武士の魂 山本周五郎時代劇

第一話「大将首」:2017/04/04:46m

浪人・池藤六郎兵衛(石黒賢)は仕官先を求めて足軽組頭・植村弥兵衛(螢雪次朗)を訪ねるが紹介は足軽だけだった、六郎兵衛は金欲しさに襲った浪人・佐藤主計(大迫一平)を家に夕食に連れて境遇を語ったが、食事を用意した妻・文江(笛木優子)の姿を見て驚いた、文江は自らの髪を切りお金を得ていた。
翌朝に佐藤は旅立ち、六郎兵衛は数日後に仕官と文江に嘘をつき、弥兵衛の屋敷で足軽として足軽・浦部善七(芦川誠)と足軽・鷺山伝造(仁科貴)らと働き始めた、伝造が六郎兵衛を尾行して住まいを知り、翌日に噂すると六郎兵衛は伝造に無関係だと言い、妻を愚弄した伝造に訳を話した。
六郎兵衛は足軽らと打ち解け話した、文江は雨笠を返しに弥兵衛の屋敷に行き足軽姿の六郎兵衛に会い真実を知るが仲間に慕われると言った、六郎兵衛は剣術に拘り過ぎたと感じ、もっと大事な事があったと思い出した。
六郎兵衛は足軽らと山林に竹を切り出しに行き、剣術指南役・大横田主膳(岡雅史)と武士・大横田采女(和田重)と武士・大横田道之助(伊原農)に出会い、鷺山が無礼討ちにあい、六郎兵衛は無礼だと揉めて立ち合い小太刀で3人を斬った。
六郎兵衛は文江に藩士を斬ったと告げて死罪を覚悟し、文江は同じ思いだと言い、弥兵衛が来て藩主が呼ぶと告げ3人は無礼で追っ手が掛かると言い佐藤が大横田の悪事を知り訴えたと言い、足軽らも出世を望んだ。


原作:山本周五郎「大将首」(新潮文庫刊『人情武士道』所収)
脚本:大前智里
監督:皆元洋之助

第二話「晩秋」:2017/04/18

岡崎藩は財政窮迫で藩政改革が行われ、反対した勘定奉行・浜野新兵衛(田中宏昌)は城中で藩主用人・進藤主計(田村亮)を刺そうとして切腹を命じられた、新兵衛の妻・浜野比沙(森田亜紀)が訴えるが新兵衛は死んだ。
十年後、新兵衛の娘・浜野都留(趣里)は義父・中村惣兵衛(有福正志)の養女となり、家老・水野外記(長谷川公彦)の親族の世話係になるが、外記から世話は親族ではなく私曲の疑いで裁きを待つ人物で他言無用だと言われた。
都留は外記の別荘に住み込み、その人物の元御用人・主計と会い父の仇と知った、主計は贅沢品を食べず、都留に囲碁を教え毎日楽しむと言い、都留は夜に仇討を狙うと目付・鈴木主馬(内田章文)と外記が主計から指図されるのを聞いた。
都留は囲碁が上達し、ある夜に綻びを繕う主計を都留が手伝い、都留は仇討ちの機会が来たが躊躇すると主計が刺せ無いかと言われ、頭巾侍(斉藤由奨)(池野武範)が襲うと、都留は主計と逃げて小屋に匿い、主計は狙う都留に会いたい女が居ると言った。
翌朝に主計は都留と女を探し、倒れて都留に看病され「母から聞いた主計と違う」と言われた、飯屋の仲居・おしま(岩橋道子)を探し主計は都留に娘だと言うが声を掛けず、おしまから母の得意な料理だと言われた、主計は都留に足軽時代に恋人を捨てて出世を選びしまの母の死後に、年貢取り立て方を変えたと言った。
外記が都留と主計を連れ戻し、都留に「よく耐えた」と言い、主計は主馬に徹底して斬罪を求め過酷な政事が必要な時期だったが今は変わったと始めから覚悟していたと言い、都留が約束が違うと言うと主計は自分が仕組み新兵衛の娘に会い討たれたいと思ったと言った。
主計の沙汰が決まり、都留は主計と囲碁をして心の荷が下りたと言われ肩を揉んだ。


