七瀬ふたたび

登場人物等(全13話)

監督:舞原賢三・山崎貴・七里圭・大エ原正樹・上野勝仁
脚本:新田隆男・林壮太郎・細尾真奈美
原作:筒井康隆
出演:渡辺由紀・安達哲朗・篠原直美・SLY/ATAGA・谷原章介・筒井康隆
制作年:1998年。

第1話:対立概念-1

人間の心を読めるテレバスの超能力者の火田七瀬(渡辺由紀)は、他人の悪意を読めるばかりに悩んで生きていた。
そして、超能力者を抹殺しようとする存在に狙われながらも、生活費を稼ぐためにアルバイト先を探していた。
周囲の人が殺される過去の思い出に悩むテレバスの超能力者・ノリオ(安達哲朗)はあくどい商売とヤクザ風の人物の支配する街で、ひっそりと暮らしていた。
親しい同居人が傷つけられて逃げている時に七瀬と出会い、同じ超能力者と知った。
留守中に同居人が殺されたが、過去の思い出に妨げられて何もできなかった。

第2話:対立概念-2

ノリオは復讐の為に、殺人者がいるディスコ・・しかし色々な悪行が行われている所へ向かった。
七瀬は、ノリオに連絡が取れず住まいに行くと同居人が殺されており、残留意識を読み取りノリオを助ける為にディスコに乗り込んだ。
画家の岩淵恒夫は、ディスコの壁画を依頼されておもむくが実は、予知能力者であった。
七瀬はディスコの正体を知ると共に、ノリオを助けて逃げようとするが岩淵に出会い、彼が超能力者と知る。
岩淵は、ディスコに仕掛けられた時限爆弾と火災で多くの人が死ぬ事を予知していた。
七瀬は時限爆弾は超能力者を狙ったものと考えた。

第3話:対立概念-3

岩淵は未来は変えられないと言うが、七瀬とノリオは時限爆弾を探しに戻り何もしらないヤクザ者達から妨害や狙われながら探し続けた。
やがて、岩淵からロッカーと教えられて時限爆弾の爆発を防いだ。
外へ逃げた3人の前でディスコは爆発して、岩淵は時限爆弾ではなくガス漏れが原因と言った。
岩淵は予知出来なかった2人がテレバスだと聞き、他の能力者には興味がないと去った。七瀬とノリオは一緒に暮らす事にした。

感想: キャラクターと超能力者とその種類はほぼ同じで、いくらかの性格や背景を原作から変えている。
連続ドラマと制作年とを取り込んだ設定は、展開を変えるが方向性は変えずに細部の変更でむしろ面白いとも言える。

第4話:上位自我-1

七瀬とノリオは、廃屋間近の家で一緒に暮らし始めた。
七瀬は、レストランのウエイトレスになって働くが自分に「私は崇拝者」と呼ぶかける声を聞いた。
店長(廣瀬昌亮)や先輩ウエイトレス・しげみ(長曽我部蓉子)は七瀬に好意的でなく、しげみは、店の金を七瀬のロッカーに隠して陥れようとした。
全員で探しても見つからないし、七瀬は真相を読み取ったが何も出来なかった。
オーナー・西尾(田口トモロヲ)が来て、最後にロッカーを調べる事になったが、西尾は簡単に判ると思った。
七瀬に調理場で働くヘンリー(SLY・ATAGA)が命令して欲しいと無言で言い、命ずると念動力で金を七瀬のロッカーからしげみのロッカーに移動して、助かった。

第5話:上位自我-2

強盗が現金輸送車を襲った。
しげみがレストランに来たが、西尾に脅迫されていると七瀬は読み取った。
ノリオが七瀬の誕生日を憶えていてレストランに来た。
強盗2人が、奪った現金をバッグに詰めてレストランに来たが、西尾は直ぐに強盗と気づいた。
強盗達は店員と客を人質にして、拳銃を撃つと、ノリオは傷ついたウエイトレスを見て母の記憶がよみがえりパニックになり、近づいた七瀬と共に強盗に狙われた。
命令して欲しいというヘンリーの声に七瀬が応じると、念動力で強盗は自らを撃った。
ヘンリーは自らは超能力を使えず、七瀬の命令で念動力が使えると言い七瀬にずっと呼びかけていたと言った。

第6話:上位自我-3

七瀬はヘンリーを住まいにつれて来るがノリオは目立つ事を心配した。
ヘンリーは父親の命令でのみ念動力を使えたが、父の死後は命令する存在・上位自我を求めて日本に来て七瀬に会ったといい、七瀬に心を読まれる事は神は全て知っているのだから、七瀬にも知られてもかまわないと言った。
七瀬は、強盗のバッグの中身が見えた西尾が透視力の持ち主と考えた。
西尾からウエイトレスを止める前の給料の精算をしたいという連絡を受けた七瀬は出かけ、ノリオとヘンリーはついて行くが、気づいた西尾は場所をレストランに変更し、七瀬はノリオに伝えた。
西尾はヘンリーの能力に気づいていたが、七瀬はそれを知らなかった。
七瀬は超能力者を抹殺しようとする存在が西尾に近づいている事を知って西尾の透視力を確信したが、西尾も七瀬の能力を知り襲った。
駆けつけたノリオとヘンリーだが鍵がかかっていた、七瀬の命令を聞いたヘンリーは念動力で鍵を開けて西尾を殺した。

