立花陽介・新聞社地方通信局:3

概要

立花陽介:水谷豊
東洋新聞の地方通信局記者。地方の通信局を転々と勤務する。異常に転勤が多い。
立花久美:森口瑶子
絵本作家だったが、立花と結婚を機に退職し完全に記者の妻になった。
根岸隆一:片桐竜次
東洋新聞の記者。本社社会部勤務。 すぐに地方にも出かける。

13話:1999年5月25日:日光今市通信局

日光の3杉並木の合流点に今市があった、立花陽介(水谷豊)と久美(森口瑤子)は日光写真コンクール入賞者の佐山広志(竹本孝之)とそのインテリア事務員で婚約者・吉村萌(今村恵子)が被写体の親子を探したいという記事を新聞に掲載した。
50才台の女性が佐山の住所を尋ねて来たが、被写体は判らず1月経った。
渓谷で東京のコンビニチェーン課長・島本の死体が見つかり日光東署の北原警部補(松井範雄)はポケットの「巌頭の感」の文章で自殺の可能性も考えた。
島本はホテルに前日から泊まり、チェーン拡大計画が反対派のために遅れており夜に男と会っており、しかも半年前から下請けの佐山インテリアから調整費用を出させていた。
北原は、佐山を警察に呼び、萌は心配して陽介に相談し、佐山は母と幼く別れ里子にだされていたと言った。
萌と久美は、50才台の女性が持っていた湯葉を手掛かりに女性を探して、林田弓子(左時枝)を見つけた。
陽介は、佐山が釈放されて、島本に1千万円の裏金を渡し工事の遅れは元請けの新都建設の浅川和也(清水章吾)と話せといわれていた事、浅川とは趣味の写真で知りあい仕事を持ち込まれた事を聞いた。
帰宅した陽介は弓子と会い、30年前の大学生との同棲・新宿で集会から交番襲撃事件・ひとりで子供を産み里子に出した事を聞いた。
萌と久美は、佐山と弓子の再会を計画するが佐山は母はいないと言った。
浅川は、会社で部署を移動したばかりで前日と当日のアリバイを示し、日付の入った写真を示したが陽介はその再調査を東京に依頼した。
弓子はそっと佐山インテリアを訪ねようとして、佐山と浅川が言いあう所を目撃した。
翌日、浅川の死体が見つかるが殺人か傷害致死か不明だったが、佐山は警察で自白したが状況と一致しない部分もあった。
萌は久美と陽介に、事務所の外に湯葉が落ちていたと言い、陽介は東京から浅川のアリバイ写真は偽造で、30年前に公務執行妨害の前科があると聞いた。
<以下、隠し字>
陽介は弓子を呼び出し、佐山の自白と、島本殺害と浅川の死の推測を伝えた。
弓子は、浅川の過去は黙っていて欲しいと頼んだ。

監督:吉川義一
脚本:岡本克巳
出演:水谷豊・森口瑤子・竹本孝之・今村恵子・片桐竜次・松井範雄・左時枝・清水章吾
制作年:1999年

感想: 日光が背景の理由は湯葉くらいしかないが、30年前の新宿広場の事件を背景に用いています。
新聞記者が隠した、親子の関わりでもあります。

14話:1999年12月21日:阿波鳴門通信局

立花陽介(水谷豊)と久美(森口瑤子)が赴任して6月の鳴門通信局は明石大橋と鳴門大橋で本州と繋がった四国の玄関だった。
小田ちか(松金よね子)が実家の付近の家に猟銃の為に小鳥が来なくなった話を持ち込み、陽介は矢野藤吾(小笠原良知)・和子(岩本多代)夫妻に会って記事にした。
記事を見た趣味の猟銃会長・松村(浜田晃)が内容を確認に来て、記事の老人が矢野と知ると同窓生であり、話し合ってその地域は控えると言った。
数日後に四国遍路の札所の間で中道俊作(遠藤征慈)の死体が見つかり、鳴門東署の林主任刑事(前田吟)は心不全で持病持ちで往来切手を持っており事故か自然死とした。
陽介は東京の根岸記者(片桐竜次)に調査を依頼し、東京に行き中道が占有屋で競売の家に居座っており、筆跡も異なり不動産業者・上山(松澤一之)ともめていたと聞き、従業員(笹峰愛)から事件当日も、いまも出張中と聞き、中道が東京大空襲で母を亡くしたと聞いてやや同情気味になったと聞いた。
鳴門の大塚美術館で陽介と久美は、矢野夫妻に会い新聞記事で訪問者が多く、しばらく家を出てホテルにいると聞き、矢野は写真を撮った久美に7才の時に死んだ母と同じ年頃と言った。
陽介は林主任に中道の本籍は徳島と聞き、東京の話と矛盾を感じ、事件当日に中道と上山が同じ飛行機で来ていたと知った。
上山の死体が海で見つかり、小鳴門橋から落ちた様だった。
小田の持ち込んだ小学生の名簿で矢野夫妻と中道が同窓としるが詳しく憶えておらず、松村を訪ねると矢野は東京からの疎開で中道にいじめられ、東京に戻った時に東京大空襲で母を亡くしたと言い、矢野の家は静かであるとも言った。
<以下、隠し字>
陽介は矢野と会い確認したが無言で、林主任に矢野の車を調べてもらい中道の指紋と髪が見つかった。
矢野夫妻は陽介に手紙を残して失踪し、林主任は自然死から始まったと言った。