原作:山本周五郎「晩秋」(新潮文庫刊『町奉行日記』所収)
脚本:横田理恵
監督:永江二朗

第三話「菊月夜」:2017/05/09

佐垣信三郎(田中幸太朗)は許婚・松谷小房(福田沙紀)に怒られ、小房の父・松谷権太夫(新井康弘)に江戸行きの挨拶をした、家老・高力忠左衛門(西岡德馬)は藩主が幼少で藩を意のままにし財源を私腹にし、同士らが高力に葬られて松谷は殿中で高力に刀を抜くが腹心らに討たれ、小房ら家族は、追放された。
4年後に信三郎は江戸で法制を学び地元へ戻り、信三郎は大目付役・疋田兵庫助(永倉大輔)から疋田家へ婿養子を持ちかけられた、高力の横暴に藩の先行きを案じた疋田は信三郎に才覚を見出していた、1月後に信三郎は疋田家の娘・絢子(青山美郷)と祝言を挙げたが小房を慕う絢子は信三郎の小房への思いを知り信三郎に本懐を遂げよと語った。
疋田と信三郎は初登城して奉行所用人・安倍孫太夫(ゆかわたかし)と会い、高力と面会して首筋ですずめ蜂を仕留め、「学者馬鹿」を演じ高力が関わる書類を調べた、証人を探すが見つからず、牢舎の中で女囚を見つけ口ずぶ歌が気になった、夜に再度会うと小房で松谷が書いた斬奸状のありばを聞き「小房が高力を狙いしくじり狂気を装う」と知った。信三郎は斬奸状を見つけ疋田と絢子に知らせ、絢子は別れを告げ悲しんだ、信三郎は高力に会い問いただし後日高力は切腹となった、信三郎は屋敷に戻った小房が手紙を残し消えた「信三郎と絢子の縁が望ましく姿を消す」と有った、信三郎は絢子に気持を徒とせず夫婦になろうと言った。


原作:山本周五郎「菊月夜」(新潮文庫刊『菊月夜』所収)
脚本:大前智里
監督:新村良二

第四話「山だち問答」:2017/05/16

大垣藩士・馬廻・郡玄一郎(的場浩司)は乳母・かね(山村美智)に送られて下男・弥九郎(山本栄治)を連れて槍奉行・佐田権太夫(並樹史朗)の娘との婚礼が近い中で藩主の命で彦根城下へ向かい、町で老職・戸田内記の娘の頭巾を被った戸田小雪(柳生みゆ)と侍女が雨宿りに出会い、困る2人に玄一郎は自分と弥九郎の菅笠を差し出した。
夜に伊吹山で山だち(山賊)の長・赤松六郎左衛門(永澤俊矢)から金品と身ぐるみを求められ、玄一郎は大義名分を聞き「衣服は密命を果たした後」と約束して金を渡し彦根城下へと向かった、玄一郎は彦根藩士から大垣藩の財政改善を求められた。
玄一郎は帰途に伊吹山で約束通り六郎左衛門に衣服を渡して下帯姿で藩に戻った、藩では臆病者だと批判され、佐田から縁組を破談された、ある日に玄一郎に小雪の侍女・なつが菅笠を返しに来て、戸田家に暇を出されたと言うなつを雇い入れた。
なつは玄一郎を悪く言う弥九郎に怒り、数日後に玄一郎は弥九郎が家を出てなつが怒った理由を知り、玄一郎は上申書を書くが認められず藩士・矢内又作(桂憲一)に役目辞退と言われ考えたが、なつから戒められ考え直した。
玄一郎はなつが本当は小雪だと気づき訳を尋ねると、小雪は「母は小唄師匠だが早く死に、母と似ていると批判されて頭巾で顔を隠し、玄一郎に出会い気持が変わったが玄一郎の悪評と佐田の話しを聞き支える為に侍女で近づいた」と言った。
玄一郎は野武士らが城下へ踏み込んだと聞き、六郎左衛門らに挑むと「家来になりたく探していた」と頼まれた、玄一郎は佐田から藩主からの取り立てると聞き小雪を妻にすると答えた。


