横山秀夫・サスペンス

永遠の時効

丹羽奈保子(入来茉里)は2人組の男に監禁・性的暴行を受け山奥で放置されたと言うが、供述が曖昧で田中武次(中村俊介)が取り調べ、山梨県警捜査1課強行犯係は3班に分かれシノギを削り強烈なライバル意識があった。
1班は班長・朽木(田中哲司)が率い、主任・田中は腕利きの取調官だが闇を抱え、屋敷(相島一之)率いる特殊班に駆り出され奈保子の聴取を行い、母・文代(栗田よう子)が迎え、田中は「ストックホルム症候群」と推測し、刑事部長・尾関(伊武雅刀)と田畑(矢島健一)らに田中は、奈保子を医療機関に託すべきと言うが、楠見(光石研)は何かを見落としを指摘した。
白骨死体と乗用車が沼から発見され、奈保子が保護された場所と沼が近く、1班は所有者は10年前の12月に家族から捜索願が出ていたホステス・赤坂唯(田代さやか)だが不審があり、当時車両ナンバー自動読取システムを調べるよう促した新聞記者がいて、事件性を疑うが朽木は曖昧な発表を行った。
田中と森(鈴之助)は、唯が働いていたスナックママ・魚住(洞口依子)に会い、唯は魚住に近く店を辞めると言い、常連の東西新聞記者・阿東(鈴木一真)が唯失踪後に来なく、直後に別の女性・春海と結婚していて、翌日2人は阿東に任意同行を拒否され、田中は病院に母・田中秀子(岡本麗)を訪ねた。
動機と状況証拠が揃い阿東の犯行が強まるが物証が弱く、阿東取り調べのため朽木と田中は、東西新聞で総局長・安土(菅田俊)に取引を出し断られると強制捜査を指示し、安土に阿東の無期限休暇を求めた。
楠見が奈保子を取調べ沼から死体があがったと告げると奈保子は驚き、田中は母と父の喧嘩と父の非難で飛び降り死を思いだし、阿東のメモに3つの数字がありアリバイが微妙だが偽装と考え阿東を取り調べ始めた。
<以下、隠し字>
阿東は殺害以外は認め、田中は唯殺害を推察したが阿東は証拠はないと答え、田中は数字の記事が時効改正と聞き、取り調べを終えた唯と会うが反発された。
その前の時効改正の発表にも数字が見つかり田中は数字の意味を知り、阿東に1人で取調べを始め、時効の延長会見で計算をはじめ長いと感じ行動を起こし次の改正で永遠の時効になり証拠がないから落ちず永遠に苦しめと言った。
田中に唯が阿東に会わせろと来て会うと違うと言い、楠見は犯人は3人と言い逮捕に向かい、3人の仲間割れだったが田中が唯に同化して見落としたと言った。


監督:榎戸耕史
脚本:窪田信介
原作:横山秀夫「永遠の時効」
出演者:中村俊介・田中哲司・光石研・岡本麗・相島一之・鈴木一真・洞口依子・菅田俊・入来茉里・栗田よう子・田代さやか・鈴之助・川口力哉・伊武雅刀
制作年:2014年


感想: 人間の推理と憶測の限界を描く。
先入観は個人の経歴・感情等で変わる。
外見の病も同様だ。

横山秀夫サスペンス 陰の季節

平成13年3月1日、警務課調査官・二渡警視(仲村トオル)は上原警部(長谷川朝晴)と人事異動表を作り、警務部長で着任する県警ナンバー2のキャリア・赤間警視正(滝藤賢一)を迎え、警務部婦警担当・七尾友子警部(和久井映見)に今井警視が赤間はデータ魔で裏付けが必要と告げ、会うと警務課職員らにケチをつけた。
鑑識課・平野瑞穂巡査(山下リオ)が被害者(服部妙子)に聞きひったくり犯の似顔絵を描き犯人・遠藤が逮捕され、二渡は七尾から平野病欠と聞き今井から元刑事部長で建設業界団体に天下った尾坂部(伊武雅刀)が辞めないと説得を頼まれ調査を始め刑事部長・荒木田警視正(奥田瑛二)に会い2課で産廃協会と尾坂部を尋ね課長・三上(佐藤浩市)が同期と知った。
車上でモデルの扼殺死体が発見され刑事課長・前島(千葉哲也)らが捜査し連続殺人と考え捜査本部を呼び、1件目のインストラクター・深見美月との類似点を考え松岡警視(三浦友和)が早期解決を望み、二渡は前島から尾坂部が仕事を続けると聞き産廃協会で視察と聞き尾坂部が未解決事件を追うと感じ、署で七尾から平野巡査の無断欠勤を聞いた。
二渡と上原と今井は赤間から定年退職者の就職先で工藤警視(中西良次)を聞かれ、尾坂部の居座りを責められ、尾坂部邸で妻・かや子(根岸季衣)と結婚準備の娘と会い、尾坂部に無関係と言われ、前島と8年前のOL殺しでの尾坂部の失敗を複雑と聞き、上原と8年前の事件を調べ連続犯が同一と考え身内を疑い現在の事件も疑い、七尾から平野が失踪したと聞き3人目と考え前島に伝えた。
二渡は七尾と鑑識課長・森島(西沢仁太)にひったくり事件を聞き違和感を持ち、尾坂部の運転手・青木(浅見小四郎)から視察内容を聞くが口止めされ、上原から8年前の被害者の1人が尾坂部の娘・恵と聞き、前島が情報を尾坂部に流し、3人目の失踪者が出て、七尾は森島から事件と違うと言われ、二渡は尾坂部から8年前の事件で物証があると聞き、手配車が見つかるが逃走し黒川を捕らえ女性を救出し、二渡と七尾と森島は平野を見つけ七尾が話を聞き、二渡は前島から8年前は白髪で同一犯でないと聞き、二渡は尾坂部とかや子の会話を聞き工藤に猶予を頼み込んだ。
<以下、隠し字>
七尾は森島に偶然と証人の思いこみで犯人が逮捕されたが絵は似ず、森島が功を焦り会見設定後に平野に似顔絵の描き直しを命じたと告げると組織が黙認したと言われ、二渡は赤間に平野の休職と工藤の辞退を告げ平野の見直しを頼み、前島から物証の疑問を聞き青木を疑うと自宅で睡眠薬を飲み死体で見つかり、二渡は尾坂部から青木が現場を避け自分は引き際を間違ったと聞き、尾坂部は娘の結婚式後に幸せと聞き、二渡は人事で森島は左遷で上原は警視昇任で工藤は尾坂部の後任だった。


