功名が辻

原作：司馬遼太郎（『功名が辻』）
脚本：大石静
演出：尾崎充信・加藤拓・梛川善郎・久保田充・梶原登城・大原拓

山崎の屋敷で千代（仲間由紀恵）は山内一豊（上川隆也）から城持ちになると言われた、徳川家康（西田敏行）は羽柴秀吉（柄本明）が勝ったと聞き家臣の意見が割れ考え石川数正（大河内浩）に祝いの品を持って行かせた、天正11年6月に賤ヶ岳の戦の論功口承が坂本で行われ小姓らは3000石に加増され、中村一氏（田村淳）は岸和田城を貰い、堀尾吉晴（生瀬勝久）は高浜城を貰い、一豊は300石を加増され3800石になった。
一豊は内容に不満で、三成は3000石に加増で3万石の運用を求め加増は辞退し、千代は一豊から不満を聞き城の夢に飽きたと言うが、一豊は登城しなくなり、千代は法秀尼（佐久間良子）に話しよね（森迫永依）も心配し判らなくいっそ出家を考えると伝えると、法秀尼は会うと言った。
なか（菅井きん）は寧々（浅野ゆう子）から小姓らの加増を聞き、三成の不満を聞き人を見極めろと言われ、秀吉は黒田官兵衛（斎藤洋介）から恩賞に不満が出ていると聞き一豊を尋ね、恩賞で従うのかどうか家臣を見極めたいと言い、三成は只者でないと言った。
三成は茶々（永作博美）に会い不満を聞くと幸せをよこせと言われた、一豊は千代から出家になると言われ、法秀尼が来て一豊に出家を求めると一豊が如何に秀吉の為に働いたか話し加増の少なさの不満を話すと秀吉から理由は尋ねないなら愚痴と言われ、愚痴から逃れるなら死ねと言い、千代が聞いて自分が先に死ぬと言うと一豊は判ったと生きて行くと言った。

演出：梶原登城

羽柴秀吉（柄本明）は大坂城の築城を始め、姫路城で千代（仲間由紀恵）は寧々（浅野ゆう子）からはしゃぎすぎと言われ茶々（永作博美）の為に作ると言い、秀吉が千代に山内一豊（上川隆也）を聞くと器用ではないと言い、羽柴秀次（成宮寛貴）に会い治兵衛と言われ思いだし徳川家康（西田敏行）との戦を聞きいた。
千代は一豊から秀次は跡継ぎだが気が弱いと聞き、秀吉が家来を試していると言い、天正12年正月に秀吉は三法師（藤田悠希）を連れ参賀を受け丹羽長秀（名高達男）は以降姿を見せず、中村一氏（田村淳）は堀尾吉晴（生瀬勝久）と一豊に秀吉だけが織田信雄（大柴邦彦）に挨拶せず信雄と家康が結ぶと言い、千代は同じだが一豊は納得しなかった。
秀吉に石田三成（中村橋之助）が家康に上京を促すと聞き促すが、家康は動かず、信雄が家康に助勢を頼むがうつけと見極められ、小牧・長久手の闘いが始めり犬山の秀吉と小牧の家康が睨み合い、秀吉は動くなと言うが秀次は望み岡崎を攻め、家康は対策を練り、秀次は手柄を狙うと奇襲に会い総崩れし、秀吉は家康の力を確認し黒田官兵衛（斎藤洋介）に信雄喋略を命じた。
秀次は戻り出直しの兵を求め秀吉は怒り一豊が取りなし秀次は謝罪した、家康は信雄の和睦を聞き引き、大坂城が完成し秀吉は関白になり、一豊が長浜城を貰った。

演出：加藤拓

天正13年7月に山内一豊（上川隆也）は長浜城主となり千代（仲間由紀恵）らは移り、一豊が家臣らに挨拶し五藤吉蔵（小倉久寛）を召し抱え、千代は法秀尼（佐久間良子）を招くが断られ弟・山内康豊（玉木宏）を気にしたが居所は不明で、近江八幡城で羽柴秀次（成宮寛貴）が羽柴秀吉（柄本明）から城主を受けて一豊と中村一氏（田村淳）と堀尾吉晴（生瀬勝久）が宿老を命じられた。
千代はいと（三原じゅん子）ととし（乙葉）から天下が近づいたと言われ、千代は訪ねて来た康豊を見て迎え事情を聞き浪々を知り世を見誤り、玉（長谷川京子）に助けられやり直しを言われ長浜に来たと言い、康豊は法秀尼と一豊に会いやり直すと言った。
千代はよね（森迫永依）に小袖を作ると言い、寧々（浅野ゆう子）は北政所と呼ばれる様になり長浜に来て千代に玉と細川忠興（猪野学）はうまく行っていないが秀吉は連れろと言い、茶々（永作博美）は秀吉と戦中と聞き、千代は一豊から富山城受取の準備係になったと聞き接待を取り仕切り、蔵が空になり一豊は心配するが千代は心配不要と言った。