原作:山本周五郎「山だち問答」(新潮文庫刊『やぶからし』所収)
脚本:李正姫
監督:皆元洋之助

第五話「山茶花帖」:2017年6月6日

天保2年11月、料亭「桃井」の女将・とく(秋本奈緒美)は宴席の芸者不足で奉公人の下働き・八重(山下リオ)を芸者に仕立てた、藩士・結城新一郎(竹財輝之助)は叔父・桑島儀兵衛(相島一之)から勘定奉行・井村宗千賀(古川悦史)の宴席に誘われた。
宴席で井村と部下・田口丈之助(奥村秀人)らが盛り上がるが、新一郎は箸もつけず井村は「百姓らの困窮を非難する」と激怒した、八重は言いつくろい井村の前で「勧進帳」を語り、新一郎が義経を演じて場が収まった。
翌日に新一郎が訪れて八重に礼を言い、八重は飢饉で父を亡くしそこで見た山茶花の思い出と形見の「勧進帳」を話し新一郎は藩改革の志しを告げた、新一郎は帳簿に井村の不正を見つけ儀兵衛に告げたが待てと言われ、なおも調べると刺客に襲われた。
新一郎は八重に逃げて治療を受け「しばらく会えない」と告げ二人は結ばれた、天保3年4月に新一郎は不正勧進帳を見つけて儀兵衛に見せるが時を待てと言われ預けた、八重は新一郎の子を身籠るが新一郎から直訴の覚悟を聞いた、新一郎は井村らから改革を咎められ田口と立ち合うと儀兵衛が仲裁し勧進帳を渡し新一郎は謝罪した。
八重は儀兵衛から新一郎が改革で争う為に身を引いて欲しいと言われ里に向かい、子が流れて庄屋の主人・宗石繁次郎(清水宏)と妻・宗石さえ(榎本由希)に助けられ、夏に飢饉が起こり八重は一揆を起こす百姓らを山茶花の咲く頃まで待って欲しいと説得した。
天保3年10月に藩主に新一郎と儀兵衛が不正勧進帳の写しを見せて改革を訴え、井村は切腹になり、年貢の見直しが行われた、新一郎は儀兵衛から百姓一揆を収めさせた女だと八重と暮らせと言われた。


原作:山本周五郎「山茶花帖」(新潮文庫刊『雨の山吹』所収)
脚本:高橋美幸
監督:永江二朗

第六話「五十三右衛門」:2017年6月13日

浪人・五十三右衛門(窪塚俊介)は夜に中老・新山信十郎(山中アラタ)に夜盗まがいに襲うが失敗して信十郎に理由をはなした「江戸で留守居役だったが国を追われ、母・豊枝(三谷侑未)が死の床につき衣服を借りて「仕官が叶う」と嘘をつきたい」と言った。
翌日に三右衛門は仲間・善七(お宮の松)と内職を話すと、信十郎の家臣・加賀部豪介から衣服と刀と金子30両が届けた、豊枝は身なりを整えた三右衛門を見て嘘に気づかずに翌日に息を引き取った。
数日後に三右衛門は善七に事情を話して藩も御役も厳しいと聞いた、御礼に信十郎を訪れると、家老・曾我忠左衛門(清水紘治)の暗殺を持ちかけられ「忠左衛門は己の利益のために権力を使い民を苦しめる」と聞き、三右衛門は恩人の信十郎の為に忠左衛門暗殺を引き受けた。
信十郎は上司・松原に忠左衛門暗殺計画を告げ誘い出しを相談した、三右衛門は刀を請け出し善七に長屋の衆のために餞別を渡した、三右衛門は忠左衛門に江戸の使いと言い会うと藩の飢饉対策と「領民を苦しめる役人がいる」と聞き、悪臣の噂の真偽を問うと「松原と新山らが森を開拓し材木を売りさばき着服する」と聞いた。
忠左衛門は「藩は世継ぎ問題で対立し」「松原と新山らが忠左衛門を討ち藩政を狙う」「家の大事に他人の手は借りない」と言い、三右衛門は信十郎に戻り借りたものを返し忠左衛門を斬り立ち去ると告げ、信十郎の刺客らが襲い、三右衛門は忠左衛門から30両借りて信十郎の本心を確かめた。
三右衛門は信十郎から忠左衛門は民に甘いと聞き自身の落ち度と詫び、大目付・荒木が来て信十郎一味を捕らえ、三右衛門は忠左衛門から恩義に拘り過ぎると言われ国に帰ると言うと借りを返しに戻ってこいと言われた。


