第3者の古美術商・榊小太郎の連絡で仙台に行き、榊の店で汪兆銘の本を見つけ、孝夫は無償で箪笥の修理をしていた。
名古屋で光彦は河村・美誉と、絹江に漢詩を見せ汪兆銘と柏倉の事を聞くが語らず、光彦は陽奇荘を調べ昔の様子が異なると聞き、絹江は佑直と妻・節子に中止を言った。
<以下、隠し字>
光彦は美誉・河村と古い庭の地図を調べ重心の梅の木は盗掘され、佑直は光彦に捜査中止を言い、光彦は絹江に雅子の子を聞いた。
絹江に河村が現れたが光彦と美誉が来て、柏倉が兄弟で河村がその父から秘密を聞いていたと言い、河村は柏倉と岩澤を殺し盗掘したと自白した。
河村が掘り出した物は汪兆銘の密約書類で、半年後に光彦は名古屋で修復された和箪笥を見て、絹江らは感動し、美誉が受け継ぎ・・・・。


監督:柿沼竹生
脚本:峰尾基三
原作:内田康夫
出演者:中村俊介・野村佑香・平田薫・江藤潤・峰竜太・岡本富士太・佐戸井けん太・金田賢一・長山藍子・榎木孝明・野際陽子・紫とも・池田道枝
制作年:2014年


感想: 名古屋と仙台を時代が繋ぐ。
流石に財宝探しは?だが、名家の秘密は良くありそうだ。
箪笥職人と東西のヒロインが光彦に絡む。

耳なし芳一からの手紙・浅見光彦シリーズ28

ルポライター・浅見光彦(中村俊介)は取材で山口県下関を訪れ赤間神宮・耳なし芳一堂で琵琶を聴く老人に会い、帰途の高速バス駅前で池宮果奈(松本莉緒)と会い、前に赤間神宮で見かけた老人が座った。
老人が言葉を残し毒物性急性心不全で死に、手島警部(中西良太)らに同乗の高山(徳井優)が自分がやったと言い、光彦が刑事局長・浅見陽一郎(榎木孝明)の弟と判り、被害者は東京・田園調布在住の永野(勝部演之)で永仁産業の元社長だった。
所持品に、1通の封書があり耳なし芳一の差し出し人で、中に「火の山で逢おう」と書いてあり、果奈は土建業の娘で漫画家志望で東京に行く所だった。
果奈が光彦の家を訪ね身元保証人を頼み、編集長・藤田(小倉久寛)は採用し、永野の妻・依江(池内淳子)は光彦の母・雪江(野際陽子)の女学校時代の先輩で雪江の憧れで奥平と結婚したが戦争で死別し永野と再婚していた。
永野に実子はなく養子の1人が社長を継いだが業績が悪く、雪江と光彦は依江に事情を話し、永野の遺品に差出人が「耳なし芳一」の3通の手紙がありそれぞれに「3/7」「4/7」「5/7」と書いてあった。
光彦は雪江や果奈と山口県を訪れ「耳なし芳一祭り」の琵琶演奏者・有田稲子(長山藍子)を見て、七盛塚の前で琵琶を弾奏し永野が聴いていたと思い出した。
光彦と雪江は果奈の家で父・孝雄(原田大二郎)に有田家を聞き耳なし芳一の再来と言い、陽一郎から朝鮮半島の特殊部隊が7人編成で奥平・永野・有田が含まれ、果奈の父が幕末の七部卿を話した。
<以下、隠し字>
光彦と雪江は奥平の弟・悠次(片桐竜次)から舞台に数字番号が付いており「3/7」が有田で、依江が奥平の墓参を続けていた。
警部が有田夫妻の息子・俊文(森宮隆)がおり、果奈は骨格がバスで見かけた女性に似ていると言い、稲子は怪我の奥平を救出出来なかったと言った。
東京で光彦は果奈と俊文に、バスの女性が俊文かと聞き、永野の毒物が常備薬と判り、光彦と果奈は奥平の墓で依江と稲子に会い永野の嘘で結婚し有田から後に真実を聞き、依江は永野を憎み有田の提案で手紙を送ったが永野が生き残り、計画を立て稲子と俊文がダミーになり、依江は雪江へ手紙を残し・・・・。