感想: 新たに2人の超能力者に会うが、ひとりは七瀬を襲い、もうひとりは七瀬の上位自我で始めて能力が使える崇拝者だった。
念動力者のヘンリーを加えた3人の集まりになった。

第7話:心的力域-1

3人は外国へ逃亡を考えるがパスポートがなく偽造品の入手を計った。
ノリオとヘンリーが、黄(でんでん)へ取引に出かけ七瀬は待機するが不思議な少女・漁藤子(篠原直美)と出会った。
取引は罠で、七瀬がかけつけヘンリーが防ぐが、ヘンリーの能力は動く物体には働かないと判った。
七瀬にパスポートの売り込みがあり危険を承知で出かけるが、途中でまた藤子に出会い彼女がタイムトラベラーと知った。

第8話:心的力域-2

狙撃手の罠にはまり、ヘンリーの超能力がテレビの街頭取材に撮影された。
七瀬は藤子に助けを求めるが、藤子は過去の経験から心を閉ざしていたが、七瀬が気持ちを理解しようとしたので1度信じようとした。
過去に移動するには条件があり、2人は経験がなかったが成功した、七瀬は狙撃前に狙撃手に会って対処した。
しかし、七瀬の前に松井刑事(若松武史)が狙撃手殺害容疑者を調べるとして現れた。

第9話:心的力域-3

七瀬は、松井刑事の尋問を受けるが心は読めず、長く執拗だった。
ノリオとヘンリーは、七瀬が見つからず藤子に助けを求めるが、3人一緒の時がなくノリオと藤子が過去に戻った。
現場に行くと、実は2組が監視していて、刑事は狙撃手を攻撃した七瀬とヘンリーを監視していた。

第10話 :心的力域-4

七瀬は、刑事の心が読めず見えるのは過去の風景だったが、監視していた組織の人間と思った。
刑事の言葉「現実は幻想」を過去に聞いた気がした。
ノリオと藤子は理解しあえずに喧嘩になった。
ノリオは刑事の過去に既視感があり、自分は刑事の子供と思った。
刑事は、七瀬が妄想を持つだけとしてときはなち、毒を飲んだ。

感想: タイムトラベラー・藤子の登場で、ストーリーが急に複雑になる。
超能力者の孤独が理解できるのは、七瀬だけであった。
複数の監視者に気づかずに次第に窮地に陥るが、藤子の能力でようやく逃れたが、安心な場所は無さそうだ。

第11話:涅槃原則-1

ノリオの怪我治療の為に、藤子の獣医の叔父・連平(筒井康隆)に助けを求めた。
組織が動き始め、サンプルB群を呼ぼうとするが醍醐(水橋研二)は駄目と言った。
叔父は七瀬に藤子が心を開いていると言い、藤子はノリオに心を読んで欲しいと言った。雑誌に、岩淵(谷原章介)の描いた未来の絵として七瀬が掲載された。
岩淵は組織が狙っていると気づいた。
叔父は北海道の牧場へ皆で行くチケットを予約するが、本名で全員を予約したので組織が見つけて襲ってきた。
叔父は七瀬に藤子を頼んで死んだ。

第12話:涅槃原則-2

組織は岩淵は死んだというが七瀬は信じなかった。
岩淵は、未来がぼけてしか見えなくなっていた。
ノリオは七瀬に絵の公園に、岩淵は居ると言い、七瀬は駆けつけるが岩淵は「未来に七瀬が見えない」と言った。
七瀬達の前にノリオが居た施設の先生が探しに来たが、七瀬は「自分はノリオを理解出来るし、皆が仲間」と答えた。
施設の先生は「絶望は何ももたらさない」と答えて去った。
岩淵は組織の攻撃に殺された。

第13話:涅槃原則-3

七瀬達が岩淵を見つけた時に、サンプルB群が現れ醍醐は全員を別の世界に移動させた。
醍醐は七瀬達に、「超能力者は神に近く組織に従順のふりをしている」と言った。
七瀬は参加を断り戦いが始まるが、七瀬は醍醐以外はただ使われているだけと知った。
ヘンリーとノリオは傷つき、七瀬と逃げた藤子は残った5分の時間移動能力でヘンリーとノリオの危機を知り七瀬に伝えて倒れた。
駆けつけた七瀬によって力を出したヘンリーは、七瀬とノリオを部屋の外に出して醍醐から時間を稼いだ。
七瀬は超能力者の戦いを知らせる者が必要と言い、ネックレスを預けてノリオを別世界へ送り出して、戻った。
その途中で回想が起き、藤子の最後の時間移動で仲間が多元世界へ移動していた。
別の世界では、ノリオはネックレスを腕輪にしてひとりいた。

感想: 超能力者を消そうとする組織と、それに従順なふりで神に近く振る舞う醍醐と彼に操られる無力な超能力者たちが登場します。
七瀬は、組織と醍醐と戦う決心をするが、仲間達も孤独な生活から始めて得た仲間として七瀬についてゆく。

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