盲導犬クイールの一生

登場人物等

キャスト
仁井三都子(沢口靖子)
仁井勇(勝村政信)
水戸レン(檀ふみ)
多和田悟(うじきつよし)
渡辺満(玉置浩二)
渡辺祺子(竹井みどり)
沢木良彦(大高洋夫)
沢木正恵(菜木のり子)
宮田政晴(勝地涼)
渡辺の娘(邑野未亜)
渡辺悦男(松田祥一)
沢木亜弓(近内里緒)(木内晶子)
藤原卓郎(尾崎右宗)
長谷川(益岡徹)
2003年

1:はじめてのさようなら

仁井三都子(沢口靖子)・仁井勇(勝村政信)夫妻は盲導犬のハッピーウオーカーをしており、盲導犬訓練所に行く犬のそれまでの1年近くを預かり3匹目がまもなく来ると盲導犬訓練士の多和田悟(うじきつよし)から聞いた。
ただし片親が普通犬で盲導犬になれる可能性はやや低い事だった。
水戸レン(檀ふみ)は生まれた5匹から盲導犬に出来るか多和田に相談し、性格調査で背中に翼の模様があるジョナサンが向いていると聞かされ決まった。
沢木良彦(大高洋夫)・沢木正恵(菜木のり子)夫妻は子供を持っての再婚で、娘・沢木亜弓(近内里緒)はジョナサンが好きで、ついに水戸家に遊びに行くようになった。
多和田からジョナサンの引き取り予定を聞いたレンは亜弓に言う機会で迷い、レンを訪ねた沢木夫妻は盲導犬の事を聞き話すべきと思い、亜弓に話した。
仁井勇は仕事が忙しくなる予定で三都子と多和田に相談した。
水戸家からジョナサンがいなくなり、沢木夫妻は息子達が亜弓の為に誘拐していた所を見つけたが、亜弓は実際に盲導犬の活躍を見てレンに応援したいと言った。
預かる事に決めた仁井家に生後43日のジョナサンが登録番号「Q」からクィールとして来た。


脚本:寺田敏雄
演出:岡崎栄

2:夜泣きと散歩デビュー

クィールはいたずらで仁井三都子(沢口靖子)は夢中になるが、一方で夫・勇(勝村政信)の変化に気づず、仕事に忙しい勇は三都子がクィールの世話で一杯と感じていた。
多和田(うじきつよし)は犬は環境に敏感で飼い主の心や余裕が判るので無理はしないで欲しいと言った。
勇は忙しく、その為に三都子がクィールの夜泣きや散歩の世話に無理をして疲れていると感じた。
クィールが熱を出し、三都子は動物病院に運び込んだが逆にそこで自分が風邪で倒れてしまい、勇は多和田と相談してまだ日の浅いクィールを他に預ける事にした。
別れの日に、三都子は気持が変わり、無理をしないで育てる事を決心して勇と多和田に告げ、人の心が判る犬に育てると言った。


脚本:寺田敏雄
演出:渡辺一貴

3:旅立ちの時

クィールは仁井三都子(沢口靖子)と夫・勇(勝村政信)の元でクィールは生後3ヶ月になり首輪をつけて散歩を始めたが、それを見ている少年・宮田政晴(勝地涼)がいた。
クィールは他の犬にちょっかいしたりし、テニスボールを見つけると喰えてしまった。
勇の帰宅は遅く、夜の散歩で政晴が野球ボールを投げれたと思うが、多和田(うじきつよし)はクィールは元は猟犬でボールに反応すると言い、犬が嫌いな人もいると言った。
三都子とクィールとの散歩で政晴としばしば会い、話をするが悪い子でないと思うが、政晴は不登校で両親と揉めていたが犬を助けた時に自転車事故で野球が出来なくなった事が原因で今は直ったが遅れてレギュラーは難しかった。
三都子は政晴に、クィールが投げたボールを取ってくる所を見せて楽しんでいると言い、政晴は野球ボールは狙ったのでなく、あげたつもりと言いクィールと遊んだ。
夏休みも1年だけのハッピーウオーカーでは一度だけで仁井夫妻はクィールとの1度だけの思い出を楽しみだった。
政晴の両親は盲導犬に理解がないが、政晴は元の学校で野球をレギュラーでなくても始めると決めた。 秋・冬・春になり、クィールと別れの日が来て仁井夫妻はクィールと長い散歩を楽しみ別れた。
盲導犬訓練センターに、渡辺祺子(竹井みどり)が渡辺満(玉置浩二)を見学に来たが満が盲導犬を拒み帰り、多和田とクィールの乗った車とすれ違った。


