「おそろし」

キャスト

おちか(波瑠)
三島屋伊兵衛(佐野史郎)
お民(かとうかず子)
おしま(宮崎美子)
灯庵(麿赤兒)

松太郎(満島真之介)
松田屋藤兵衛(豊原功補)
おたか(小島聖)
お福(佐藤江梨子)
謎の男(村上淳)

スタッフ

原作:宮部みゆき

第1夜:曼珠沙華:2014年8月30日:58m

江戸時代神田三島町の三島屋は大きくなり、黒白の間で三島屋伊兵衛(佐野史郎)は碁に灯庵(麿赤兒)と親しむと、内儀・お民(かとうかず子)が17歳の姪・おちか(波瑠)が来て、女中頭のおしま(宮崎美子)や番頭・八十吉(阿南健治)や女中らが迎えた。
おちかは、事件のあった実家の川崎宿から叔父・伊兵衛の江戸の三島屋に居候になり、おしまの案内で庭で曼珠沙華を見つけ、おしまの指導で女中として暮らしはじめ、おちかはは職人になりたいと言った。
堀越家から使いが来て伊兵衛が出かけ、おちかは予定客の相手を頼まれおしまらは身内だからと言い着替え、三島屋に来た客材木問屋松田屋・藤兵衛(豊原功補)の相手をしたが曼珠沙華を嫌がり、曼珠沙華の謂われを聞き美しいというおちかを特殊な存在と言い、幼児は藤吉で兄・吉蔵(近江陽一郎)と暮らし親方・初五郎(鈴木一功)に世話になり、その娘・お今(小橋めぐみ)に惚れたが叶わず、兄は気が荒く自分を忘れる事があり大工・仁助(水野直)と言い合いになり撃ち殺した。
聞いたおちかは似た事があり里を離れ他にもあり人の心が判らなくなったと言い、藤兵衛は続け、兄は遠島になり藤吉が松田屋に働きに出て手代になったが15年後に兄が戻ると聞くが内緒にしていて、兄を江戸に戻さぬ様に祈り、戻っても会わなかった。
藤吉を出戻っていたお今が兄に会って欲しいと来て親方が事情を話したと告げ、藤吉は兄が自分しか考えない事が許せなく怒り呪ると、お今から兄が首を吊り死んだと聞き親方から曼珠沙華の間から人の顔が見えると兄が言ったと聞き、藤兵衛は曼珠沙華の間から兄が見ていたのは自分だと言った。
おちかは伊兵衛とお民に話し、伊兵衛は松田屋が話して気が晴れたと聞き、おちかは見た顔は松田屋本人と思い、伊兵衛はおちかに松田屋が安らかに死んだと言い、気持をはき出させたおちかの手柄と言い、伊兵衛は灯庵に百物語を提案した。


