横溝正史・サスペンス4

女王蜂

金田一耕助(古谷一行)は速水欣造(神山繁)と船で月琴島へ向かい、20年前の日下部の死と大道寺琴絵(斉藤恵子)の悲しみとその後に娘・智子を産み欣造に父になるように頼み、間もなく死にその約束の為に欣造は島に来たと話した。
息子・速水文彦(坂東正之助)は母・速水蔦代(岩本多代)が船酔いしたと言い、欣造は金田一に警告状を言い読み「女王蜂」だと書いてあった。
大道寺智子(片平なぎさ)は花束を海に投げ、顔に傷のある男が父は殺されたと言い、家で下男・姫野東作(田中春男)が待ち、家庭教師・神尾秀子(岡田茉莉子)に父の事を聞き、欣造らが家に着き姫野や遊佐三郎(赤塚真人)が迎えた。
智子と秀子が一行を迎え、当主・大道寺槇(南美江)は東京行きが不満で、金田一は時計塔の仕組みを見て時間が来るとチャイムが鳴るが多門連太郎(夏夕介)が切る事が出来ると教え頼朝を調べていた。
金田一は文彦や連太郎や遊佐に見つめられる智子を秀子や蔦代は女王蜂の様と言い、智子の部屋に島に留まれと警告が書かれ、金田一は姫野が紙を燃やし祈祷師・九十九龍馬(川合伸旺)が智子を探し開かずの間を知り鍵は琴絵の死後不明だった。
智子は母の墓で鍵を見つけ開かずの間に入り血の汚れを見つけ、文彦と連太郎が喧嘩し蔦代と金田一が止め、血を見た智子が気を失い九十九の祈祷を受け頼朝の妻・政子の霊を除くと言い、智子は時計台に呼び出され遊佐の死体を連太郎と見つけた。
山本巡査(三谷昇)が来て、金田一の身分が判り姫野が居なかった。
日和勇警部(長門勇)らが島に来て山本から金田一がいると聞き、大道寺家に来て智子と連太郎に会い、姫野の死体を文彦が海岸の洞窟で見つけ死亡時刻は遊佐より先だった。
秀子の編み物の毛糸が姫野の死体にあり、秀子は遊佐と姫野の20年前のこうもりと変装の話しを聞いたと言い2人の前身は不明で、金田一は智子から父が殺されたと言われたと聞き、開かずの間を調べて欲しいと鍵を預かり調べたが襲われ鍵を奪われた。
金田一は写真館で遊佐のネガを現像して貰い、旅役者・嵐三兆の写真が姫野に似ていて、智子は連太郎に危険だから東京に戻れと言うと犯人の目星があると答え、夕食に連太郎が来ず蔦代が青酸カリ毒死で見つかった。
智子は連太郎の死は自分のせいと悔やみ、文彦は連太郎と喧嘩したと言い、金田一と日和は開かずの間をこじわけ調べテーブルクロスと月琴が無くなっており金田一は九十九を尾行して隠しているのを見つけた。
金田一は、智子の父は開かずの間で月琴で殺されたと言い九十九は事情を話し琴絵が犯人だが夢遊病のせいで秀子の案で崖から落としたと言い、智子はそれを聞いた。
秀子と欣造は智子に真実を話し、金田一は日下部と琴絵以外が開かずの間にいたかと聞き、話しを聞きに言った智子が言い寄られ気を失っている間に九十九が殺された。
<以下、隠し字>
山本巡査が開かずの間で地下道を見つけ金田一と日和が確認し、嵐三兆一座と写真の人数が合わず、金田一は皆を開かずの間に集め、琴絵が出ている内に日下部が殺害され琴絵が戻り記憶を失ったと言った。
金田一は欣造を犯人と指摘し嵐三兆一座に島田と言う名で加わり、知っていた姫野と遊佐を殺し、智子に近づいた連太郎と九十九を殺し智子は欣造にとって琴絵と同じ存在で、秀子が欣造を撃ち自殺した。
槇が病で倒れ、智子は島に残り、金田一と日和は智子を元気つけ島を去った。


