「剣客商売1」

1:「父と子と」

寛永6年、老中・田沼意次(平幹二朗)は剣術を奨励し屋敷で剣術の試合を行い、そこで秋山小兵衛(藤田まこと)の武者修行帰りの息子・秋山大治郎(渡部篤郎)は7人抜きを行い注目された。
小兵衛は、小さな道場を大治郎に開き、自身は鐘淵に隠居し19才の下女・おはる(小林綾子)に手をつけて25才の大治郎には「母上」だった。
ある夜、不二楼の提灯を持った野村と名乗る侍が秋山大治郎を訪れ、50両である者の両腕の骨を折る依頼をしたが相手の名を言わないので断った。
小兵衛は大治郎から話を聞き「剣術も商売」と言うが、不二楼のおもと(梶芽衣子)を訪ね長次(木村元)から大垣四郎兵衛(鶴田忍)という永井和泉守(勝部演之)配下と判った。
和泉守の屋敷では息子と田沼家の娘との縁談の話がある事を用心棒・浅田虎次郎(遠藤憲一)が四谷の弥七(三浦浩一)に話した。
弥七は武蔵屋という店を女房・おみね(佐藤恵利)にまかし十手は道楽と言っていたが、田沼家の娘は剣術で自分に勝つ者を夫にすると言っていた。
小兵衛はおもとから、佐々木三冬(大路恵美)という隠し子で母方の親戚・和泉屋で育ち根岸に住み井関道場の四天王の一人と聞き、しばらく後をつけると三冬は網で襲われ小兵衛が助けた。
三冬は大治郎の道場に小兵衛を訪ね、大治郎は鐘淵に案内し帰りにつけていた浪人達を無外流みね討ち(骨や筋を切る)し、大垣は浪人達と縁を切った。
大治郎の立合で田沼屋敷で三冬は婿候補に勝ち、浅田虎次郎は小兵衛と大治郎にいどみ小兵衛と1対1の勝負で敗れた。
三冬はおはるに祝言を勧め、しばしば鐘淵を訪れた。
脚本:古田求
監督:富永卓二

2:「井関道場四天王」

秋山大治郎(渡部篤郎)は街で暴れ馬から子供を助けた事から渋谷寅二郎(梨本謙次郎)と知り合い飲み友となった。
佐々木三冬(大路恵美)が秋山小兵衛(藤田まこと)に井関道場のもめ事の相談に来て、小兵衛は道場の稽古を見て、不二楼で田沼意次(平幹二朗)と用人・生島治郎太夫(真田健一郎)に後藤九兵衛(須藤正裕)や小沢主計(鷲生功)より渋谷寅二郎を勧めるが酒に溺れる欠点があると知った。
おもと(梶芽衣子)から弥七(三浦浩一)に頭上から石を投げられ酔った渋谷が殺された連絡が入り、小兵衛は根岸へ三冬を訪ね井関道場の事は何も口出ししない事と言い、大治郎の道場で小兵衛が三冬に打ち任される練習をした。
おみね(佐藤恵利)と弥七の店に徳次郎(山内としお)が来て小沢一味の行く先を知らせ、弥七は盗み聞いた話を小兵衛と大治郎と三冬に告げ、小兵衛は他言無用とした。
小兵衛は井関道場の三冬を訪ね立合、敗れて門下になった。
田沼意次は井関道場の3人に剣術試合で後継を決めると言い親しくやりにくい時は門下でも良いと言い、三冬は門下を選んだ。
田沼意次立合の試合は、三冬門下の小兵衛が勝ち、道場主となった。
半月後に三冬は井関道場を解散し、大治郎は小沢一味を友・渋谷の仇として討った。
脚本:古田求
監督:蔵原惟膳

3:「まゆ墨の金ちゃん」

不二楼で内輪で秋山小兵衛(藤田まこと)とおはる(小林綾子)の婚儀が行われた。
牛堀九万之助(竜雷太)の道場で、化粧をした剣客・三浦金太郎(伊原剛志)から秋山大治郎(渡部篤郎)が村垣道場の上州侍・内山(片岡弘貴)から100両で斬る話を聞いて、狙われていると言った。
牛堀は小兵衛に伝えるが、剣客にはありがちな話で大治郎には伝えないと答えたが、周囲は小兵衛の様子が変と感じ、三浦は牛堀から大治郎に伝えないと聞いた。
小兵衛は弥七(三浦浩一)に調べさせて誰かに依頼されていると知り、自身で越後の溝口の名を聞き、佐々木三冬(大路恵美)から息子が田沼家での剣術試合での大治郎の7人抜きの1人と聞いた。
牛堀から再度斬り込みを聞いた小兵衛は大治郎には知らせず道場近くに忍び、内山と見届け人の三浦が来た。
大治郎が一太刀で内山を倒すと、三浦は剣客として大治郎に立ち合いを申し込み敗れて斬られた。
脚本:野上龍雄
監督:岡屋亮一

