横溝正史・サスペンス2

人面瘡

和菓子店わたなべ長女・渡辺松代(斉藤由貴)が行方不明になり滝に飛び込む所を薬師ノ湯旅館使用人・万造(沢竜二)が助け、旅館女将・柳子(淡路恵子)と仲居・ウメ(あき竹城)が世話した。
外務省斎藤事務次官(内田勝正)が汚職を否定し運転手・田代啓吉(宮下敬夫)と去り、芸者・会田麻美(三原じゅん子)が田代を呼び斎藤が死に薬師ノ湯神社守りが有った。
金田一耕助(古谷一行)を薬師ノ湯に河合警部(谷啓)と宮村巡査(尾美としのり)が招き、麻美と田代が旅館に来て薬師神社を聞き、旅館若旦那・貞二(倉田てつを)が松代を気に掛け、柳子が松代に貞二と旅館を継いで欲しいと言い、わたなべ次女・渡辺由紀子(黒沢あすか)が旅館に来て松代を見つけ、薬師神社の滝で田代が殺され柳子が金田一に調査を依頼し河合らが現場に行くと巫女が祟りと言い、麻美は薬師ノ湯神社と薬師神社との差に気づき、河合は斎藤の隠し金3億円が不明と判り、薬師神社で突き落とされたらしく付近は自殺が多かった。
由紀子が貞二に言い寄り松代を見下だし、麻美の櫛を薬師神社で金田一が拾い、麻美が貞二に言い寄り、金田一は夢遊病の松代を見、翌朝由紀子がいなく見た松代が服毒自殺を謀るが助かり、遺書に「また由紀子を殺し呪いが右肩に現れる」と書き人面瘡が有り、金田一は双子の片方の説もあると言った。
滝で由紀子の死体が見つかり金田一は傷の生体反応を調べさせ、松代は憶えていなく、麻美は松代に脅迫されたと言い、由紀子の鞄から松代行方不明の新聞記事が出て来たが、松代は由紀子と婚約者・葉山譲治を殺したが憶えていないと言った。
<以下、隠し字>
金田一はわたなべの火事を調べ姉妹の三角関係を知り、墓で松代の双子の妹は死産と聞き、滝の昔の自殺調査と由紀子が溺死で飲んだ水の成分分析を頼み、金田一はウメから仲居部屋の神棚の由来を聞き、金田一は夢遊病の松代を尾行するが消え帰ると正気で憶えていなく、麻美の死体が見つかり金田一はお守りから仲居の神棚が薬師ノ湯神社と知った。
金田一は、麻美の田代殺害と、由紀子と麻美殺害は別と考え滝壺への流れを調べ由紀子の飲んだ水が温泉で、過去の自殺が米田光子で夫の借金が原因で、柳子に光子は供養され祟りはなく、由紀子殺しは柳子で動機は松代を女将にしたかったと言った。
万造の本名は米田で光子の夫で貞二の父で、由紀子殺しの手伝いと麻美殺しをした。
金田一は松代の妹・鶴代が現れると鶴代が乗り移った松代に言うと、人面瘡は消えた。