脚本:寺田敏雄
演出:新田真三

4:犬嫌いのパートナー

クィールの盲導犬訓練センターでの生活が始まり、里中訓練士はおとなしいが遅れがちと言い、多和田(うじきつよし)は慎重な性格と答えた。
近所からの犬嫌いの人からの苦情や視覚障害者の集まりでの等があり、多和田はボランティア団体代表・渡辺満(玉置浩二)に協力を頼み盲導犬の使用を頼むが、犬嫌いだった。妻・祺子(竹井みどり)や娘・美津子は活動に協力的だが高校受験を控えた息子・悦夫はぎくしゃくしていた。
市街地での盲導犬訓練が始まるが、渡辺は杖だけで自分で行動したいと言い、里中が自動車事故中にクィールが逃げ、ホームレス(不破万作)に繋がれいたが、仁井三都子(沢口靖子)と夫・勇(勝村政信)や水戸レン(檀ふみ)の所にも連絡があり、多和田は捜しひたすら帰りをまった。
仁井三都子が訓練センターに多和田を訪問した日にクィールが帰り、ハッピーウオーカーは会えない決まりの三都子は影で見た。
半年が過ぎクィールはたくましくなり、多和田は渡辺に訓練中のクィールと歩く事を薦め、普通の歩行早さで歩く盲導犬に渡辺は衝撃を受けた。
渡辺は祺子と盲導犬訓練センターに行き、多和田にクィールを指名した。


脚本:寺田敏雄
演出:新田真三

5:青空の記憶

渡辺満(玉置浩二)とクィールの1月の共同生活と訓練が始まるが、渡辺はボランティアの仕事を娘・美津子に手伝って貰い、訓練に没頭するが英語で命令する事に慣れず、クィールとの距離がなかなか近づかないと感じた。
訓練仲間の杉山が犬と慣れず止めようとし、渡辺に話をすると人の心はゆれて変わるので止めてから心が変わっても遅いと答えられた。
渡辺の家では息子・悦夫が高校進学問題で周囲や教師と上手く行っていなかった。
1月後訓練が終わり渡辺とクィールは渡辺の家に行き、クィールの新しい生活が始まり、渡辺は直ぐに仕事を始め、バスに乗ったり道の障害物を避けたりした。
渡辺は親としてどうか、息子や娘に言われた悩みをクィールといるときにつぶやき悩み、悦夫と教師と話し合うが、息子の可能性を信じる事も大事だと言い、帰り道にクィールが立ち止まると悦夫が泣きながら死にもの狂いでやると言った。
翌春、悦夫は志望校に合格したが、渡辺は胸の苦しみを感じ病魔が襲いはじめた。


脚本:寺田敏雄
演出:岡崎栄

6:もう一度会いたい

クィールは3才になり、渡辺満(玉置浩二)とクィールの生活も1年経ち、渡辺は遠ざかっていた飲食街を通ると離れていた友人・長谷川(益岡徹)らと出会った。
妻・祺子(竹井みどり)は娘・美津子に大学の事を聞き、息子・悦夫と渡辺が食事していると腹痛を起こし病院に行くと医師(矢島健一)は祺子に後日1人で来る様に言った。
渡辺はクィールといると気持が楽で長谷川らから集まりに呼ばれて出かけ過ごし、祺子は病院へ行き医師から渡辺の症状の悪化と人工透析の必要を言われ、暗い部屋で祺子が待っていたと知った渡辺は早朝にクィールと散歩に出かけ日の出を肌で感じた。
渡辺の週3回の人工透析が始まり、体の衰えを感じ休みがちになり、もう一度倒れて入院が決まった。
クィールは盲導犬訓練センターで預かる事になり、渡辺は多和田(うじきつよし)に盲導犬は友達で必ずクィールとまた歩くと言った。


脚本:寺田敏雄
演出:岡崎栄

7:ありがとうクイール

渡辺満(玉置浩二)の入院は3年経ち、クィールは盲導犬訓練センターで待機していたが7才になり人間では40才だった。
妻・祺子(竹井みどり)や娘・美津子や息子・悦夫は次第にクィールの話をしなくなったが、渡辺は悦夫だけに頼み事をした。
悦夫は盲導犬訓練センターに行き、渡辺が病気が良くならずクィールを待機させている事が自分のわがままだと感じていると伝えた。
悦夫はクィールは元気で多和田(うじきつよし)も待っていると渡辺に伝え、祺子は医師(矢島健一)から許可を取り一家で盲導犬訓練センターに行くと、クィールは渡辺を憶えており30mをゆっくり歩き、1週後に渡辺は死去した。
仁井三都子(沢口靖子)・仁井勇(勝村政信)夫妻がその事を知ったのはかなり後で、仁井夫妻が盲導犬のプレゼンテーションに参加すると、クィールを見かけクィールも仁井夫妻を見つめ、多和田はクィールは仁井夫妻を憶えていると言った。
4年後に人間で60才になったクィールは引退し、仁井夫妻はクィールを引き取ると昔の事を憶えていた。
1年後、クィールは白血病にかかり余命半年とされたが、水戸レン(檀ふみ)と多和田の紹介で成長して海外留学に行く沢木亜弓(木内晶子)がクィールに会いに来て最初の友達で夢を貰ったと言った。
仁井夫妻はクィールに海を見せに連れだし、その後にクィールは死んだ。


脚本:寺田敏雄
演出:岡崎栄

感想:

人間と犬の寿命の差で一般に犬の誕生から死を人が見届ける事が多い。
盲導犬と1年の仮親となり、最後に引退後と死を見届けた。
盲導犬として働いたのは1年となったが、道案内以外のものをパートナーに与えた。

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