監督:金佑彦
脚本:峯尾基三
原作:内田康夫
出演者:中村俊介・松本莉緒・長山藍子・小倉久寛・池内淳子・榎木孝明・野際陽子・勝部演之・中西良太・徳井優・原田大二郎・片桐竜次・
制作年:2008年


感想: 犯人当てより、動機とそれに近づく暗号が中心だ。
そのために、耳なし芳一がうまく利用された。
歴史と旅とがかみ合った。

浅見光彦シリーズ32 箱庭

ルポライター・浅見光彦(中村俊介)は厳島神社で死亡現場に駆けつけ、案内女性が会った人に似ていた。
光彦が帰ると、義姉・和子(五十嵐めぐみ)がいて、母・雪江(野際陽子)も和子の様子が変で、光彦は不審な手紙を見せられ同封の和子の中学時代の修学旅行の写真に「キジも鳴かずば撃たれまい」の一文があり、三橋静江(芦川よしみ)が写真に写っていた。
光彦は兄・陽一郎(榎木孝明)に聞くが答えず、差出元の島根県益田に向い、病院で静江が代議士・大貫(長谷川哲夫)の看護師となり山口県岩国に移ったと聞いた。
光彦は列車でバレー教師・岡村里香(田丸麻紀)と会い、大貫の秘書の父・峰沢由紀夫(西田健)に会い静江の事を聞き、大貫は会合で後継者に秘書・峰沢宗一郎を紹介した。
光彦は鶴井明殺害記事を見て現場で瀬川警部(大門正明)に同行されるが刑事局長の弟と知れ、事件内容を聞き鶴井の宿泊ホテルで里香の母の仲居(風祭ゆき)と会い、里香は現場・紅葉谷公園に吉川公の墓があり、厳島の紅葉谷公園には無く死体が小山田で本籍が鶴井と同じで同級生だった。
里香の母が死体で見つかり、光彦は里香から母から最近教室独立費用を聞かれ、里香が益田出身で療養所で静江が大貫の看護をし、光彦が大貫に会うと箱庭を楽しみ2つの事件を聞くが答えず、光彦が静江に会うと箱庭で遊び和子と岡村の事を聞き、箱庭心理療法を聞き、静江は光彦に宗一郎が大貫に紛失物で謝っていたと聞いた。
瀬川警部らは鶴井と小山田が麻薬絡みで殺された疑いがあり、里香の母の関連を調べ始め、光彦は東京で料亭で小山田を調べ仲居・純子から会席の様子を聞き忘れ物を見つけ小山田に渡し、宗一郎には小山田に渡したと言っていた。。
<以下、隠し字>
光彦に尾行が付き、兄・陽一郎に疑問を言うと事件に関わるなと言われ、和子に手紙が静江からで無く、里香の家で忘れ物を探し政治献金の念書を見つけた。
光彦と里香が静江に近づこうとすると、光彦は尾行の2人に連れられ陽一郎が来て念書を渡し、偽装した人物がいると言った。
里香が病院に拉致され、光彦が大貫・宗一郎に会い里香と静江を引き取り、2人にアリバイが有り、光彦は峰沢由紀夫を疑い会うと語り始め、小山田が間違い厳島に向い殺害し、次ぎに鶴井を殺害し、岡村から接触され警察に行くのを防ぎ殺した。


監督:林憲昭
脚本:峯尾基三
原作:内田康夫
出演者:中村俊介・田丸麻紀・芦川よしみ・大門正明・五十嵐めぐみ・野際陽子・榎木孝明・西田健・長谷川哲夫・風祭ゆき
制作年:2009年


感想: 事件が大きくなると兄が登場するが、今回は逆パターン的だ。
背景は大きいが、テーマは親と子。
動機は背景から恐喝になる。

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