脚本:石松愛好
監督:富本壮吉


感想: 連続殺人と過去の事件を解き明かす。
動機がシンプルな方だ。
警察捜査が入り難い場所の設定になっている。

黒猫亭事件

昭和22年、糸島繁(太地喜和子)は土建屋・風間俊六(近藤洋介)と浮気中に夫・糸島大伍(田口計)の相手・桑野鮎子に殺されると言い、バー・黒猫亭に繁は戻った。
日兆(池田秀一)が庭を掘り死体を見つけ、私立探偵・金田一耕助(古谷一行)が風間組の事務所を訪れ風間に会うとお繁の死の新聞を見せ、日和勇警部(長門勇)が現場で指揮し店は改装中で犯行痕跡があり、猫の死体が埋められて見つかった。
日和は日兆から状況を聞き、金田一に会うと身元は断定していないと言い、女給・加代子が証言し、女中・お君(井上聡子)は鮎子が怪しく繁に頼まれ尾行した事があり、血痕には猫の血が多く混じっていた。
風間は金田一に繁から聞いた過去を語り、帰国した糸島が来て金を要求されたと語った、日和が風間に死体確認させるが判別出来ず、糸島の引き揚げ同僚・浜本は小野千代子との間を言い、金田一は猫が2匹いたと知り、日兆の寺への近道を知った。
金田一は桑野鮎子の実在を疑い、日華ダンスホール・早坂はいたと言い富田美子は最近見かけたと言い、糸島夫婦は行方不明だった。
金田一(古谷一行)は繁(太地喜和子)も鮎子も写真がなく、風間(近藤洋介)から新聞を聞き見つけ、日華ダンスホールへ行き、日和(長門勇)は大工から日兆(池田秀一)が変と聞き、日兆は糸島大伍(田口計)が猫を埋めるのを見たと証言を変え繁以外がいたと言った。
お君(井上聡子)は顔を見ていないが声が似ていたと言い、金田一が繁の写真を持ってきて繁と鮎子が同一と言った。
金田一は浜本から小野千代子の居場所を聞き行き足抜けと疑われ、高木刑事が来て時々来た女が繁だと写真を見て言い、死体は小野千代子で寺に張り込みを頼んだ。
<以下、隠し字>
日兆が列車に飛び込み自殺し、金田一は日兆は繁の共犯者で死体は千代子でその打撃は男で繁の計画は昨年からで、動機は糸島殺害と言った。
金田一らは寺に行き墓場を掘らせ、防空壕に落ち日兆の逃亡方法を知り、寺で銃を持つ繁を見つけ風間が来て止め、糸島の死体が見つかった。


脚本:安部徹郎
監督:渡邊祐介


感想: 有名な顔のない死体のトリック。
原因は戦争か復讐か男の優しさか。

迷路荘の惨劇

昭和25年、金田一耕助(古谷一行)は社長・篠崎慎吾(三橋達也)の迎えで過去会った・速水譲治(桑原大輔)に馬車で迎えら迷路荘がホテルになると使用される予定だった。
元伯爵・古舘辰人(仲谷昇)と叔父の元子爵・天坊邦武(伊豆肇)が元妻・篠崎倭文子(浜木綿子)のいる迷路荘に来ていた。
戸田タマ子(秋谷陽子)と隠居・糸(千石規子)が金田一を迎え、社長・篠崎が武者隠しから現れ、倭文子が来て、糸は気味の悪い左腕が無い男・真野が現れていて篠崎の紹介状と電話がありダリアの間に入れたが篠崎に憶えが無く、糸が後で行くと鍵がかかり誰もいなかった。
迷路荘には抜け穴があるが糸も全ては知らず、倭文子は尾形静馬(滝沢双)が戻って来たと言い、糸は金田一に昭和5年の事件を言い古舘一人(西沢利明)が猜疑心が強く、妻・古舘加奈子(御道由紀子)と静馬を疑い加奈子を斬り、静馬の片腕を斬り、静馬が一人を殺し鬼の岩屋に逃げた。
金田一は譲治の案内で鬼の岩屋を調べ、峡谷が噴火で埋まり洞窟になったと考え行き当たりの地獄の井戸に着き、食事会で倭文子は辰人を非難した。
夜銃声が聞こえ篠崎夫婦が襲われ金田一が行き、タマ子が行方不明で、天坊が密室でシャワーの中で風呂で殺されていた。
日和勇警部(長門勇)らが捜査に来て自殺を考えるが金田一がタオルの下に腕時計を見つけ、盆の上の石像を見つけ、日和は滞在者を足止めし、刑事(小鹿番)は拳銃は近距離からと言った。
日和は辰人と篠崎と糸から聴取して行き、金田一は犯行方法と犯人の物色を見つけガウンの紐が無くなり、糸を使った密室のトリックを解いた。
日和と金田一は倭文子に静馬の事を聞き、辰人が狙われると聞き、金田一は能面の目から拳銃を撃ったと考え隠し部屋を探し、天坊のベルトとタマ子の死体を見つけた。
日和と金田一は抜け穴を調べ小部屋と拳銃を見つけ3つの部屋が監視出来、真野が現れ消え、仁王像に出口を見つけ、譲治から天坊が風呂の添加物持ち込みを知り写真のネガを見つけた。
朝、厩で辰人の死体が見つかった。
辰人は鈍器で殴られ首を絞められ左手を袖からだし片腕に見せかけ、金田一は滑車の利用を考え、凶器らしき杖が見つかり篠崎のものだった。
篠崎は来客を後悔し、倭文子は離縁を望み、日和は仁王堂を調べ糸の出入りを知り静馬を匿っていると考えた。
<以下、隠し字>
20年前の資料とネガの現像が届き、金田一と日和は倭文子を探すが糸は静馬に攫われたと言い、金田一と日和は洞窟と隠し地下道を調べ接続と倭文子を見つけ、金田一は加奈子と倭文子が従兄弟と知り古舘の始まりと村の因習を知り、倭文子と辰人の財産乗っ取りの企みを天坊が脅迫した写真で知った。
倭文子の天坊殺害を見たタマ子を辰人が殺害したと考え、金田一と日和は洞窟で倭文子の自殺死体を見て、静馬のものらしい墓を見つけた。
倭文子は篠崎を好きになり辰人を殺害し、真野は譲治が糸に言われてした変装で、計画は早くから辰人の狙いを見抜いた糸だった。