監督:榎戸耕史
脚本:窪田信介
原作:横山秀夫「陰の季節」「黒い線」(「陰の季節」所収)
出演者:仲村トオル・和久井映見・長谷川朝晴・山下リオ・千葉哲也・西沢仁太・浅見小四郎・根岸季衣・滝藤賢一・伊武雅刀・奥田瑛二・服部妙子・佐藤浩市・三浦友和・中西良次
制作年:2016年


感想: 警察の事件捜査は複数有るが、主体は警察内部の問題だ。
人事担当の主人公は、人事トラブルを調べると事件にも関わる。
警察署ドラマだ。

横山秀夫サスペンス 刑事の勲章

群馬県警警務課調査官警視・二渡真治(仲村トオル)は部下警部・上原勇三(長谷川朝晴)を警視昇進で高田署刑事官とし、婦警担当警部・七尾友子(和久井映見)が祝福したが県警警務部長警視正・赤間(滝藤賢一)が憎い人事と言い、上原は現場経験はなく高田署総務部巡査部長・大和田(北見敏之)に人事の愚痴をこぼし、上原が酔い送られた後でスナック店主・三條留美が襲われ現金を盗まれた。
翌日に刑事課長・野本(山中聡)らが現場を調べ、高田署刑事課で捜査会議が行われ県警刑事部長・荒木田(奥田瑛二)と署長・漆原が出席し、上原は女性と寝過ごし遅刻し来ると終了し、二渡と県警警務部課長・今井は荒木田から上原にクレームを付けられ、赤間に手帳の一括保管計画案を高田署で試験運用を告げ、上原は元刑事・湯上沢(石橋蓮司)から電話で殺人事件を聞かれ、野本からOB会が過激で湯上沢が世話人で同期・葉山(寺田農)とうるさいとOB会の世話を頼まれ、事件現場に行ったと脅され、二渡は自ら提案し試験運用の「警察手帳の一括保管」の状況確認で高田署で漆原から刑事に抵抗が多いと聞き、手帳は大和田と部下・神谷(細田善彦)が確認し保管庫で管理されていた。
夜にOB会主催の上原歓迎会に二渡が行くと、上原は湯上沢に邪険に扱われ葉山が上原に何か言った、数日後二渡は今井から高田署で保管警察手帳30冊が盗まれたと聞き監察課次席・新堂(矢島健一)が内部犯行の可能性を報告し、二渡は内部調査後の公表を述べ赤間は3日間で解決を新堂に命じ、二渡は新堂と高田署で内部調査し、大和田が鍵を保管し神谷からダブルチェックと聞き、状況は大和田だが動機がなかった。
上原は葉山から湯上沢が甥・健太郞を殺人事件で庇うと聞き、湯上沢を尾行し健太郞と会い言い合い、二渡は新堂と秋の叙勲で七尾にリストを頼み、刑事らは一括保管に反対し動機はあるが機会がなく、上原は健太郞を尾行し大和田が会い、上原は新堂に聴取され葉山に教えられたと言い、二渡は葉山に狙いは何か尋ね叙勲でないと聞いた。
二渡は新堂に上原が監察官時代に辞めさせた同期刑事が猪熊と聞き七尾に調査を頼み、大和田に自分の父を話し手帳の一括保管を考えたと言い、七尾から猪熊の借金と葉山の部下と聞き、部下思いの上司が葉山で上原が嵌められたと知り、上原は荒木田に健太郞を犯人と言うが捜査済みと言われ、二渡は上原に葉山に嵌められたと言うと本部参事官警視・松岡(三浦友和)に縁を切らないのが刑事と言われた。
<以下、隠し字>
二渡は上原から大和田と健太郞が会ったと聞き、七尾から息子が絵の具をこぼし水を撒いたと聞き動機を知り、新堂に大和田が手帳を無くし30冊無くした事にしたと動機を伝え、二渡は大和田に「匿名電話で29冊だけ返す」を伝え、上原は猪熊に呼び出され目撃した殺人犯を教えられ葉山に連絡したが今は憎んでいないと言われ犯人を逮捕し、七尾が高田署敷地を探し28冊を見つけ大和田と神谷がなく、神谷が自分が紛失と話し、二渡は湯上沢から手帳を返され健太郞が拾い隠したと聞いた。