原作:山本周五郎「五十三右衛門」(新潮文庫刊『ならぬ堪忍』所収)
脚本:大前智里
監督:永江二朗

第七話「風車」:2017年7月04日

江戸で火災があり、旗本・梶原家次男・梶原金之助は焼け出された少女を風車で慰め、金之助の母・梶原千代(桜まゆみ)が見て居た。
17年後に浪人・梶原金之助(笠原秀幸)は1刻前に旗本の叔父・藤田三右衛門(鶴田忍)から「父・梶原元春(奥瀬繁)に勘当されて3年遊び過ぎた」と諭された、居酒屋で酔った金之助は酒代を払えず居酒屋の主人・源蔵(真山章志)に追い出され、武士に狼藉を働くと、女に投げられ。
金之助はその女・おつゆ(秋元才加)に家に運ばれ叔父がよこした奉公人と思った、酒を飲み帰るとおつゆに柱に縛り付けられた、金之助は酒を望むがおつゆは飲ませずにそのまま世話をした、やがて金之助は生きようとする気持を取り戻し剣に生きるのが嫌になったとおつゆに3年前に「父が災害から民を助ける母を嫌い暴力を働き」「父を斬ろうとして母に止めされ、母が自害した」と話した。
金之助はおつゆに畑仕事を言われ、源蔵からおつゆから酒を止められていると聞き、畑仕事を始めた、夜に金之助は隣の大名の別邸に賊らが入るのを見つけて刀を持ち駆けつけ松姫を助けた。
金之助は三右衛門に呼び出され、仕官を前提の松姫の警護をたのまれた、おつゆは母から助けた6つの少女で恩返しのために三右衛門の奉公人になり、金之助の世話をしたと聞き、戻るとおつゆは旅立っていた。


原作:山本周五郎「風車」(新潮文庫刊『人情武士道』所収)
脚本:李正姫
監督:皆元洋之助

第八話「茶摘は八十八夜から始まる」:2017年7月11日

本田政利は曽祖父に名将・本田平八郎忠勝を持つ、本田政利(団時朗)は相続問題で身内を暗殺し、幕府に領地を没収され藩は取潰され、岡崎藩預かりの幽閉となった。
岡崎藩老職・水野五郎左衛門(三浦浩一)から世話役・長尾平三郎(八神蓮)は政利の世話を任され、政利は暴君ぶりを発揮すると平三郎から「改心しないと切腹」の下知を将軍から受けると告げられ、平三郎は政利の侍女・萩尾(森口彩乃)から本当は小春だが政利が呼ぶ名だと聞いた。
政利は切腹を回避する策と平三郎に説得されボロ着に着替え城下で屑拾いを始めた、政利は茶摘み歌を聞き、少女と出会い仕事すると知り手伝い、萩尾から名の由来を聞かれた、政利は足を挫き少女に助けられた。
後日に政利は少女を探し、心中した家族を語る百姓を咎めると平三郎に荒立てるなと止められ皆が貧しいと言われた、政利は少女一家は藩が取潰れて屑拾いをすると聞きた。
平三郎は政利に改心の兆しがあると水野に切腹の赦免を願い出るが断られ、政利は平三郎が殺害を命じられていると知り怒るが「藩は取潰した」「易きに流された」と責められ、平三郎は郡山藩で使えた萩尾は母で死の前に父が政利と聞いたが、政利が萩尾と呼ぶので使えたと言った。
平三郎と政利は街で少女の死体を見て、政利は自身の行状が殺したと悔やみ二度と誤らないと言った、政利は小春にお役御免を伝え、平三郎に切腹して首を残すと言った。