脚本:田坂啓
監督:松尾昭典


感想: 連続3回でじっくり見せる。
連続殺人で登場人物が不足してくる。
風習の動機は、今の世界では難しい。

犬神家の一族

昭和22年、金田一耕助(古谷一行)をかね(野村昭子)が急かし信州に向かい、信州財閥投手・犬神佐兵衛(岡田英次)が死に際で正妻はおらず、妾・犬神松子(京マチ子)と犬神竹子(月丘夢路)と犬神梅子(小山明子)と竹子の息子・犬神佐武(成瀬正)と梅子の息子・犬神佐智(松橋登)が遺言を待つが古館恭三弁護士(西村晃)が預かり、松子の息子・犬神佐清(田村亮)の復員後か死後1年後に発表と言った。
金田一は古館事務所の若林を訪ね、佐清復員の連絡を受け、那須ホテルに行きボートに乗る野々宮珠世(四季乃花恵)と岸で迎える猿蔵(新海丈夫)を見たが車がブレーキが利かず、2人を助けだした。
竹子の娘・犬神小夜子(丘夏子)や夫・犬神寅之助(西山辰夫)や梅子の夫・犬神幸吉(堀内一市)は遺産を当てにしキヨちゃん(井上聡子)が金田一を訪ねた若林の死を見つけ、橘署長(ハナ肇)は東京から金田一の身元を聞いた。
古館は金田一に誰かに買収され若林が遺言を読んだと言いあらためて捜査を依頼し、松子が帰り、翌日覆面と仮面をした佐清と松子が来て遺言書が読み上げ、財産は配偶者を3人の孫から選ぶ条件で珠世に贈られる内容で、それが不可の時は5等分し3人の孫と青沼菊乃(吉本真由美)の息子・青沼静馬(田村亮)が残りを継ぐとなっていた。
妾3人は静馬に火傷をつけた事を言い、松子は静馬に戦死の報が入っていると言い、あるマスク男が駅に降りた。
佐清(田村亮)が散歩し竹子(月丘夢路)と佐武(成瀬正)や梅子(小山明子)と佐智(松橋登)が見つめ本物か疑い、金田一(古谷一行)は佐兵衛伝を読み空白期間があり那須神社で大山神主(溝田繁)が出生兵士の手形があると言い、古館弁護士(西村晃)と佐武と佐智が来て見つけたが手形合わせを松子(京マチ子)を拒んだ。
金田一は古館に静馬と佐清が同じ舞台におりそこが全滅の噂があると言い、珠世(四季乃花恵)が佐清の部屋に時計の修理を頼み、マスク男が宿から出かけ、猿蔵(新海丈夫)を通し佐武を珠世が呼び出した。
橘署長(ハナ肇)ら警察と金田一が菊園で佐武の死体が殺され、金田一は「よき・こと・きく」を思いだし、死体切断場所が判りブローチを見つけ珠世から昨夜の事を話し時計の指紋と手形の比較を頼み襲われたが猿蔵に助けられたと言った。
皆が集まり佐清の手形合わせが行われ、マスク男の顔は不明で金田一は証拠が揃い過ぎだが目的不明で、橘は手形合わせの結果が一致したと報告し、珠世が佐清に話しかけたが銃で襲われた。
金田一(古谷一行)は猿蔵(新海丈夫)を探し、佐清(田村亮)が松子(京マチ子)と会い佐武(成瀬正)の通夜が始まろうとし、橘(ハナ肇)と古館(西村晃)と金田一が復員服のタオルに佐武の血液がついていたと言った。
珠世(四季乃花恵)は佐智(松橋登)に結婚を迫られ断り、小夜子(丘夏子)は佐智の子を産むと言い、珠世の部屋に復員服の男が現れ逃げ猿蔵が追うが背後から殴られ、皆が来ると佐清が気を失っていて犯人複数説を金田一は考えた。