脚本:石原武龍
監督:山本厚
製作年:2003年


感想: 原作は、「人面瘡」。
人面瘡と二重人格は横溝の世界。
細部の殺害捜査は金田一の世界。

悪魔の仮面

昭和32年岡山県吉備郡黒姫村で金田一耕助(古谷一行)を仁礼鶴子(真野響子)が待ち村は祭りで、当主・仁礼竜之助(大林丈史)の招待状で叔父・仁礼銀作(石井愃一)とその妻・仁礼千恵と実妹・仁礼凉子(佐野アツ子)とその夫・仁礼朝彦(中丸新将)が集まり奉公人・お民(川島美津子)と鈴は、最近は世話は可南子(北原佐和子)がしていると言った。
鶴子と金田一が来て、叔父・仁礼宇之助(大下哲矢)と叔母・仁礼扶美に挨拶し、鶴子の夫・竜之助が来て千恵が可南子に話しかけていると、神楽太夫の一団が来て挨拶した。
凉子と朝彦は竜之助に援助と息子・竜平の養子を言うが断られ、銀作と千恵は鶴子に竜之助に借金の保証人を頼んだ。
その夜の神楽に宇之助と金田一は出かけ実弟・仁礼琢馬(羽場裕一)と見学中に、竜之助が鎌で殺害され河合警部(谷啓)と根来刑事(越村公一)が来て発見はお民で合鍵は可南子が持ち扉が侵入口で屋敷には9人がいた。
金田一は鶴子と鍋井弁護士(市川勇)と話し、32年前奉公していた克子が竜之助の子供・可南子を産み死後入籍出来ると鍋井は言い他の一族は反対し、鶴子と琢馬が逢い引きし、可南子が絞殺され蛇が巻かれ、千恵は鶴子が部屋にいないと言うと琢馬が一緒にいたと言い、琢馬は金田一に鶴子が竜之助の暴力に泣かされその後同情が愛になったと言った。
<以下、隠し字>
お民も竜之助の暴力の被害者で、金田一は凶器に憎しみを感じ、凉子が行方不明になり蔵で鎖で吊り殺され、金田一は蛇の目と凶器から住職(江藤漢)に相良家の家紋と教えられ27年前の洪水で3人が死に姉・珠世と弟・史親が生き残り史親が神楽太夫と知った。
金田一は薔薇の枝が折れ史親に刺が刺さり内部に手引きがいたと考え、広島から神戸に行き占い師に会い珠世の事を聞き、村に戻り鶴子に相良珠世と言い山辺鶴子とすり変わり看護婦になった。
鶴子は27年前の洪水で3人が死んだが殺人で犯人は仁礼竜之助で良質の水の出る沢を手に入れるのが目的で、竜之助が雷鳴の日に相良の亡霊を殺したと言い、真相を知り史親と竜之助殺害を行い、仁礼の血が許せず可南子と凉子も殺し・・・・。


脚本:峯尾基三
監督:吉田啓一郎
製作年:1998年


感想: 原作は、「薔薇の別荘」「神楽太夫」。
過去の事件との繋ぎがかなり強引。
犯人の逮捕率も低い。

白蝋の死美人

金田一耕助(古谷一行)が雪の街角で立花マリ(杉本彩)と会ってから3年後にマリは恋多き女優となり、旅館「松月」女将・松山節子(鷲尾真知子)がマリが3度目の結婚をそばの屋敷の作家・伊沢信造(新藤栄作)とすると言った。
厚生省では伊沢徹郎(岸本祐二)が法医学・畔柳(清水紘治)の汚職問題を述べ、徹郎は母・伊沢加寿子(岡田茉莉子)に文句を言い、娘・早苗(西尾まり)は雄島(前田耕陽)との結婚が延期と言い、信造がマリを連れて帰り、加寿子は結婚は認め無いと言うが信造は無視するが、家族は冷遇しいやがらせをした。
亀井編集長と妻・福美(江口由起)と彫刻家・瓜生(橋本さとし)とが信造を訪れ、瓜生はマリの彫像を作り始め、マリが信造の使いでパーティに招待に来て金田一は会った記憶があり、パーティで信造の情事をマリが見た。
3月後に悲鳴を聞いた金田一が伊沢邸に行くと信造が殺害され、マリは否定し河合警部(谷啓)と宮村巡査(尾美としのり)らが来て、隆介が早苗との婚約を破棄し、女中・さゆりは信造の子を産むと言い、マリが去り、徹郎が議員を解任された。
加寿子が金田一にマリの居場所を探す依頼をし、金田一は出身の養護施設を訪ね職員はマリは無理に演じていたと言い、金田一に匿名で鍵と手紙が届き本郷に行くと男女の焼死体を見つけ、家は徹郎が使用しており、法医学研究所・畔柳が瓜生と復顔に来た。
<以下、隠し字>
1月後に畔柳が記者会見で復顔結果を公表するとマリで、金田一は加寿子を訪ねると徹郎とマリとはあり得ないと言い、金田一はマリを探すと言い加寿子を尾行すると畔柳法医学研究所に行きわざわいを止めてくれと頼み、畔柳は加寿子への復讐と言い、金田一は加寿子に捨て子のマリの持ち物を見せ、畔柳との恋と子供・マリの事を聞いた。
金田一は法医学研究所で畔柳の死体と破壊されたマリの蝋人形を見て、金田一は河合に焼死体がマリでなく福美と考え、亀井は徹郎と福美を殺したが焼いていないと言い、金田一は河合らと信造殺しの現場のオルゴールから指を見つけ瓜生を疑い、瓜生とマリを見つけオルゴールが合図だが信造気づき瓜生を襲い指を切りオルゴールに隠し、マリは姿を消したが本郷で福美に会い呼び出され、徹郎と福美の死体をみて焼いた。
瓜生は自首し、加寿子は全て自分のせいで多くの罪を犯したと言うとマリが来て・・・・・・・。