原作:山本周五郎「茶摘は八十八夜から始まる」(新潮文庫刊『一人ならじ』所収)
脚本:三國月々子
監督:森岡利行

第九話「野分」:2017年8月8日

武士・楢岡又三郎(落合モトキ)は出羽の国・新庄藩家老・楢岡兵庫に育てられたが、実の父は藩主・能登守戸沢正陟(寺田農)だった、正陟の嫡子が流行病で次々と死去した事で跡目候補に浮上し、用人・作間丈右衛門(古旗宏冶)から独りで外出も止められた。
又三郎は義母・千代(成嶋瞳子)に厄介払いと話し、数日後に家臣・脇屋五郎兵衛(山上賢治)の助けで外出して、又三郎は料理茶屋で配膳係・お紋(逢沢りな)と出会い「真っ直ぐに生きる人が好きだ」と言われた、お紋に惹かれた又三郎はお紋と祖父・藤七(下條アトム)が暮らす長屋へ通い始めた。
又三郎は藤七に身分を明かしてその暮らしを恨ましがり、次に来て又三郎はお紋と藤七の暮らしに憧れ贅沢な望みと言われ、又三郎は料理茶屋と長屋へ通った、お紋と藤七は又三郎が屋敷を出た時はお紋と一緒になる事を話した、又三郎は反対派の家臣に襲われた。
又三郎は実父・正陟と会い、正直な気持を伝えると正陟から武家の役割や己の運命を諭された、又三郎は藤七に全てを打ち明けて戸沢家を継ぐ覚悟を告げ、町人になれないがお紋を妻に迎えたいと願った。
藤七はお紋に「又三郎が妾に望んだ」と告げて町を去り日暮里に移った、1年後にお紋は客・新吉と夫婦になる料理茶屋の友・お糸に会い「又三郎は戸沢家を継ぎ、振られたお紋を探している」と聞いたが、藤七から又三郎の奥方になる人が気の毒だと言われた。
お紋は藤七に又三郎に会わない為に遠くに行きたいと言い、又三郎はお紋を迎えに行こうとして藤七からお紋の気持を聞いた。


原作:山本周五郎「野分」(新潮文庫刊『おごそかな渇き』所収)
脚本:李正姫
監督:副島宏司

第十話「砦山の十七日」:2017年8月15日

誅殺隊指揮者で中老・笈川伊織の長男の笈川哲太郎(渡部豪太)と槍組徒士・藤井功之助(佐野和真)と槍組頭・庄田孫兵衛(おかやまはじめ)と足軽組頭・吉田弥平次(田中裕二)ら7人は城代家老・溝口左仲を謀殺したが、後ろ盾を期待した次席家老・鮎沢多宮が暗殺は私闘と言った。
7人は江戸に近習番頭・松尾新六(布施紀行)を使者に送り帰るまで砦山の小屋掛けに身を潜めた、2日目に追っ手の鮎沢多宮の甥・鮎沢金三郎(鷲津秀人)らが囲み馬廻・正高大次郎(東尚吾)が負傷して国表用人・笈川紋之助(有馬健太)が爆玉を投げ応じた。
3日目に金三郎は矢文で寝返りを誘い、4日目に食糧が無くなり仲間を疑いかけた、8日目に心身共に疲れ水が無くなり大次郎が悪化し、馬廻・西村伝蔵(宇野祥平)は裏切り者が居ると言った、10日目に弥平次が死に、12日目に大次郎が死に功之助と伝蔵が言い争い、15日目に功之助は妻・美鈴(大井絵梨花)が殺され小屋から出て撃たれ死んだ。
16日目に伝蔵は哲太郎と違い身分が低く手柄を求めて仲間になったと言い、孫兵衛は金三郎の誘いに乗ったかと問うと認めた、伝蔵が小屋を出ると殺された、17日目に哲太郎と孫兵衛と紋之助は小屋を出ると使者の新六が上意と来て金三郎らを止めた、4人は死者を背負い皆で山を降りた。