復員服の男と仮面の男が会い、金田一と古館は大山(溝田繁)から先祖の記録の餓鬼絵と野々宮大弐の日記を見て珠世が佐兵衛の孫と知った。 ボートの珠世がモータボートの佐智に騙され眠らされ廃屋に連れ込まれ襲われかけるが、復員服の男が助け、猿蔵が珠世を探しモータボートから廃屋で気を失った珠世と縛られている佐智を見つけ、珠世を連れ帰った。
警察が梅子に呼び出され佐智を探した。
珠世(四季乃花恵)は佐清(田村亮)を尾行し、松子(京マチ子)が青沼菊乃(吉本真由美)の扱いを話し、橘(ハナ肇)と金田一(古谷一行)は犬神家の旧別荘で佐智(松橋登)が琴糸で殺されているのを見つけ、佐清と復員服の男が会った。
猿蔵(新海丈夫)は珠世を助けた時に佐智は別の位置に縛られていたと言い、誰かの生活跡があり、橘は松子に犬神家に警備を話し内部のアリバイを訪ね、金田一は温室で復員靴跡を見つけ、佐清に青沼静馬と同じ隊にいた事を訪ねるが松子は知らず、静馬の事は佐清は答え無かった。
佐清の死因が太い糸であとで琴糸に変えていて佐武と似た手口で、金田一は犬神屋敷に多くの空部屋を見つけ松子と会い大きな鏡を見て麝香の匂いがし、佐兵衛が誰も愛せず妾達の怨念があると言った。
珠世と佐清が松子に呼ばれ結婚を申し込まれたが、珠世は今は返事を断り松子に以前の佐清と思えないと言い、松子は遺産を数える佐清を見て復員荷物から菊乃と静馬が映る写真を見つけた。
豪雨が降り、金田一は橘から殺人を聞き湖で足だけ見える死体を見た。
湖の死体にスケキヨと書かれマスクを剥がすと佐清(田村亮)で、金田一は珠世(四季乃花恵)と猿蔵(新海丈夫)に佐清でないかも知れないと言い、死体の指紋採取を依頼し佐清でないと判り静馬と考え、橘に警備を解かした。
3日後、金田一は橘(ハナ肇)と古館(西村晃)と本物の佐清を待ち、珠世と松子(京マチ子)に佐清が現れるが逃げ去るが警察に捕らえられ、金田一と古館が立ち合い金田一は手形合わせの時は佐清が静馬と入れ替わっていたと尋ねた。
<以下、隠し字>
金田一と古館が松子に佐清逮捕を伝え、松子は無実と言い金田一は佐清を助ける証言が必要と言い質問し、珠世に佐武に襲われた時に松子が居たと言い能面に麝香の匂いを見つけ佐智の死体からもその匂いがしたと言い、否定する松子に金田一は佐清が全て見ていたと伝えた。
橘が佐清を連れ全面自供を告げるが、金田一は真犯人でないと言い松子が現れ、金田一は真実を語り続け、佐清と静馬が時々入れ替わり、能面の女・松子が佐武を殺すのを佐清と静馬見てそれから、佐清は静馬に逆らえなくなった。
佐清は佐智から珠世を助け素顔を見られ、静馬から命じられ松子が殺した佐智の首に琴糸を巻き付け、それから復員兵を見なくなり、静馬が殺された新聞を見て自分のせいで母の殺人と思い戻って自首し、松子は菊乃と静馬の写真を見つけ静馬と話すが脅され殺したと言った。
梅子(小山明子)と梅子(小山明子)らは去り松子は支度に立ち、松子に珠世は待つと伝え、佐清は部隊での静馬を話し、松子は自害し・・・・・・。


脚本:服部佳
監督:工藤栄一


感想: ミステリー小説的な評価以上に映像化が多い。
たぶん、視覚的に適した素材なのでしょう。
長い歴史が絡むので長さも合わせられる。

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