4:「御老中暗殺」

佐々木三冬(大路恵美)は飯田平助(渋谷天外)から掏摸が掏ったものを取り返すが中身が奇妙で秋山小兵衛(藤田まこと)に相談し、飯田は田沼家御膳番で毒薬と思えた。
小兵衛は三冬に田沼家内の警護を指示し、弥七(三浦浩一)に探りを頼んだ。
秋山大治郎(渡部篤郎)が連絡役で田沼家の三冬を訪れ、毒薬と確認された事と飯田には裏の人物がいると伝え、飯田は外出し弥七が尾行して一橋家外屋敷に入った。
小兵衛は全体を読み、大治郎から三冬に田沼意次(平幹二朗)を説得する事を頼み、三冬は涙ながらに説得した。
意次が内部の暗殺者の疑いで翌朝に中屋敷に移ると聞いた飯田は仲間に告げるが大勢で待ち伏せが決まり、当日に襲った。
駕篭には小兵衛が乗り、全員を切り捨てた。
意次は数日後に秋山親子に処置を告げ、三冬との親子の絆を喜んだ。
脚本:古田求
監督:三村春彦

5:「老虎」

森川道場に度々道場破りに来た山本源太郎(松田勝)は師範代・石掛亀之助(伊藤高)に勝ち、佐倉勝蔵(本田博太郎)の静止を振り切った道場主・森川平九郎(浜田晃)も敗れたが、その後山本源太郎の消息が絶えた。
山本孫介(北村和夫)が昔教えた秋山大治郎(渡部篤郎)を訪れて、息子・源太郎が江戸に腕試しに出たままの消息が無く探しに来たと相談し、息子のいた長明寺を訪ね、道場を足場にしようとするが弥七(三浦浩一)が誰かにつけられていると気づいた。
孫介は秋山小兵衛(藤田まこと)宅に行くが、武士に襲われその一人・青木数馬(竹本孝之)を捕らえた。
長明寺を仮名で訪ねた武士が佐倉と思うが、会わせて貰えなく、青木は聞いた話と違うので全て話し、森川と石掛の指示と言った。
小兵衛は田沼意次(平幹二朗)に事情を話し、田沼は佐倉を呼び出し森川を武芸試合に招いた。
武芸試合に山本孫介が出て森川を打ち負かし、佐倉は自害した。
脚本:井手雅人
監督:小野田嘉幹

6:「深川十万坪」

秋山小兵衛(藤田まこと)とおはる(小林綾子)と不二楼の長次(木村元)が深川へ行った帰りに、老婆・おせき(藤田弓子)が武士達から子供を助けるのを見て、長次が後をつけた。
小兵衛とおはるが、おみね(佐藤恵利)と弥七(三浦浩一)で話すと力持ちで一杯飲み屋・大島屋を開いていると判り、弥七からおせきに小兵衛をしばらく預かる事を頼んだ。
その夜に3人の武士が襲い一人を捕らえて番屋に送り、逃げた者を徳次郎(山内としお)がつけて松平家下屋敷を突き止めた。
佐々木三冬(大路恵美)が大島屋に来て、おせきは秋山大治郎(渡部篤郎)の道場で世話をし、捕らえた武士(本城丸裕)は自害した。
小兵衛は三冬から田沼意次(平幹二朗)に死体の引き取りと江戸城内立ち入り許可を頼み、城内の上屋敷に死体を運び、用があれば大島屋に来い言った。
おせきは悲しい過去にも前向きに生きており、不二楼に預け、大治郎も大島屋に来た。
松平家から小兵衛の深川十万坪へ呼び出しがあり、大治郎と三冬に手出しをせぬように言って出かけ、待ち伏せた武士の筋を皆斬った。
おせきは前向きに生きて、息子と同年代の大治郎の心配をした。
脚本:古田求
監督:井上昭

7:「箱根細工」

秋山小兵衛(藤田まこと)は大治郎(渡部篤郎)に箱根で病の養生中の横川彦五郎(山本學)への見舞い代参を頼み大治郎は出かけるが、街道で妖しげな浪人に出会った。
小兵衛は不二楼のおもと(梶芽衣子)から桔梗屋・おのぶ(服部妙子)を紹介されて行方不明の番頭の捜索を頼まれた。
箱根の田村屋に着いた大治郎は横川彦五郎に会い、しばらくの滞在を言われ、宿で浪人と再会した。
番頭が死体で見つかり、おのぶは小兵衛と弥七(三浦浩一)に娘が実子でなく実夫・房吉(佐藤仁哉)に脅され、桔梗屋主人(森下哲夫)と娘は隠れ、番頭が房吉と話に行った後に姿を消したと言った。
大治郎は知らず桔梗屋主人と娘に出会い、横川彦五郎と浪人が斬り合うのを止めたがかなり前から怨みを受けていると聞いた。
房吉はおのぶを襲い小兵衛・弥七の捕まるが番頭の傷から仕掛け人と知り、桔梗屋主人が箱根にいると聞き、旅に出た。
大治郎は夜にはなれを見張る浪人を見つけ、桔梗屋主人と娘が翌朝旅立ち浪人が先に発ったと知り、横川彦五郎と後を追った。
浪人は桔梗屋を襲い大治郎が斬り、小兵衛・弥七が駆けつけた。
横川彦五郎は浪人が昔捨てた実子・横川彦蔵(長森雅人)であり仕掛け人になっている知っていた。
その後直ぐに横川彦五郎は亡くなり、小兵衛達も江戸に戻った。
脚本:田村惠
監督:富永卓二