原作:山本周五郎「砦山の十七日」(新潮文庫刊『松風の門』所収)
脚本:李正姫
監督:山嵜晋平

第十一話「金作行状記」:2017年9月5日

明石藩は江戸中期に松平家が藩主になり落ち着き、二代目藩主・但馬守松平直常(野久保直樹)は藩政を盤石にするため若い藩士を取り挙げ、勘定吟味役・大信田金作(川村陽介)は重臣を務める家柄だが正直過ぎて場の空気が読めなかった。
老職・猪塚幸右衛門(浜田学)を直常が他藩より迎え入れた、猪塚と近習番頭・宇野文弥(川連廣明)が剣術で揉めると金作が2人を煽る事を言い、宇野は猪塚に歯が立たなく面目を失い、神田市之進(植木祥平)が金作を責めた、金作は道中で女・波江(小林万里子)を助け連れ帰り、下男・嘉兵衛から腕が立つ猪塚とは争うなと言われた。
猪塚は直常に天守や鉄砲の狭間を作る城の修繕案を告げ、金作は猪塚に費用が膨大で戦乱の世でないと反対し、直常は昔に誤って金作の頭を馬で蹴り上げたと言い、猪塚は金作の禿を笑い藩士は腑抜けと批判した。
金作は道で宇野に斬りつけられかわして逃げ、波江に「何時も駄目な事を言ってしまう」「悪いことすれば謝れ」と告げた、城で金作は宇野が出奔し猪塚が追いだしたと聞き、波江がいなくなった。
金作は直常から茶碗を見せられ猪塚も名器かと尋ねられて、名器を禍となすと言った、金作は戻った波江から何も聞けず、直常は猪塚に城の修繕の中止を告げ考えの改めを求めて領地払いを命じ、猪塚は使者を斬った。
金作は砦跡に立て籠もった猪塚に会い罪人として闘う事を止め切腹を求め「形に拘るな」と告げると猪塚は「形にも意味があると答え正しさを示す」と切腹した。
翌日に金作は直常に猪塚は立派な最期と告げ「その意志に沿い立派な藩主になれ」と告げ、直常は「波江が直常の茶碗を割り逃げたが金作の言葉で謝りに戻り、金作の茶碗を持てば許して夫婦にすると告げると持って来た」と言い、茶碗を返し2人で守れと言った。


原作:山本周五郎「金作行状記」(新潮文庫刊『艶書』所収)
脚本:大前智里
監督:山嵜晋平

第十二話(e)「失蝶記」:2017年9月12日

江戸時代末期に青年藩士・谷川主計(水田航生)は藩士・杉永幹三郎(遠藤雄弥)から紺野かず子(山田朝華)との祝言が決まったと聞いた、佐幕派・真壁直忠(泉知束)と梓久也(松沢蓮)と山西新吾(虫狩愉司)と内藤源太(中村僚志)と、倒幕派・吉川十兵衛(谷山知宏)と杉永と谷川らで藩内は意見が分かれていた。
谷川は尊王攘夷を望む倒幕派で藩内の意見を取りまとめ、かず子への恋心を断とうとした、ある日に谷川は大砲の暴発事故で聴力を失った、谷川はに筆談で議論に参加したが足手まといで、下男・千吉(中原和宏)と稽古したが剣術出来ず、かず子の訪問を断り杉永は自分のせいだと言った。
谷川は剣術を稽古し気配を感じ、かず子の祝言が日延べと聞いた、藩内で倒幕派が台頭し、佐幕派・真壁の挑発で山西が捕えられた、谷川は杉永から知り仲間らと想いを聞いた、谷川は杉永に真壁を斬る決意を伝えた、後日に梓が来て皆の意見だと隣藩の者と密会する真壁を斬れと伝えた、谷川は梓と計画と合図を決めた。
谷川は待ち伏せて、合図で襲うと真壁と思っていたが杉永だった、杉永は梓に謀られたと言うが谷川は聞こえなく、追っ手から逃げて、裏切った梓を討とうと考えた。
梓はかず子に夫の仇討ちを求め吉川らと谷川を追った、谷川は「杉永を斬った事を知っている男が罠に掛けた」「罠の理由は信念か」と聞いた、かず子は谷川を信じると言い、谷川は梓を立ち合った。


原作:山本周五郎「失蝶記」(新潮文庫刊『日日平安』所収)
脚本:李正姫
監督:永江二朗

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