脚本:石原武龍
監督:山本厚
製作年:2004年


感想: 原作は、「蝋美人」「雌蛭」。
人の多くは仮面を被り演じている。
過去の罪が拡がって行く。

悪霊島

金田一耕助(古谷一行)は下津井の浅井はるを訪ねると殺害されていて、警察は口よせの一子と呼ばれ河合警部(谷啓)が来て金田一は手に刑部神社のおみくじがあり自分宛の依頼手紙にも同じ物があったと見せた。
金田一は船で刑部島へ向かい刑部と越智の者の喧嘩をみて、海から人を引き揚げると島に悪霊が取り憑いていると言い死んだ。
金田一は島の刑部神社で巴御寮人(山本陽子)と刑部真帆(中本奈奈)に会い錨屋旅館に行きトメと主人で巴御寮人の父・刑部大膳(神山繁)に会い河合と刑事が来て海の死体・青木の事を聞き錨屋にも泊まっていて山崎巡査(粟津號)が着衣を見つけたと来て、青木は越智竜平(峰岸徹)の秘書だった。
神社宮司・刑部守衛(清水紘治)から落人伝説を話し、刑部と越智の勢力の入れ替わりを語り、越智竜平が島に帰り甥・越智拓郎(中村俊介)らが迎え、大膳と竜平が言い合い竜平が黄金の矢を神社に寄進した。
拓郎と真帆が会い駆け落ちの話しをし、河合らが竜平に青木の事を尋ね先乗り調査を依頼していた、はるは島出身で産婆もし、山崎は15年前の人形師・猪瀬の失踪事件を話し、金田一は鵺の声を聞きにでかけ、真帆と出会い拓郎と会うが両家が来て止めた。
金田一は拓郎から事情を聞き次ぎに真帆に会い、宮司・守衛が黄金の矢で殺害され、河合と金田一は刑部家の家系と越智家の家系を聞くが複雑でしかも容疑を言い会い、過去にも竜平と巴の駆け落ちが有ったと聞き、金田一は竜平に過去の事を聞き叶わなかったが召集令状で断ち切られ、終戦後に会うと巴が結婚しており島を離れたと言った。
<以下、隠し字>
河合と金田一ははるの元で巴を出産させ幼児の斡旋も行っていたと判り、真帆の父が竜平と判るが巴が真帆と拓郎との結婚への強い反対が疑問だった。
越智勝子が殺害され手に藁を持ち、金田一は竜平に島に帰った目的を聞き、大膳が洞窟に毎月7日に詣ると聞き行き落人の墓を見つけ大膳に襲われるが巴が止め、人形師・猪瀬の死体が有り大膳の犯行と思われるが、竜平も自首した。
金田一ははるが何かで脅していて、養子の拓郎の事情を調べ福山で実母・三ツ木育代に会い養子ははるの口利きで実母は・・・、巴に会い出産は双子で真帆と拓郎だった。
巴ははるから聞いて脅迫した猪瀬や青木を殺し、はるから守衛が止めさせないと言い金は折半で天罰と聞き巴が殺し、欲で脅した守衛を殺し竜平が手伝い、秘密を知り脅した勝子も殺した。
巴は金田一に真帆と拓郎の秘密を託し、2人に話した・・・・。


脚本:峯尾基三
監督:原田眞治
製作年:1999年


感想: 原作の長さから、事件の詰め込み過ぎの感想は言いにくい。
20年の犯罪も同様だ。
秘密の大きさと動機の大きさは比例するのか?。

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