脚本:金子修介・江良至
監督:金子修介

第2夜:凶宅:2014年9月6日:54m

三島屋・伊兵衛(佐野史郎)は百物語を灯庵(麿赤兒)に頼み、番頭・八十吉(阿南健治)が訳を聞き、女中頭・おしま(宮崎美子)らが聞いた。
伊兵衛はおちか(波瑠)に百物語の聞き係を指示し、自分が集めると言うと金目当てかも知れないというとそれも見分けると言った。
おたか(小島聖)が来て、おちかにお化け屋敷で6才の頃に父・辰二郎(半海一晃)は流しの錠前屋で小袖を見つけ屋敷に行き、蔵から番頭と女中が現れ錠前の鍵作りを頼まれ預かり、家族に見せるなと言われ、清六親方(螢雪次朗)に行き相談し、2日後に行くと清六親方が錠前に噛まれたと言い、孫が触り寝込み錠前は生き物と言い燃やした、客に報告すると屋敷に1年住み錠前を作れと言われ礼は100両と言われた。
おたかは100両に驚くおちかが最近来たと言い、家族で住む事で夫婦で揉めて、清六親方に相談すると子供を残せと言うが番頭は全員と言い、父は母を押し切り引越した。
おちかは錠前でなく屋敷が話しの中心と思い、おたかはその通りで屋敷に引っ越し父が錠前を作り始め、子らは遊び屋敷は生き物と思い、1年が近づくと名残惜しくなり、番頭は良いというので住み続けたと言った。
おちかはお化け屋敷ではないと言うと、おたかはおちかに辛い昔があると言い身の上を知っていると言い、おちかをその屋敷へと誘った、そこへおたかの身元引受人越後屋・清太郎(川口覚)が来ておたかは病人と言い、清太郎は引越後に戻ったのはおたかだけと言い連れ帰った。
清太郎は後日におちかと伊兵衛を屋敷の跡地へ連れて行き、清六親方が様子を見に行こうとすると病で行けず、辰二郎が時々来ては楽しいと言うが、岡っ引きに調べて貰うと座敷牢があり番頭が誰か判らず、辰二郎が来なくなり清六が行くと鍵が沢山あり、おたかだけがいて番が来ないと言い、清六は屋敷が人を飲むと言った。
清六が出かけ屋敷が燃え清六の死骸と土蔵から沢山の骨が見つかり、おたかは100両が届いてから話す様になり、おちかはおたかの目に誘う別の者を見たと言った。


脚本:金子修介
監督:金子修介

第3夜:邪恋:2014年9月13日:58m

おちか(波瑠)は夢を見て、一緒に寝ていた女中頭・おしま(宮崎美子)にどのような夢を見ていたか聞かれた。
三島屋・伊兵衛(佐野史郎)が灯庵(麿赤兒)に頼み始めた百物語は聞き手のおちかには厳しく、灯庵が訪ねると番頭・八十吉(阿南健治)が招き、内儀・お民(かとうかず子)が伊兵衛におちかの具合が悪いと伝え、休みにおちかの供を言われたおしまは、皆がおちかを心配していると言うと、おちかは自らの過去を語ることにした。
川崎の旅籠・丸千に生まれたおちかは父母と兄・喜一(石垣琢磨)がいたが、おちかに先に縁談が決まり幼馴染みの良助(松田悟志)で、拾われ子の松太郎(満島真之介)がおちかと兄妹のように育つが、良助が松太郎をいじめ喜一とも仲が悪くなった。
喜一が放蕩した頃は松太郎が旅籠を切り盛りし、おちかも好きだったが、良助は遊び人になり縁談には父も兄も反対したが、実は家族は松太郎を心では都合良く使っていただけで奉公人の様に働き家族と言われていた。
父も兄も松太郎を給金の入らない奉公人扱いで、おちかもそのように言われ思っていたが再度立ち直った良助との縁談が起き、松太郎がおちかと良助に挨拶すると良助が松太郎を悪く言い殴り、おちかを見て同じ考えかと言い、松太郎が良助を殺し自殺した。
おちかは松太郎にとって殺される価値もないと思い続けた。
おしまと八十吉は悪い思い出は持って前を向くしかなく、伊兵衛は新しい客を呼ぶと言った。