8:「嘘の皮」

秋山小兵衛(藤田まこと)は村松伊織(清水邦彦)と香具師元締・鎌屋辰蔵(石橋蓮司)の娘・お照(及森玲子)の逢い引きを見かけ、伊織は利助(徳井優)・宗次(天田益男)に襲われ小兵衛・弥七(三浦浩一)が助け、村松家の養子と知った。
小兵衛は香具師元締の世界を知らない伊織を大治郎(渡部篤郎)の道場に預け、鎌屋辰蔵はお照を親戚に預けたが利助と弥七はそれぞれの行く先を突き止めた。
小兵衛は村松家から伊織を預かり、大治郎を訪ねた佐々木三冬(大路恵美)が道場が包囲されていると告げ、鎌屋を追い払い伊織はお照と夫婦になり家を出ると言った。
小兵衛・弥七がお照を訪れ、身分が違うので時間がかかると言うがそれでも待つと聞いた。
鎌屋辰蔵は村松家に夫婦となる事を掛け合うが認めて貰えず、小兵衛と大治郎から伊織なると言った事を伝え、認めさせた。
小兵衛はお照を田沼家用人宅に預け、行く行くは村松家に嫁入りさせると言った。
脚本:下飯坂菊馬
監督:小野田嘉幹

9:「天魔」

秋山小兵衛(藤田まこと)が昼寝をしていると笹目千代太郎(片桐光洋)が来た、そして修行から帰り小兵衛と勝負す事と道場破りが目的と言って去り、小兵衛は方々の道場に注意書きを送った。
佐々木三冬(大路恵美)は金子道場に通い大治郎(渡部篤郎)も稽古に来ており小兵衛も様子を見に来たが、道場主が寝込んでおり、牛堀九万之助(竜雷太)が不在の時にその道場を荒らし、小兵衛は子供の様に勝つのがうれしい魔物で関わらない注意をした。
小兵衛は不二楼に泊まり込み、20年前に笹目庄平(島田順司)という門弟の息子に剣術を教える様に言ったが、その4-5年後に庄平は千代太郎が魔物と言って死に、8年前に立ち合ったが殺さなかった事を悔やんだ。
手下の大猿(長江英和)が金子道場の様子を見、帰宅の三冬を襲い大治郎が助け、軽業師と思った。
千代太郎は小兵衛が不在の家を荒らし、小兵衛と大治郎は弥七(三浦浩一)と徳次郎(山内としお)が見つけた小屋へ行き、小兵衛は千代太郎と立ち合い殺した。
脚本:野上龍雄
監督:枡田昭広

10(E):「兎と熊」

医師・村岡道歩(頭師孝雄)の娘・房野(朝岡実嶺)が大月弥惣次(立川三貴)に攫われた。
秋山小兵衛(藤田まこと)は根岸の佐々木三冬(大路恵美)の家に呼ばれ、生島治郎太夫(真田健一郎)と三冬の紹介で村岡道歩から相談を受けた。
道歩は三好屋の大月に呼び出され、大名屋敷に目隠しで連れてゆかれ娘の命の変わりに毒薬を作る要求をされ10日の猶予をで決めなければならなかった。
弟子の内田久太郎(中野英雄)が小兵衛を訪ね、花房家に仕官が叶い大月が曽我権左衛門(佐川満男)に口添えしてくれたと語った。
内田は屋敷に戻り、房野の首つりを止めてしばらくと慰めた。
弥七(三浦浩一)と徳次郎(山内としお)は花房屋敷を突き止め、生島は花房家で跡目相続の争いがあると言い、道歩は合図をし、曽我は道歩・房野・内田を殺すと言った。
道歩が屋敷で曽我と交渉し、小兵衛・大治郎(渡部篤郎)・三冬が斬り込み一味を倒すが房野が内田をかばい、房野の命乞いで内田は3年間の江戸払いとなった。
3年後、兎の様な房野と熊の様な内田は結ばれた。
脚本:古田求
監督:酒井信之

このページの先頭へ