監督:榎戸耕史
脚本:窪田信介
原作:横山秀夫「刑事の勲章」「動機」(「動機」所収)
出演者:仲村トオル・和久井映見・長谷川朝晴・北見敏之・矢島健一・細田善彦・山中聡・石橋蓮司・寺田農・滝藤賢一・奥田瑛二・三浦友和
制作年:2016年


感想: 古く懐かしい動機だが、舞台が変わると成立する。
警察での殺人事件と内部の紛失問題が併行して進む。
テーマは片方なのだが・・・。

横山秀夫サスペンス2「第三の時効」

15年前に田畑(橋爪功)は介護師・本間ゆき絵(余貴美子)から同級生・武内利晴(寺島進)に暴行され、そこに帰ったタクシードライバーの夫・本間(渡辺穣)が金属バットで殴りかかり逆に刺されたと供述を聞いた。
刑事部長・尾関(寺田農)が捜査第1課長・田畑と班長・楠見(段田安則)にまもなく時効を迎えると逮捕を命じ、一班の森隆弘(緒形直人)は田畑から2班への捜査参加を要請され、武内は1週間台湾にいて第2時効は1週後だが第1時効は明日で楠見らはゆき絵の家に待ち伏せ、森は事件資料を読みタケウチ電器店主・武内が同級生・ゆき絵をナイフで脅し犯し武内が夫と揉め刺し逃げていた、森は楠見から甲府地裁判事・木下(田村泰二郎)の調査を命じられ尾行し、森は居酒屋店員の恋人・進藤秋子(いしのようこ)とその息子・孝一(鈴木翔吾)に会い夫とのトラブルを聞き別れた。
森は木下を調べ、楠見から武内の娘の女子高生・本間ありさ(黒川芽以)担当を告げられ、ゆき絵の家に行くと宮嶋刑事(金山一彦)と鈴木リエ刑事(塩山美緒)が居て主任・植草刑事(大河内浩)に会い、森はありさに会い行動を監視しありさから質問され言い逃れ、第1時効直前に尾関が田畑に連絡の有無を問い、真夜中に第1時効が成立したが捜査は続行し班長・楠見は現場に来ず、森は宮嶋から楠見が公安時代にカルト集団に潜入し女(立石由衣)と知り合いばれて楠見は署に戻り女はリンチを受け自殺したと聞いた。
森と宮嶋は時効の新聞記事を見つけ植草に伝え、尾関と田畑は報道管制を考え、森は楠見のリークを考え、楠見から秋子の清算を求められ夫の活動と秋子に他の男がいて不動産屋がただで住まわすと言われたが拒否し、7日以降は下で働かないと言うと7日で済まない時を聞かれた。
ありさがゆき絵を問い詰め、森がありさに犯人逮捕を求められ、森は秋子の電話で引越を相談され、ゆき絵からありさに余計な事は言うなと頼まれゆき絵は犯人逮捕で真実が明になるのを望まないと考え、森はありさに時効と犯人が自分の父かと聞かれインターネットで調べたと言われ否定すると、首筋に同じ痣があると言われ否定した。
<以下、隠し字>
尾関が田畑と楠見に接触が第2時効後を聞くと楠見は捕らえると答え、真夜中に第2時効が成立し、植草らがゆき絵に謝ると楠見が捜査を続行し容疑者が起訴し裁判前に逮捕すると言い、武内が電話を掛け楠見が逆探知で見つけ逮捕したと言うとゆき絵が自分が殺し武内が庇って逃げたと自供し殺意を認めると、楠見は録音し第1時効前にゆき絵を起訴したと言い、3年前のリークはゆき絵だと判っていたと言った。
森は田畑から楠見の計画にはゆき絵に同情する森が必要だったと聞いた。


監督:榎戸耕史
脚本:久松真一
原作:横山秀夫
出演者:寺田農・橋爪功・唐渡亮・緒形直人・段田安則・金山一彦・大河内浩・塩山美緒・余貴美子・寺島進・黒川芽以・田村泰二郎・渡辺穣・鈴木翔吾・いしのようこ・立石由衣・吉田慎之介
制作年:2003年


感想:

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