演出：梛川善郎

天正13年長浜で千代（仲間由紀恵）と山内康豊（玉木宏）はよね（森迫永依）を話し、山内一豊（上川隆也）が千代に康豊の嫁を相談すると玉（長谷川京子）に心を寄せると言われ否定し、千代はよねか大きくなると康豊の嫁になりたいと秘密に聞いた。
京で一豊が康豊を羽柴秀吉（柄本明）に紹介し、岡崎の徳川家康（西田敏行）の上洛を促せと命じられ黒田官兵衛（斎藤洋介）が大役と言い、織田長益（アンドレ）と共に家康に会い一豊が上洛せねば秀吉が攻めると言うと家康は迎え討つと答えた。
天正13年11月に夜に風で千代が城を見回るとよねが一緒を望むが拒み、地震が襲い家屋が崩れ落ちよねが下敷きになり死んだ、一豊と康豊は岡崎からの帰途によねが死んだと聞き、法秀尼（佐久間良子）が来て嘆き、千代は一豊と法秀尼に自分のせいだと言いなぐさめられ、よねは康豊が好きだったと話した。
千代は町で出会った京都天竺屋の侍女・せつ（石川さゆり）に息女・加乃（佐藤未来）によねの為に作った小袖を着て欲しいと渡し、切支丹信者で教えを聞き、玉に教えを聞き全て許せる様に強く生きていこうと言われた。

演出：大原拓

羽柴秀吉（柄本明）は徳川家康（西田敏行）の上洛の為に正室がいない事に目をつけた、千代（仲間由紀恵）と山内一豊（上川隆也）はよねを失い、寧々（浅野ゆう子）が見舞いに来て、秀吉が正妻に旭（松本明子）を貰って頂くと言い副田甚兵衛（野口五郎）の処置を相談し、千代は一豊に相談するが無理と言われ、千代はなか（菅井きん）に相談し、なかが秀吉と言い合うと寧々が引き旭の人質で揉めた。
千代は旭を逃がそうとするが、旭が秀吉に呼ばれ千代の被害を恐れ秀吉に行き、副田は秀吉に旭との離縁を命じられ、寧々が旭を丸め込み、一豊は千代に家康行きを命じられたと伝え、会うと一豊は千代が欲しいと言われ聞かれ答えられず正直と言われた。
千代は旭の副田宛ての手紙を書くと頼まれ「生きて欲しいと言い」、浜松城に輿入れし家康は旭と話した、ところが家康は上洛せず秀吉と寧々はなかから自分が人質になると言い、蜂須賀小六（高山善廣）が秀吉に文句を言いなかが意見を言う男がいたと感謝した。
家康が重臣と偽と疑うが、なかと旭の出会いをみた家康がついに大坂に向かい、前夜に秀吉が一豊を連れ家康を訪れ体裁だけで従って欲しいと頼み、翌日に大坂城で諸侯の前で芝居をした。

演出：梶原登城

天正15年3月に羽柴秀吉（柄本明）は九州攻めに出陣したが、山内一豊（上川隆也）は羽柴秀次（成宮寛貴）の宿老として残り、山内康豊（玉木宏）は役目を果たせと言い、千代（仲間由紀恵）は法秀尼（佐久間良子）に相談に行くと寝込んでいた。
秀次は近江八幡の町作りを一豊と中村一氏（田村淳）と堀尾吉晴（生瀬勝久）と康豊に相談し、堀尾は掘割り作りを康豊は井草作りを勧め、千代は法秀尼が雨の日も一豊と康豊の無事を祈ったと聞き、法秀尼が千代に一豊を頼み遺言を書こうとするが力なく言い残し死に、一豊と康豊が来て遺言を千代から「互いに尊び意見を戦わせ学びあえ」と聞いた。
8月に九州平定した秀吉が大坂に戻り、茶々（永作博美）は石田三成（中村橋之助）に自分は落ちぬと言い、秀吉は家臣らに切支丹追放と述べ、細川幽斎（近藤正臣）は細川忠興（猪野学）にガラシャ（長谷川京子）の対応を話し、一豊は康豊に嫁取りを千代に任せると言い、康豊はガラシャを訪ねると関わるなと言われ、一豊夫妻の勧めで水野家の娘・於美（眞野裕子）と祝言をあげた。
秀吉は京の聚楽第に移り、秀次に従い一豊と千代も京に住み、寧々（浅野ゆう子）にいと（三原じゅん子）ととし（乙葉）が三成と茶々が噂し千代らは寧々から秀吉と茶々の関係を言い、秀吉は大坂に戻り大蔵卿局（山村美智）に茶々との床入りを告げ、茶々は三成に秀吉が天下を取りに来たと相談すると従い嫡男を産めと言われた。
一豊は千代に秀吉からの淀城建設を話し千代は茶々の城と考え、秀吉が茶々に城を贈り言い寄り子を望んだ、千代は門前に捨て子を見つけ法秀尼の導きと考えた。