監督:吉川義一
脚本:岡本克巳
出演:水谷豊・森口瑤子・小笠原良知・岩本多代・片桐竜次・前田吟・松金よね子・遠藤征慈・松澤一之・浜田晃・笹峰愛
制作年:1999年

感想: 再度登場する、東京大空襲と疎開が背景にあります。
警察が事故死処理した事件を陽介が追うが、結果ははたして有ったのか?。

15話:2000年6月13日:能登輪島通信局

立花陽介(水谷豊)は久美(森口瑤子)と輪島の夕市で輪島西署の平田公平警部補(綿引勝彦)と会い通信局で夕食を取り、平田は集団就職の思い出を語った。
翌朝泊まった平田はテレビで七尾署管轄の能登島大橋で川辺良夫社長の死体が見つかったニュースに急いで妹・木村千代子(平淑恵)に会いに行き、妹と同級で35年会っていないと言った。
根岸(片桐竜次)から川辺が詐欺の疑いがあり、本籍が輪島なので行くと連絡があり、平田に伝えると千代子と陽介が家を訪ねるが留守だった。
根岸は七尾署に行くと言い、陽介と千代子も向い、川辺たき(三條美紀)が身元確認を行ったが、陽介は何故和倉か疑問で根岸は社長は架空会社で出資詐欺で7千万円を集めていたと言い、平田は川辺と千代子が15才で付き合いかけたが別れさせたと言った。
久美が死体写真に輪島名産を見つけたが、たきは川辺に会っていないと言った。
東京に行った陽介は、川辺が植版の仕事がなくなり、半年前にフリーターから仕事を始めたらしいと聞いたが、その会社は別の人がメインと聞いた。
小松空港に帰った陽介はレンタカーを調べ川辺が小松と死の翌朝に穴水まで借りていたと知り免許証の写真を持ち帰り、平田は七尾署から死体の顔写真を取り寄せると異なり、母たきは偽証を認め、電話があったが今の行方は知らないと言った。
根岸から主犯の藤村の写真が届き死者と同一だった。
<以下、隠し字>
翌朝、川辺に自殺と2千万円が見つかるが遺体は見つからなく、陽介と久美は母か千代子に会う可能性を考えたが、母は警察が張っていた。
千代子に川辺から電話があり、警察が移動したが偽で千代子を尾行していた久美の連絡で陽介は母・たきを尾行して川辺良夫(松山政路)と会い、母の説得で自首した。

監督:吉川義一
脚本:岡本克巳
出演:水谷豊・森口瑤子・綿引勝彦・平淑恵・三條美紀・松山政路・片桐竜次
制作年:2000年

感想: 悪人のいないとも言える話だ。
背景に、15才で集団就職する時代背景がある。

16話:2000年12月26日:別府国東通信局

立花陽介(水谷豊)は別府署の定年が近い向井警部補(竜雷太)の回顧談を記事にしようとしていたが、向井は終戦1月前の別府銃撃空襲が最大の思い出で人が死ぬ所を見た事はそれだけと言った。
毒物死体が見つかり、栗山誠次(藤田宗久)という東京の男で自殺をほのめかす様な英文メモがあり、警察の自殺と事故の発表に反して、陽介は遺書らしき英文メモのある自殺と報じた。
東京から根岸(片桐竜次)が来て栗山は警察が詐欺事件で内偵中と言い、同じ時に久美(森口瑤子)の母・由美(浅茅陽子)が遊びに来た。
栗山は顔に火傷のある風間孝男(河原崎次郎)と仏像販売の老人向け詐欺で警察が追っており風間の出身は大分だった。
向井は栗山は自殺で英文の筆跡鑑定は比較物がなく無理と言い同窓生リストを捨て去り、陽介と根岸は杵築市の同窓会幹事・加納孝義(斎藤晴彦)を訪れ風間と親しかった人物として水田秀子(高田敏江)と東山健(津嘉山正種)を上げ、東山が最近戻っていると言い、水田と会ったが高校後は会っていないと言った。
久美と由美は国東の寺巡り中に東山に会い通信局まで送って貰い、そこで陽介たちと出会い風間とは長く会っていないと言い、根岸は東京に戻った。
国東の川中不動で風間の他殺死体が見つかり、警察管轄と東京の風間の目撃が障害となった。
由美は東山と勝手に会って通信局で聞いた情報を話し、帰宅後に新聞の責任問題で久美に責められていた、水田から事件の夜に見た者がいると連絡があった。
向井は個人的に調査すると言い、陽介は東京に行き会社設立屋・桑本に会い何もしらず大手の重役から依頼されたと言ったがその会社は東山の所だった。
別府に戻った陽介は東山から電話を受け、由美を呼び出し東山と話した内容を聞きイギリスにいた事もあると知った。
東山と会った陽介は風間との関係を聞きながら英文字を入手して向井に鑑定を依頼した、加納と水田に栗山の時の事は噂で元が判らず、風間殺人の時は加納は東山の家でぐっすり寝ていたと聞いた。
<以下、隠し字>
筆跡が一致し、陽介は東山に会い、7才の大分空襲で東山が風間を助けなかった事で長年金をせびられ続けていた、そして・・・・。

監督:吉川義一
脚本:岡本克巳
出演:水谷豊・森口瑤子・竜雷太・浅茅陽子・津嘉山正種・斎藤晴彦・高田敏江・河原崎次郎・藤田宗久・片桐竜次
制作年:2000年

感想: 大分・別府空襲から始まる、子供たちの長年のしがらみと、定年まじかの刑事の思い出が重なります。
久美の母の気ままな行動が、負にも正にも微妙に影響を与えます。

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