脚本:金子修介・江良至
監督:金子修介

第4夜:魔鏡:2014年9月20日:58m

三島屋・伊兵衛(佐野史郎)が灯庵(麿赤兒)に頼み始めた百物語は内儀・お民(かとうかず子)もおちか(波瑠)に気に掛け、おちかの境遇に同情した女中頭・おしま(宮崎美子)は次の語り部にかつて自分が奉公していた店のお福(佐藤江梨子)を呼び、お福は自分の姉兄におきた、鏡にまつわる因縁話を始めた。
お福が10才の時に美しい姉・お彩(中村ゆり)が療養先から帰り父・石倉屋鉄五郎(中本賢)と母・おかね(筒井真理子)に会い、兄・市太郎(井出卓也)は浅草に誘い、お彩は職人頭・宗助(久保耐吉)と仕立てを始め武家向けの仕立て物を見た。
お彩に縁談が有るが市太郎は婿を取って兄姉2組で店を盛り上げると言い、市太郎が我を忘れてお彩を思う様になり、お彩が長く離れていた為に起きた事だが、宗助が両親に知らせたが鉄五郎は怒り宗助を殺めた。
お彩は両親に本当だと打ち明け、両親は驚き市太郎は認め両親は市太郎を奉公に出す事にして、お彩は詫びを書き残し首を吊って死に、両親はお彩の持ち物を焼いたが市太郎からお福は鏡を貰い、後に帰った市太郎はお吉(梅舟惟水)と結婚した。
市太郎がお福から鏡を取り返しお吉に渡し母に偽りを言い、宗助とお彩の幽霊が現れ鏡にお吉が閉じ込められ、母はお彩を撃ち殺したが死んだのはお吉で店は閉じられ、市太郎は首を吊り母は獄死し、石倉屋は滅び父もまもなく死んだ。
お福は黙りこむ娘だがおしまが普通に扱い今は普通に育ち、おちかの心の闇も忘れるべきと言うが、おちかは完全には心は晴れなかった。


脚本:金子修介
監督:榎戸崇泰

第5夜(e):家鳴り:2014年9月27日:58m

兄・喜一(石垣琢磨)が三島屋・伊兵衛(佐野史郎)とお民(かとうかず子)と女中頭・おしま(宮崎美子)とおちか(波瑠)を訪ね、越後屋の騒ぎと実家の旅籠の異変を話し、実家に松太郎(満島真之介)の幽霊が出て去り、おちかへ行ったと心配して訪ねた。
おちかは今は正体を知ろうとしていると言い、喜一や伊兵衛らと越後屋を訪ねりと、清太郎(川口覚)はおたか(小島聖)の様子がおかしくおちかと松太郎の名を呼ぶと言い、おちかを越後屋の座敷牢のおたかと会わせると、おたかの瞳に人影を見たおちかはひとりで別世界へと飛んだ。
おちかが庭で気づくと6才のおたかがいて、何故1人で来なかったと言い去ると、松田屋・藤兵衛(豊原功補)が来て別世界だからついて来れたと言い、お彩(中村ゆり)と市太郎(井出卓也)が来ておちかの魂の一部になり解き放たれ、宗助(久保耐吉)も来ているだろうとと言った。
おちかは宗助とお吉(梅舟惟水)と辰二郎(半海一晃)一家を逃れさせ、屋敷を打ち負かすと言うと松田屋は屋敷の主人の話を聞けば良いと言い、入ったおちかは松太郎の中のものに話し、謝りたかったと言うと松太郎は飛び去り6才のおたかは外へ出た。
おちかは逃げないと言い、つづらを開けると空だが松太郎に入るなと止められ、時を越えても忘れないと話し掛け、2人で外へ出ると6才のおたかを連れる様に頼まれ、他は姿を消した。
謎の商人が現れ2つの世界の道筋の案内と言いこれからも続くと告げ消え、おちかは6才のおたかと元の世界の越後屋に戻ると、6才のおたかは現在に戻り正気になりおちかに助けられたと言った。
その後、三島屋で越後屋と鼻緒を商い評判になり、越後屋の跡取りとおちかの縁談が噂になり、おちかとおたかの仲の良さも噂になり、おちかは百物語を聞き続けていた。


脚本:金子修介・江良至
監督:金子修介

感想:

感想: 本格的な怪談で、表面の恐ろしさでがなく、人の欲望のとその記憶の恐ろしさを描く。 誰しもあるが、他人に告白する事で救われる。 聞く方はもっと苦しいが、それが自身の心の闇に勝つ事にも繋がる。 別々の話しが、最後に重なる。

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