演出：尾崎充信

天正16年初春に京の屋敷で千代（仲間由紀恵）は捨て子を育て、寧々（浅野ゆう子）は淀（永作博美）に聚楽第に行きたいと望まれ我が儘と言い、聚楽第で山内一豊（上川隆也）は堀尾吉晴（生瀬勝久）と中村一氏（田村淳）から大任と言われ小西行長（綱島郷太郎）と石田三成（中村橋之助）が豊臣秀吉（柄本明）の威光と聞き、千代は一豊に町の噂を聞き名を拾と付け、秀吉が帝を聚楽第に招く世話役と聞き、一豊は準備するが三成に教えを乞うとこれまでにない華麗なものと内容を聞いた。
千代は寧々から公家を驚かす打ち掛け作りを頼まれ、秀吉は寧々に頼まれ加藤清正（金児憲史）と行長に肥後の半分ずつを与え後に朝鮮攻め先鋒と言い、一豊は清正と行長の不満を千代にこぼし仮病になり、天正16年4月14日に5日間の聚楽第行幸が始まり後陽成天皇（柄本時生）らの行列が並ぶが一豊は休み、千代は仮病がばれた時の咎めを心配し、秀吉は淀を聚楽第に呼び寧々と会い帝が千代の作った打ち掛けを褒め、能宴中に一豊が来た。
聚楽第行幸は成功し、千代は献上の打ち掛けを淀が欲しいと言われ母・市が昔に千代が寧々の為に作った打ち掛けを奪ったと聞き来た秀吉に淀は子が出来たと言い、天正17年5月に男子が誕生し、寧々はなか（菅井きん）に目出度いと言い子を産めなかったと言い、豊臣秀次（成宮寛貴）と一豊が祝いに行き秀吉から名が鶴松と聞き、秀次は秀吉から天下を誰が取るか聞かれ鶴松の後見役を聞かれ、黒田官兵衛（斎藤洋介）が隠居を申し出たが家督相続だけ認められた。
一豊は千代に秀次が不運というと重い役から逃れられたと言われ、千代は町で副田甚兵衛（野口五郎）を見かけた。

演出：大原拓

千代（仲間由紀恵）は副田甚兵衛（野口五郎）に旭（松本明子）の手紙を渡し大坂城に戻り病だと告げたが人違いと言われ、山内一豊（上川隆也）は忘れろと言い、千代は旭を見舞い北政所（浅野ゆう子）に商人に扮した副田を連れ手紙を読ませ、後に旭は死んだ。
天正18年に一豊は北条攻めを伝えると、千代は徳川家康（西田敏行）の動きを心配し、石田三成（中村橋之助）は大名に人質を出させてから返し先陣を家康に命じ、一豊らは豊臣秀次（成宮寛貴）軍と出発し、沼津で豊臣秀吉（柄本明）は陣を命じ三成は家康と織田信雄（大柴邦彦）の動きを警戒し、一豊は秀吉に呼ばれ家康を訪ね信雄に会い謀反の噂は消えた。
一豊らは周囲の城攻めを始めたが、秀吉は兵糧攻めを始め一豊に山に城を築かせ、秀吉は家康に東海５国から関八州に移し、千代は淀（永作博美）と小田原に呼ばれ、淀から三成が町作りし物が豊富で賢いと言い、北条は落ち一豊は掛川5万石になり、千代は家康の牢番だと言った。
豊臣秀長（春田純一）と千利休（鈴木宗卓）が死に鶴松が死んだ。

演出：加藤拓

鶴松が死に豊臣秀吉（柄本明）の後継問題が再度起き、葬儀で秀吉は髪を下ろし重臣も従い、千代（仲間由紀恵）は北政所（浅野ゆう子）から淀（永作博美）と石田三成（中村橋之助）が北政所のせいと噂を拡げると聞き、豊臣秀次（成宮寛貴）への忠義を言われ、秀吉は朝鮮攻めを考え大名に支度を命じた。
山内一豊（上川隆也）らは功名の機会と考えるが、徳川家康（西田敏行）は榊原康政（川野太郎）らに行かないと告げ愚かと言い出陣しない手紙を秀吉に送り、天正19年に秀吉は秀次に関白を譲り自らを太閤と名乗り、翌年に秀吉は九州・名護屋に行き一豊は掛川を山内康豊（玉木宏）に任せ、秀次の側に残った。
千代は秀次から源氏物語の写本を贈られ、独自の政事をすると聞き、秀吉は朝鮮攻めで初戦勝利し、千代は一豊に秀吉の心を読み世の動きを読み功名をあげろと告げ、淀は三成に再度太閤の子を産むと言い、大坂でなか（菅井きん）が寝込み北政所と千代が見守り秀吉の暴走を誰も泊められないと話しその後に死去し秀吉が戻り嘆いた。
文禄2年4月に千代は拾から表の侍の手紙を見せられ六平太（香川照之）から朝鮮に居てたが秀吉は負けると告げ、虚と実を見て駆け引きで動く時代と言い、黒田官兵衛（斎藤洋介）が秀吉と三成に淀の懐妊を告げ、そして男子が誕生し、豊臣秀次（成宮寛貴）の立場が不明になった。

演出：梶原登城